夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
- 角川春樹事務所 (2012年3月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758436458
感想・レビュー・書評
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時代小説は苦手だったけど、このシリーズはすぐに世界観に引き込まれ、はまりました。特にこの本が大好き。結ばれて欲しかった…。
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試練の一冊。どうか報われてほしい。
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雲上晴天までどれだけの試練が待ち受けているのだろうと思う。シリーズとしては後半に入り始めたが、想い人とは結ばれず、また料理人としても厳しい試練が次々に襲い掛かり、澪に降りかかる不幸はどこまで続くのかと気をもんで仕方がない。間を空けて読むようにしているが、いつまでたっても幸せがやってこない。そしてストーリーが重視されすぎて相変わらずとろとろ茶碗蒸しが続き、これは!と思わせる料理も頑張ってください!と声を大にして言いたい。
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号泣(>_<。)。。。 何故こんなに悲しい別れが続くの? これで、ホントに最後に青空が見れるの?? とりあえず、鯛の福探し、試してみるかな。。。
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みをつくし料理帖7。
料理人としていきる決意をした澪にかかる試練と又次の死。 -
高田郁さん「みをつくし料理帖 夏天の虹」読了。シリーズ七作目。激動の展開。料理より澪の気持ちに焦点が当たっています。自分の心星を見つけ小野寺さまに想いを伝えたい澪。それを受け入れる小野寺。その後も澪に次々と試練が。澪の身体、つる屋を取り巻く環境にも変化が。これからの展開が非常に気になる。とても心を揺さぶられた巻でした。とても良かった。
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とても辛くて、読み終えるのに時間がかかった。澪の選んだ道が、自己犠牲を伴う献身の為だけではなく、自分が好きでやり通したいという願いや想いがあればこそ、と願わずにはいられない。又次の存在も、身を呈してあさひ太夫を守り、美しくもあるが、あまりに哀しすぎる。P.171「水が低い方に流れるのに似て、悪い方にしか考えられなくなっていた思考が、漸く平らかになった。治るか治らないか、まだわからない。それならば、治らないと、決めつけて怯えるのはよそう。」澪を想う人々の温かさで、凍り付いた不安だらけの澪の心が溶け始めた。
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みをつくし料理帖第七作目。
「つる家」に戻った澪は料理を拵える喜びを味わう。
しかし、別れの寂静をも味わう。それは、想い人だけではなかった。
・冬の雲雀・・・想い人との別れで起こる苦悩。それを振り切るように
料理に打ち込む澪。しかし、その料理も苦悩を生む。
ひとの心に残る料理・・・だが、源斉の言葉が澪を癒す。
・忘れ貝・・・又次が戻り、新しい料理を作るよう勧められる澪。
完成した牡蠣料理は江戸っ子の評判を得るようになる。
美緒との再会、小松崎の婚礼が心を揺らすが・・・。
「恋を知って、澪さんの料理は変わりましたよ」
りうの言葉が澪の心を打つ。
・一陽来復・・・匂いと味がわからなくなった澪。落ち込む彼女に、
「つる家」の面々や又次が救いの手を差し伸べ、
柳吾が助言を与える。そんな中、伊佐三の親方の事で
源斉から噛むことの大切さを知らされた澪が、考えた
料理とは。「一陽来復だな、澪さん」
・夏天の虹・・・「つる家」の面々と出会い、過ごした日々は、
又次に変化を与えた。そんな穏やかな生活は吉原に
帰る日と共に・・・消えた。種市の悲嘆が物語る。
「これからって時に、こんな惨いことしやがって」
・巻末附録 澪の料理帖・・・物語の副題になっている料理のレシピ。
・特別付録 みをつくし瓦版・・・「りうの質問箱」作者への質問。
この物語の良いところは、登場人物のすべてに想いが行き届いて
いること。健坊、伊佐三の親方、太一が物語に絡んでいます。
柳吾、伝右衛門、坂村堂、清右衛門、源斉の心遣いも良い。
悪名を受けながらも澪を守った、小野寺の心情も。
そして、又次!
焔星=禍星。霜月に酉の日が三度ある年は火事が多いという。
それが現実になるという、悲劇と退場!滂沱の涙にくれました。
もっと幸せになってもらいたかったのに・・・。