夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436458

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなシリーズ。

    前回大きな展開がありどうなることかと思っていたら、今回はこんなことに。
    いったいどこまでいったら安心できるのか・・・

    でもこのシリーズを読んで励まされている人って多いはず。
    恋、仕事、結婚。現代の女性もまったく同じ問題があってそれぞれ悩みながら進んでいるんじゃないのかな。

    澪の周囲の人物達に自身を重ね合わせている場合もあるだろう。

    悩みながらも凛として進む澪に、それぞれつらい思いを胸に秘めながら互いに思いやり助け合っていく登場人物たちに励まされ、だからこそ幸せになってほしいと願う読者がきっとたくさんいるはず。

    どうか最後は「雲外蒼天」となりますように。

  • なんとなく、感想を書いてみようと思いました。




    一気読みしてしまう作品でした。

    毎巻、主人公が料理と向きあうストーリーですが、この巻は彼女が「ひとりで料理を見つめなおすチャンス」だったのだと、勝手に解釈してます。

    この作品を読んでいる大半の方が、主人公のことを応援していると思います。そして、不思議なことに、主人公がどの道を進んでも、その応援の気持ちは変わらないのではないでしょうか。

    読んでいる側は、主人公に共感し、辛い気持ちになることも多くありました。でも、主人公にとっては、決してそれだけではないと信じています。これまで何度も窮地に陥って、そのたびに這い上がってきているのだから。頑張れ、澪ちゃん。

    ☆が4つなのは、ひとりの主要人物がいなくなって、その後、橋渡し役が誰になるのか不安かつ期待しているので。

  • 大好きなシリーズ。澪には幸せになってもらいたいから、前作の後の展開が非常に気になっていました。


    で、そっか、そうくるか、と納得できたのも最初のうちだけ。
    おいおいおいおいおい!
    高田郁さん、私たちファンの気持ちも忘れないでね~~!


    澪の恋の行方は読めていたけれど、(だって、ご寮はんの息子が行方知れずのままで、万事めでたし、とはいかないでしょう)、予想外の辛いあれこれ・・。

    小松原様には、これまでいいとこどりじゃないの?と、正直、不満もあったし、澪は恋のために全てを捨てるのか、それはこれまでの女性像だったら許されたことかもしれないけど、今の時代に読むにはそぐわない価値観じゃないか、とも思っていたのだけど、ここまで小松原様が悪者になる必要はあったのだろうか。

    それに、その後、澪を襲った料理人としての不幸。そりゃないよ、高田さん、澪に試練を追わせすぎだよ、と文句の一つも言いたくなった。

    吉原の料理人、又さんがとても好きだったから、彼の表情が段々ゆるやかになるのが嬉しかったのに、その彼まで・・・!!とは、酷いじゃないかぁ~~~!(涙)

    前作で、雨の中、傘を忘れていった源斉先生の気持ちが今作でも感じられ、そこが唯一嬉しかったところかな。

    りうさん、ふきちゃん、ふきちゃんの弟、つる家の大将、ご寮はん、みんなが大好きだから、みんなが笑顔でいられる話を次の作品ではお願いしますよ!!
    掲載日:2012/04/20 外部ブログURLが設定されていません

  • 前巻からのショックを引きずって、今巻も辛い出来事。次は開けていく空だといいな。

  • 小松原との別れを選んだ澪は直接別れを告げる。身分の違いもあり、町人から断ることができないことを察して、小松原から断る形にして、憎まれ役を買う。

    同じ頃、今年は新しい料理をお客に出していないこともあり、料理番付から名を消すが、これが功を奏して、番付に拘らず客が喜ぶ料理を提供することに改めて気付く。

    その後、牡蠣を昆布の舟に乗せた牡蠣の宝船を考案し、再び人気を博する。牡蠣の宝船食べたい!

    小松原の婚礼で心を痛めた澪は、味覚と嗅覚に障害をきたす。店主の奔走で又次を2ヶ月借り入れるが、その2ヶ月は又次がつる家に来られる最後の日だった。燕が巣立つ頃、又次もつる家を離れることになる。

    物語はそれで終わらず、その日吉原で火事があり、あさひ太夫を助け出した又次が亡くなる。深い悲しみを経験して、澪の味覚と嗅覚が戻る。

    あきない世伝でもそうだが、江戸時代の火事が多すぎる。そして、主人公に降りかかる天災が多すぎて気の毒になる。雲外蒼天といえども。。。

  • だめだ、涙が止まらんかった。
    どうか皆んなが幸せになってくれますように
    って祈りながら読んでしまう。

  • みをつくし料理帖シリーズ ⑦

    冬の雲雀 滋味重湯
    澪の心星は料理。小松原さまとの別れ。
    忘れ貝 牡蠣の宝船
    心のどこかで小松原と結ばれる、と思う自分がいた…。
    一陽来復 鯛の福探し
    澪の嗅覚と味覚がなくなるが、それすらも乗り越えよう!!
    夏天の虹 哀し柚べし
    又次との別れと引き換えに澪の嗅覚、味覚が戻る。

    だぁーーーーーー!!
    号泣ーーーーーーーーーーーー!!!!
    なんで澪ちゃんに、こんなにも困難を与えるのー!!!!

    なによりも、又次さんが…又次さんが!!!!
    あんなにつる家で楽しそうにしていた又次さんが
    もぅいなくなってしまっただなんて!!!!
    いや、もぅ、読んでていろんな気持ちになったけど、
    もぅ、うまく言えないー(。>д<)

    そして、小松原さまが、「下がり眉」ではなく「澪」と
    呼んだことに、もぅ涙が…(。>д<)
    小松原さまがカッコよすぎる…。
    こんな男性に今まで出会ったことないよー。
    本当にいい男だ!!
    又次さんといい、小松原さまといい、良い男がいなくなる
    一冊で哀しすぎだよー(。・´д`・。)

  • 幸せやったかな又次の人生。つる屋で穏やかな日々を過ごせて、太夫を助けることができて、よかったと思うしかない。悲しくて涙がとまらん。

  • 四話ごとに、涙が出てしまいます。人の優しさ、別れの哀しさに涙溢れる。

  • 自分の道を決めたとたんに味覚がわからなくなったり、思いがけない別れがあったり、つらいことが続く澪。
    この時代は、水害や火災などによる人との死別が、今よりも身近だったのだろうか。
    いや、現代にあっても、同じような思いをされる人の存在は同じようにあるということを心に留めながら、次の巻へと手をのばせることに、感謝。
    全巻大人買い出来るのも、文庫だからこそですね。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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