夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 4636
感想 : 653
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436458

感想・レビュー・書評

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  • 小松原とはやっぱりそうなってしまうのね〜。
    破談になるだけならまだしも、すぐに別の娘を娶られるのは辛すぎる。
    いや、そうでもしないと澪の決意に応えられなかったのは分かるんだけど…分かるんだけどさ!
    そこからまた澪に降りかかる試練や悲劇、これまでと打って変わって心が締め付けられるような話ばかりでした。
    夏天の虹、というタイトルにこめられた想いが胸に沁みます。

    牡蠣がやっぱりとってもおいしそうだった。
    私も殻焼きが一番好きかな…なんて思ってましたが、昆布につつんで蒸し焼きだなんてさすがにいけねぇ。
    柚餅子も食べてみたい!
    銘菓としての柚餅子しか食べたことがなかったのですが、これがそのものなのかな。

  • 基本的には★を満点にしない方針なんです。
    作者や作品へののびしろを期待して。
    でも時折、その方針を覆したくなることがあります。
    今回もそうでした。

    本巻では、芳さんの言動に心動かされました。
    まず、P51-52で小松原(小野寺)の妹・早帆の後を追おうとする澪を止めた時の芳さん。
    種市さん達は話を鵜呑みにして小野寺を悪者と思い込んでしまっていたけれど
    芳さんはちゃんと見抜いていてくれたこと。
    そして、P76-77で、伏せっている澪に重湯を食べさせてくれたこと。

    前者では、ああ、芳さんは分かってくれていたんだ、と思い、
    後者では涙腺崩壊しました。
    小説を読んでいて泣いたのは久々だと思います。

    それにしても、この件、誰も悪くないのにつらい。
    小野寺と種市の繋がりが切れてしまったのもつらい。

    その後の展開もつらく、又次の件でも涙が。

  • 最後の展開は、どうかと思う。やりすぎでは。

  • もう7作目になるんですね。大事に大事にとっておきましたが、新作も出ていることだし、読んでみました。
    本編、まさに転換の章ともいうべき、悲しい選択、つらい試練、衝撃の事件、これでもかこれでもかと料理人、澪におそいかかるのです。
    前作でこのシリーズももうおしまいかと思わせるような章もありましたが、
    なかなかすんなりとは終わりません。
    そうです、解決するべき懸案事項が二つほどまだ残されていますし、
    当分続くとみていいのでしょうか・・・
    どうしてこのシリーズがこんなに愛されるのか、考えてみるに一言でいうと全編を通して描かれるやさしさでしょうか。
    人を思いやる気持ち、自分を大事にする気持ち、そして料理に対する気持ち、丁寧な暮らし、そういうやさしさがしみじみ心に沁みてくるのですね。
    江戸時代という、年代もほっとさせてくれます。
    何かに追い立てられるように、ばたばたと毎日が過ぎていく、そんな日常の中で、ほんのひと時の安らぎを与えてくれる、そんな一冊だと思います。

  • 待望の「みをつくし料理帖シリーズ」第7弾。
    読み始めて早々に、せつない・・・、とにかくせつない・・・。
    澪の思い。小松原の思い。
    同時には選べない二つの道。
    お互いを思いつつ選んだ一つの道。
    胸をわしづかみにされたような切なさです。

    ひとつ、またひとつと澪にふりかかる試練。
    又次の思いを引き継いだ澪が歩んでいく道。
    「雲外蒼天」の運命。
    第8弾が待ち遠しい!!
    すっかり「みをつくし料理帖」シリーズの虜です^^

    • honno-遊民さん
      次回作の発売は1年後のようです。ホント待ち遠しいですね。
      次回作の発売は1年後のようです。ホント待ち遠しいですね。
      2013/06/03
  • 「心星ひとつ」澪は覚悟を決め、小松原さまに打ち明ける。
    揺るぎないものになったはずの澪の前途がまた新たな苦しみを生むことに。
    本当に小松原さまは優しいな、泣けてくる。。。
    自分の選んだ道で多くの人を苦しめているのではないかという健気な澪の気持ちも本当に切ない。
    でも前巻ほどの大きな動きはなく終わるのだろうなと思っていた・・・・ら
    なんと!表題作『夏天の虹』の章でいきなりの展開でただただびっくり!
    最後の最後で泣いてしまった。
    もっとこの優しくて温かい登場人物たちの中で過ごす姿を見ていたかった。つくづく残念!

  • 号泣。

    やだやだやだやだ。こんなのやだー。

  • みをつくし料理帖シリーズ第7作目。
    失ったものの大きさ、在るものの温かさ が身にしみる。

    「冬の雲雀」では、小松原様との別れ。
     「あとのことは何も案ずるな。全て俺に任せておけ」
     「良いか、澪。その道を行くと決めた以上、もはや迷うな」

    「夏天の虹」では、又次との別れ。
    あさひ太夫を命がけで守る愛。泥水を啜るようにして育ってきた彼が、つる家の皆に囲まれて、愛されて、やっと声を上げて笑うようになったのに…。

    今回も辛い、悲しい、切ない…がいっぱい詰まっていて(涙・涙・涙(T_T))
    だけど、いつもいつも温かい、芳、種市、りう、又次、ふき、まわりの人々の愛に包まれて、ほっこり、また涙(T_T))

    次巻一年後が待ち遠しい。
    あとはあまり悲しいことがおこりませんように。いつの日か「天満一兆庵」が再建し、佐兵衛も戻ってきて、あさひ太夫を身請けして、そして小松原様に料理の道で頑張っている姿を見てもらう。 「信じる道を生きてきて良かった」 ということで完。こんな感じかしら? 

  • 前巻「心星ひとつ」では大きく話が動いたので息せき切っての7巻目読了。
    しかし、本巻では全ての話が停滞。作者には最終話の形は見えているとのことだが、編集者の意向で引き伸ばしにかかってるんじゃないかと疑いたくなる。
    ほぼ全ての話に結末の道筋は見えてきた気がするので8巻目で完結となって欲しいところだが、全部の話を解決するとなるとあと2巻は必要かな。
    ふきの成長が見所だった7巻であった。

  • シリーズ7作目。大きな岐路となる巻。
    次々とつらい出来事が起こり、読んでいる自分も歯を食いしばるかのよう…。
    終わりの悲劇がまた悲しくて悲しくて…。
    読み終わってなお切ない。又次がいなくなったことに皆が悲しんでいると思うと切ない。
    何気ない場面、竹皮の梅干しを食すシーンや、板敷きでの賄い、互いに気遣いし合う場面が今回は本当に胸にしみて、ほろりとした。
    澪やつる家の面々に、いちだんと思い入れが深くなった。
    これから良いこともきっとあるから、みんな頑張れ!
    やはり目が離せないこのシリーズ、つらいけど面白かったです。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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