- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758438957
感想・レビュー・書評
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短編集
それぞれの宝石に紐づいた別々のストーリーが並ぶ様は、まるでジュエリーショップのガラスケース。
煌びやかな宝石が象徴するのは人の心の闇、裏側、醜さ。
反面、ネガティブな部分だけでなく醜さを消化した清々しさを見れるストーリーもある。
それぞれの宝石が異なる個性で魅せられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人は歪んだ女を書くのが上手い
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中3 △
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あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった―「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短編集。<裏表紙>
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私は宝石関係のウンチク話が大好きなので、けっこう期待して読んだ。ああ、それなのに……せっかく宝石の名を冠した短編集であるにもかかわらず、宝石そのものについての詳細な描写は一切なし。別に鉱物としての学術的ウンチクを事細かに書く必要はないが、宝石そのもののキラキラ感がもう少し伝わってくるような書き方はできなかったものか。あの程度の描写では宝石はただの小道具にすぎず、宝石である必然性が全く感じられない。小道具としての存在感すら、たとえば冒頭の『真珠』なんて完全に歯磨き粉に負けてるし、『ルビー』も和三盆のほうがインパクトが強い(笑)
映像化に向きそうなストーリーテリングのうまさは安定しているが、上記のがっかり感が私にとってはかなり大きかったので、ちょいと厳しめに採点。 -
短編集。
湊さんの作品は、長編ばかり読んできたのでちょっと物足りなさを感じたのも本音。
でも、最後の2作 サファイア → ガーネット が感動でした。話がポンポン進んでいきグイグイ惹きこまれました。 -
それぞれに宝石の名を冠した短編集。よほどタイトルをつけるのが煩わしかったのだろうか、宝石の名と内容との関連性は薄い。個々の作品は例のごとく一人称で語られ我々のすぐ隣に潜む闇の部分が浮かび上がる。
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初めて湊かなえさんの作品を読みました。
何だか後味の微妙な短編集だなと思いましたが、最後の解説を読んで納得。
彼女の他の作品も読んでみたいと思いました。