- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441278
感想・レビュー・書評
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主人公の満島絢子は、念願が叶って小さな出版社のイシマル書房にインターンとして入社することができました。しかし、イシマル書房の経営は危機的状況で、出資を受けている親会社に、半年で経営が改善できなければ、パチンコの会社に株を売却すると最後通告されます。そこで、起死回生のために、経験豊富な引退した編集者を募集し、ベストセラー小説を出版することにします。イシマル書房の石丸社長を中心に、主人公の絢子、元編集者の岩田鉄夫、過去に岩田が担当していたときにトラブルに見舞われた小説家の島津や出版仲間、本を愛する人々により、親会社から株を買い戻すために奔走します。
小説・本好きの人のための小説で、楽しく読みました。後半は岩田が主人公な気がしました。 -
22才の女の子がそんな言動するかよという位おっさんくさいですが、書いている人がおっさんのまま書いているので仕方が無いかもしれません。肢体とか熟れた体とか言わんでしょう。プロならちゃんとキャラクターになりきって書いて欲しいという切なる希望です。
ところが内容的には新興弱小出版社の生き残りを掛けた戦いに、ロートル元編集者が参加して、過去に挫折に導いてしまった天才小説家を担ぎ出そうという胸が高鳴る話でした。かっこいいおじさんが大活躍し、しかもちょっと苦味も有る展開なので文句なしです。
本関系を題材にした小説って最近多いですが、僕みたいなものを獲りこむには絶好の題材です。一般受けってどうなんでしょうかね。
個人的には大好きな本です。 -
【あらすじ】
満島絢子は念願かなって神保町の小さな出版社にインターンとして採用された。しかし、当のイシマル書房は親会社から「半年で経営が改善されなければ他社に株を売却する」と最後通告を受ける―
会社存続の危機に、石丸社長を中心に、理由あり作家、引退していた編集者、活版職人で絢子の祖父、元ヤンキーの営業マン、全国の書店員…など「小説」を愛する人々が立ち上がった。
果たして起死回生のベストセラー小説は生まれるのか?書き下ろし長篇。
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発行される新刊の数、年間8万点。返品率は平均4割。売上金の入金は発行から7か月後。書籍、雑誌の売上は年々下降線をたどる一方。1タイトルあたりの売上が落ちた出版社は、新刊の点数を増やすことで増益を狙うが、その殆どは「売れない新刊」でしかない。
これはここ20年程の出版業界が罹っている『死に至る病』。紛れもない出版不況の現実。
古い流通制度は経年劣化をおこし、マーケティングは弱い。なにより働いている人の頭の中が古い。
この業界はすでに死に体なのか?
イシマル書房もまた、経営不振を理由に親会社から最後通告を受けている小さな出版社だ。そこにインターンとして採用された絢子が、ベテラン編集者、元ヤン営業マン、全国の書店員、そして一旦は表舞台から姿を消したいわくつきの作家と、起死回生のベストセラー小説の出版を目指す。
目標売上、7千万。――粗利は増刷から約4割。1,300円のハードカバーを15万部。1年で5点発行、それぞれ3万部を売り上げる。
無理難題だが、それを可能にする秘策とは!?
生き延びる――その言葉をテーマに、身売り寸前まで追い詰められた小さな出版社が仕掛ける起死回生のプロジェクトを、新人編集者の視点から描くお仕事小説。
作家や編集、装幀家などの本の作り手と、書店員や営業マンなど、売り手の顏が見えてくる一冊。 -
弱小出版社・イシマル書房は資金不足で絶体絶命の崖っぷち状態。起死回生のベストセラー小説誕生に命懸けで闘う人たちを描く長編小説。
本には魔力がある。一度とりつかれると逃れられない。作中に「孤独じゃない人は本を読まない」とあるが、確かにそうかもしれない。それでもどちらかを選ぶなら、私は孤独を選びます。