- Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441780
感想・レビュー・書評
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日本SFの青春を象徴する一冊であり、かつ、世界レベルの傑作。何度目かの読み返しだけれど新たな発見がある。
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2021年10月8日読了。大学の研究員・野々村が教授に見せられた謎の砂時計、それに続く人々の失踪…。未解決のまま残された事件は、時空を超えた戦いの一部が表出したものに過ぎなかった…!随分昔に友人に薦められたSF、いやはやこんな話になるとは全く想像できない、ページを繰るたびに「なんじゃ!こりゃ!」と叫びだしそうな、イマジネーションが爆発するかのようなすごいSFだった…こんな小説が自分が生まれる10年も前の日本で発表されていたとは、世界の奥深さを思い知らされる…。語られる描写・説明のほとんどは「とにかくなんかすごいらしい」とちんぷんかんぷんなのだが、読者から見るとわけも分からず争い追いかけっこをしている登場人物たちの営みが、終盤になって「それこそが人間が人間であることの意味なのだ」とドーンと明かされる、そして最後にちっぽけな幸せに満ちた情景に帰結する、このうねるような展開にはとにかく圧倒された。スゲーSFだ。
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全体的なストーリーがどうこうと言うよりは、魅力的なイメージが多くてそれを追うのが楽しかった。謎の提示の仕方がうますぎる。これだけいろんなネタを入れ込んでこの長さに抑えているのもすごい。
今読むとどうしても古びた部分も多いけど、数十年前にこの本が出た当時は相当革新的だったことは分かる。 -
ずいぶん昔に一度読んだが、もうひとつピンと来なかった作品。改めて読み直すと、スケールの大きな良い作品だと思う。
日常からぐんぐんと世界が広がっている前半がとてもワクワクする。後半に入るとものすごくスケールが大きくなるんだけど、逆に大枠が見えてしまったワクワク感が減ったような気がする。空間と時間の広がりに、僕の歓声がついていけていないだけなのかもしれないけれど。
大きな物語よりも、ひとつひとつの場面とか、そこに現れては消える脇役たちの姿や心情に切なさが感じられて愛おしく、苦しくなる。その苦しさが、最後にふんわりと救われたような気持ちになるのが、長編小説として「いいなあ」と思えるところだ。 -
訳がわからない
ただただ苦痛 -
いつもと違うジャンルを…と思い手にした一冊。
SFっていいなぁ
自由だなぁ
驚きなのはこの作品が1965年に書かれているということ。
実に56年前の作品。
2021年に読んでも、時代が作品に追いつけているかどうか…
叶うなら50年後ぐらいに読みたい作品です。 -
時空を超えた壮大な旅、歴史に刻まれた、未来からの干渉を示唆する不思議な痕跡の数々。歴史を変えようと画策する一味と、大いなる意思に従って進化を管理し、歴史の秩序を守り、一味の活動を取り締まろうとする強大な勢力との間の熾烈な抗争を描いたSFの名作。
これだけスケールの大きな作品が1965年に執筆されたというから驚きだ。今も通用する色んなアイデアが盛り込まれているし…。細部に分かりにくいところや気になるところもあったが、まあそこは気にしないということで。
多元宇宙のアイデアも盛り込まれており、好きなタイプの作品だった。 -
まず恐竜同士のバトルが序章というのが、いきなりユニーク!w
それから、現代パートではとあるミステリー要素が登場し、読者の好奇心をグッと鷲づかみにしてしまう。砂時計とか古墳っていうアイテムのチョイスがいちいち良い。
そしてその好奇心が爛々と燃えたまま、SF的な世界は深化していく。時間移動や派閥争いといった良質なミステリーSFが展開されて、時間を忘れて物語に没頭してしまった。
ラストの疾走感がまた凄い。疾走感だけじゃない。主人公が世界の真相にたどり着く、文字通りのグングン上昇していく感じがたまらない!
そして弾けるように現実へと描写が戻り、伏線を回収しながら幕引きとなる。この牧歌的に慎ましい締め方がまた愛おしい…。
こんな面白い国内SF小説を読み逃していたなんて…!今更だけど、読めてよかった。文句なしの名作。国内SFの必読書だ。