あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (ハルキ文庫 た 19-21 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442336

感想・レビュー・書評

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  • 今作も楽しく読めた。

    多分、幸が一番心から寄り添った智蔵が亡くなり、幸が店を継ぐことができなくなる。
    大阪では、女名前禁止という決まりがあるため。
    そこで組合に掛け合い、3年だけ臨時で女名前で商うことを認めてもらい、その間に智蔵との目標であった、江戸進出の下準備をコツコツ進める。

    頼るべき時には、頼る人が幸の周りにいて、更に相談すべき相手を間違えないところも、あたまがいいのだと感じる。

    そして江戸に連れていくのは、なんと女衆のお竹。奥をさせておくには惜しい人材であることを見抜く幸も素晴らしいが、7代目について江戸に行くお竹も、その年代にしては、フットワーク軽くよくできる人だと思った。

    忠臣蔵の仇討ちの日に開店する、事前に近くの神社の水場に屋号と鈴を染めた手ぬぐいを納める。それにより、世間の人の口に上るようになり、なんだろう、と興味を引き、そしていよいよ開店する!
    店内でも、庶民にも買えないほどの価格でもなく、今までとは違う見せ方は、さぞかし江戸の女性の気持ちを釘付けにしたことだろう。
    今だとディスプレイの先駆けだろう。

    次作を早く読みたい!

    買うてよし売ってよしの商い、そんな店、今はもう存在できないだろうけど。

  • 江戸店開店、ほんまにおめでとうさんだす。
    商売戦国武将、幸、これからも大活躍を楽しみにしてまっせー❗️

  • シリーズ6作目

    五鈴屋6代目店主が倒れ
    跡取りがいない中、”女名前禁止”で嫁が家業継げない掟でどう生き抜くか
    次々おきる問題に幸がどう切り盛りするか
    へこまずやっていく気力度量機転なんもかもすごいなぁと

  • 「笑って勝ちに行く」この話に出てくる全てがこの言葉で表せる気がする。江戸店開店のシーンが読んでいて目に浮かんできて、わくわくする。新しいことを始める不安とそれ以上の高揚感が伝わってくる。人を大事にして、新しいアイデアで乗り越えていく姿に元気をもらえた。

  • 誰かを殺して物語を盛り上げる手法はあんまり好きじゃない

  • いきなり六代目が…( 。゚Д゚。)と重く始まるけれど、頑張る幸p(^-^)qそして遂に江戸へ(^o^)最後の五鈴屋オープンはお店が素敵過ぎて、わくわくしたo(*゚∀゚*)o

  • 幸の旦那や子供云々には余り興味がなく、店をどう繁盛させて行くかを楽しみにしてるので、今回は良かった。

  • あまりにも幸一人の人生に不幸が降りかかるので、ありえない感が強い。
    とはいえ幸が江戸で店主として動いていく様は勢いがあり、ワクワクするような楽しさがあって惹きこまれました。

  • +++
    大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、
    江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。
    その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。
    女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。
    「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。
    果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、
    との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
    +++

    今回もまたまた試練の連続である。幸に安寧が訪れることはないのだろうか。とはいえ、壁が高ければ高いほど、五鈴屋や、その関係者たちの結束が固くなり、ひょんなところからアイディアが湧きだすのはいつものこと。このところは、それがより効率的になってきたようにも思われる。店内の誰もが、幸をご寮さんとして認め、敬っている証だろう。本作では、夫で六代目の智蔵が急な病に倒れて儚くなり、幸が女名前で中継ぎとしての七代目を継ぎ、江戸店を開店させるところまでの物語であり、前途洋々、華やかな雰囲気でラストを迎えたが、江戸でもそう順風満帆にはいかないことだろう。どんな試練が待っているのか、次も愉しみなシリーズである。

  • 世知辛い。。
    当時は そんな感じだったかもしれないが 少女漫画なら冒頭違った展開になりそうだが(偏見)

    着物のもととなる布地は床に広げて見せるより
    吊るしたほうがイメージがわきやすい が傷みやすいので
    吊るすのではなく 支えにかけたらどうか

    考えたら当然だけれど 初めに思いつくって凄い
    が、そうなると皆真似をするわけだけれど
    前回の料理も 今回の呉服も 真似されても別に という心持な女性だからまた凄い

    彼女たちが現代にいたら どんな改革を行ってくれるのだろう。。

    まだまだ未来安泰ではないけれど
    どうなっていくのが 楽しみ

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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