あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (ハルキ文庫 た 19-21 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.16
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感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442336

感想・レビュー・書評

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  • まさかの智蔵さんの死から、江戸店の開店までの様子が描かれます。

    「みおつくし」もそうだけど、こちらも主人公のアイデアでバンバン解決していく様がすごく心地いいです。
    しかも、こちらは美人設定。
    いささか都合よく進みすぎな気もしますが、まぁこのくらいで良いのではないでしょうか。

  • 江戸に上京した幸達の奮闘ぶりが愉しげに描かれていて
    ほっとする。お竹どんをはじめ五十鈴屋の奉公人に
    悪人はいず安心して読めるが、少し波乱万丈があった方が
    盛り上がって良いと思う気持ちと幸や五十鈴屋の人達の幸せを考えるとこのまま平穏に行って欲しいと願う
    相矛盾した気持ちが芽生える。

  • 智蔵の死を乗り越えて,江戸店進出.読みながらワクワクしました.
    それにしても五鈴屋に関わる人達の心根のまっとうさに,読みながら心が洗われるようでした.これからまた江戸店の問題がいろいろ起こってくるのでしょうが,,この巻は癒しの巻でした

  • 久々の続篇で、これまでの内容を思い出すのに一苦労。

    ①大坂から江戸へ、②風俗や文化の違いを学びつつ江戸で活躍、という流れになると、なんだか某前作シリーズを思い出しますな。

  • 4.5

    あれ程要らんと言うたのに・・・

    ドSの高田はん、やらかしてくれましたなぁ!

    まあかなり序盤から、智の体の弱さは散々アピールあったし、幸のイジメられっぷりからすると完全に既定路線なのだけど・・

    新天地・江戸で起こる艱難辛苦を、幸と智の夫婦で乗り切って行く姿を、本当に楽しみにしていたのに



    智の突然の死・・
    悲しむ暇もなくのしかかる女名前禁止の掟。
    天満組呉服仲間の寄り合いで、セクハラ紛いの中傷を受けつつも、川浪屋の援護もあり「三年間の中継ぎ」という救済措置を勝ち取った幸は、いよいよ江戸進出への準備に本腰を入れる。

    年明けて正月、江戸で先遣隊を務める佐七と賢吉から極上物件の情報が入るが「小そうに生んで大きいに育てるわけだすな」という智の言葉を思い出し見送ることに。

    まもなく智の一周忌を迎える頃、初七日の墓前で見かけた銀駒と偶然再会した幸は、連れている幼子の面影が智と瓜二つである事に驚愕するが・・

    一周忌の法要の後、浜村の縮緬を彦根藩が扱う事となり五鈴屋の専売の道は閉ざされるが、村の窮状を知る幸はこれを笑顔で受け入れる。

    すると程なく、浅草の田原町にある居抜きの物件が、佐七らに名指しで持ち込まれたとの知らせが入る。
    それは、まさに幸と智が描いた江戸店そのままの物件だった。

    師走に、いよいよ江戸店開店を控え知恵を絞りだす四人。
    手拭いの仕掛け、指物師・和三郎の手による「撞木」など次々に新たな手を打ち、満を持してまさに討ち入りの日を迎える


    今後のキーパーソン、
    ◯色々と楽しませてくれそうな指物師・和三郎。
    ◯やらかしてくれそうな妹・結
    ◯人形師・亀蔵が紹介した女形・菊次郎
    ◯そして、なんと言っても最愛の夫・智の遺児・貫太

    楽しみです。

  • 面白かったです。
    書き出しからとても辛く、悲しめない幸にうう…となりましたが、五鈴屋の七代目となり江戸店を開く、という流れをわーと思いながら読みました。
    大阪と江戸、好まれる着物の柄が全く違うのも興味深かったです。江戸は渋好み。粋を大事にしてました。
    お竹どんが良いです。周りの皆さんもお竹どんの才を認めてるのも素敵。大阪にいるままだったら、ずっと女衆扱いだっただろうに…女性の店主が禁じられているのできっと、と思いました。
    五鈴屋が奉納した手拭いで密かに話題に上ったやり方も好きでした。
    江戸店を開店した五鈴屋と登場人物たちのこれから、続きも楽しみです。

  • 呉服商の四代目のもとへ嫁ぐもその四代目死亡、五代目の妻となれば五代目行方知れず、今度は六代目と一緒になったら六代目も急逝。添い遂げるつもりが皆亡くなったり居なくなったり。魔性の女による保険金詐欺かとでも言いたくなります(笑)。しかし遺産も保険金もなく、むしろ夫が死ぬたびに大変なことが勃発して痩せ細りそうな幸。美貌は維持したままだから、同性読者の嫉妬を買ってもおかしくないところ、応援一択の気持ちにさせます。

    六代目急逝で今度は何が起こるのかと思ったら、女名前で店を継ぐことは許されないと。相談相手は過去に卒中で倒れた爺様ばかりで頼りになるのか心配でしたが(^^;、今回も幸は乗り切ります。

    個人的にはこれまでほど惹かれなかった第6巻だったのですが、最後の5頁に泣かされました。やっぱりええがな。

  • シリーズ第6弾。

    いよいよ満を持しての江戸への進出編。
    前作の衝撃的なラストから、やはり六代目店主の智蔵は逝去。亡き智蔵との願いを胸に、幸は江戸へと。
    たまにポロッと聞こえてくる智蔵のささやきが切ない。
    江戸編となると、天満の人々が出てこなくなるのは寂しいが、まだ8代目も決めなきゃならないし、走り出した江戸店もきっと一筋縄ではいかないだろうし、次巻が待ち遠しい。

  • 冒頭、いきなり驚いたけど、その後は跡目や出店をめぐる経緯で、安定の面白さでした。話の流れ上、仕方ないとは思いますが、良い人が死んでいくのは読んでいて辛い。幸も周りの人に恵まれ、自身の商才もいかんなく発揮できて、夫との縁は薄いものの、他は恵まれているように思います。このあとも二転三転するのは必至。ハラハラしながら追いかけようと思います。

  • やっと智三とともに五鈴屋を盛り上げていける幸。。だったよね?
    とおぼろげに読みはじめたのに!?
    七代目襲名、そして江戸へ!!
    今度こそ幸の望む商いができますように。。。
    四人で力を合わせ開店の準備をしていく様、そしてついに開店、お客様を迎えたときは一緒にわくわくした。
    ホント良かった~(*´ー`*)

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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