1934年、クイーンズランド州ブリスベン生まれ。父方の家族はキリスト教徒のレバノン人で、1880年代にオーストラリアに移住。母方はポルトガルに祖先をもつユダヤ系イギリス人で、第一世界大戦直前にロンドンから移住してきた。クイーンズランド大学で学び、卒業後に同大学にて2年間、教鞭を執る。24歳でオーストラリアを離れイギリスに滞在、ロンドンとバーケンヘッドで教職に就く。1968年に帰国後、77年までシドニー大学で英文学講師。現在は専業作家として、オーストラリアとイタリア南トスカナで暮らす。『想像上の人生 An Imaginary Life』(1978)で1979年度ニューサウススウェールズ州首相賞、本作品『異境 Remembering Babylon』(1993)で1993年度の同賞を受賞するなど、国内の重要な文学賞を多数獲得。『異境』は1994年度のブッカー賞の最終候補にも残るなど、オーストラリアを代表する作家として国際的にも高い評価を受けている。ほかに詩集も6冊出版、オペラの台本を執筆するなど多面的な創作を行なっている。
「2012年 『異境』 で使われていた紹介文から引用しています。」