- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774151496
感想・レビュー・書評
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明治政府が出来て以来、日本政府は黒字になったことがない。それより前は領主って感じだもの、大半のひとが庶民を守ってくれるとこに移動するか、税ってなに?それより今日の飯!状態だとすると…よくも悪くも世の中って複雑になったのかなぁと。
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阪大工学部出身の経済評論家が2012年に刊行した書籍。
(感想)
感動しました。
マクロ経済学や財政学を勉強し直そうと思いました。
Amazonでは、本書への評価に最高評価五つ星「だけ」ついているのにも感動しました。 -
統計を悪用というか、だまして使うとこうなるという例のような気がします。日本の成長率にしろ、戦後の成長は朝鮮戦争などの特需もありましたし、そういった要因をそのまま含めて、今後も成長の可能性があると論じられてもって気も。
デフォルトについてもそうです。あくまで「新興国」だから通用する話のような気がします。市場が成熟している日本で、デフォルト後に新興国と同じような成長が描けるかというとあまり現実的でないような。
グラフがふんだんにあるので、なっとくできそ~に書いていますが、数字のトリックという印象が強い本ですね。 -
日本国内のみにとどまらず、ASEAN~EU~中南米に至るまで主な世界経済の様子をも、雑誌さながらの気楽さでするする学べる。
各章の冒頭で概説として登場する諺や名言は、理解を促すだけでなく豆知識としても楽しい。
大人はもとより、マリックもユリゲラーも誰ソレな世代―とくに中高生―何なら小学生向けにも良い本だと思う。 -
今、多くの人が抱えている国の借金について力説された本。情報に振り回されやすい日本人にとって必読の書かと思います。普段本を読まれない方でもすらすらと読めるわかりやすい内容になっております。
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国家内の資金など一般国民に分かるわけがないということが前提としてあまりにも一方的な片側意見だけが列挙されておりどこまでを信用してよいのかわからない。
単純に考えてこの本に書かれている事例すべてが正しいと解釈できる人はお気楽だろう。 -
グラフや図が多くて,なんとなく納得させられるような気もするが,名目で金額を表示したりして,若干インチキなグラフもある。実質値でないと変だろ
。
国の借金は増えても問題ない!ということになんとなく納得。
2012/10/06図書館から借用;10/10の朝の通勤電車から読み始め,出張の移動時間にも読んで,当日で読了。 -
未だに完全には理解していませんが、個人の借金と国の借金の性格は異なり、個人にとっては有効な解決策でも国には同様には当てはまらないということが少しずつわかってきました。
国の借金といわれる国債の累積発行額が日本のGDPを超えたとか騒いでいる人もいますが、その一方で大丈夫と力説している人もいます。この本は後者の説を展開している一人である廣宮氏によって書かれた本です。
日本の将来を悲観的に書く人がいるなかで、私としては彼のような「元気のでる日本の明るい未来」を提示してくれる考え方を理解したいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・破綻とは、古い秩序が終わり、新しい秩序が始めることであり、けして「この世の終わり」ではない(p19)
・アルゼンチンは破綻後1年でGDPの1.5年分(日本では730兆円相当)の政府の借金が増えたが、インフレ率は41%で打ち止め、それ以降は10%程度で推移している(p21、プレゼン4)
・1999年を基点とすると、2010年頃までの実質GDPの伸びが、どの破綻国(ナイジェリア、インドネシア、ドミニカ、アルゼンチン、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイ、アイスランド、ギリシア)も日本やアメリカを上回っている(p30、プレゼン7)
・財政黒字は経済の安定を一切保証しない、大恐慌前のアメリカは11年連続で黒字、フーバー大統領が大不況を放置して景気対策をすることなく政府の支出を削って黒字を続けて経済は悪化した(p43)
・アメリカは大恐慌から第二次世界大戦にかけて、14年間のうち8年を税収よりも借金が多い状態にして世界の覇権を手に入れた(p54)
・勤労者の給料は、勤め先の企業の「粗利」から支払われるので、粗利=GDPが増えなければ休業は増えない(p55)
・人口はインフレの決定的要因ではない、アメリカは建国後の130年間、人口急増(数百万人から1億人)でもインフレにならなかった、イギリスも同様、現役人口減少国でデフレなのは日本のみ(p61、64)
・デフレかどうかは、現役世代の人口よりも、政府総支出のほうが関連性が高い(p63)
・2010年日本の中央政府の借金は919兆円、125年前の明治18年(1885)のGNPの114万倍、なのでこれから125年後には現在のGDPの114万倍である5万6千京円になっていてもおかしくない(p75)
・明治維新以来、国の借金がゼロになったことは一度もない(p80)
・おカネというものは、それこそ即座に、かつ無限に創りだせるもの、これが「モノ」との違い、おカネは金属片、紙切れ、帳簿上の数字記録、コンピュータサーバの情報に過ぎない、FRBはたった3年間で1.8兆ドル(約140兆円)(p84)
・人、モノ、カネのうちなくても大丈夫なのは「カネ」のみ(p88)
・本当に防ぐべきは、おカネが足りなくなる「財政破綻」ではなく、モノが足りなくなる「物流上の破綻」(p91、158)
・世界中の政府の金融純負債は合計で2300兆円、ということは世界中で民間部門の金融純資産が合計で2300兆円あることを意味する、これは必ず釣り合うもの(p100)
・世界中の政府が借金まみれから貯金まみれになるには、民間部門が借金まみれになる必要がある(p100)
・民間の貯金と政府の借金の差が、国全体の貯金=対外純資産と一致する、これは日本が世界最大(p106)
・国債は定期預金と全く同じ性質ものの、00→10年において、日本は国全体の負債が 150兆円減少、アメリカは3700兆円増加している(p111)
・株や土地が暴落しても「おカネ(現金+預金)」は減らない、おカネは消えずに、損した人から得した人に移ったのみ(p114)
・株式時価総額は、世の中全体のおカネの量とは無関係に膨らんだり、小さくしぼんだりする(p118)
・継続は最終的にはおカネではなく、モノである、日本とギリシアの違いは、1)借金している通貨を自分たちで発行できるか、2)モノづくりが強いかどうか(p127)
・2008年にアイスランドが財政黒字が続く中(負債が減っていく中)で破綻したのは、国有化した民間銀行の外貨建て借金が返せなくなったため(p133)
・経常収支こそが政府の財政余力や経済安定度を知る大事な指標、ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシア・スペインに共通していたのは、危機発生時に経常赤字であった(p138,140)
・ジンバブエ大統領のムガベ氏は経済を奇跡的に発展させた功績で英国女王からナイトの称号まで授与されたが、白人経営の農場を強制収用したので農業が大打撃、経済制裁もありスーパーインフレ、これは物流上の破綻が起きたため(p167)
・財融債を政府負債に加えると、2008.12に国の借金が個人の正味資産を上回っているが、破綻は起きていない、企業を見ていない時点で完全に間違い(p174)
・終戦直後の預金封鎖は、国の借金を返すためのものではなく、インフレ対策、なので強烈なインフレ対策としかならない預金封鎖は、世界一インフレ率の低い日本では無意味(p176)
・戦後のインフレの原因は、米軍の空襲により全国の都市が徹底的に破壊されたから、この凄まじいモノ不足が激しいインフレを引き起こした(p177)
2012年10月7日作成 -
そんなに驚く本ではないですが、国の借金について再認識した本。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4301936.html -
三橋貴明さんと主張するところは同じ。対談などして意見を深めて欲しい。