仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774187747

感想・レビュー・書評

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  • 今日の書評は「仕事の問題地図」沢渡あまね著、プロジェクトマネジメントの書籍である。

    「プロジェクトマネジメントって、な~に?」って人も多いと思うが、要するに仕事でプロジェクト(計画)を進める時のノウハウである。

    原則として、会社員はプロジェクトは通常業務と同時並行して従事する。そのために、いろいろな問題や不都合が起こるのだ。そのトラブルシューティングを著わしたのが本著だ。

    まず、新しい仕事(プロジェクト)を振られたら、以下のような構造図を描いてみるべき、と著者は問う。

    第一階層には、その仕事のテーマを書く
    第二階層には、「なぜ、仕事をおこなうのか」すなわち、目的を書く
    第三階層には、「目的を達成するためにどんな活動が必要となるか」を列挙する
    第四階層以降に、細かな作業項目を書き出していく。

    この表を作成するにあたって注意するのは、MECE(ミッシー)でチェックすること。「モレなくダブりなく」という意味だ。つまりMutually(相互に) Exclusive(排他的に) Collectively(集合的に) Exhaustive(網羅的に)の略である。

    ものごとをMECEに整理するためには、次の3つの考え方が役に立つ。

    ・①「AとA以外」で考えてみる
    例:「男性と女性」「日本と海外」「管理職と非管理職」

    ・②計算式に当てはめてみる
    例:「総売上=単価×売上」→「単価」と「売上」の観点 
      「サービスの価値=有用性×保証」→「有用性」と「保証」の観点

    ・③プロセスの各段階に当てはめてみる
    例:「構想」と「設計」と「試作」と「製造」と「販売」
      「開発」と「運用」

    留意点として、知識の引き出しが多ければ多いほど、MECEな項目を思いつけるようになる。他の人が作った構造図も参考になり、作ったらなるべく早く他人にそれを見せること。
    他の人が見たら「抜け」「漏れ」があったり、そもそもまったく異なる観点でそのテーマを捉えているかもしれない。また完璧なMECEなど存在しない。

    その次は、下手でもいいから計画を表にしてみる。書いてみる。書かなければチームメンバーとの意識合わせも出来ない。進捗フォローも出来ない。

    で計画表の内容は、手っ取り早くタテに「何を」、横に「いつまでやる」を記すだけでOK。計画表を書いたら出来るだけ、上司・同僚・部下に見せる。

    で、この後「そのテーマは、あなたのチームにとって「未知」か「既知」か?」を認識する。既知であれば、過去のデータを探す、あるいは担当者に聞きに行く。

    一方、未知であれば、講演を聞きにいく、研修を受ける、外注するなどをするべきだ。

    とここまで、プロジェクトマネジメントの総論をコピペブログしたが、興味の持った方ぜひ本書を手に取って欲しい。

  • どこにでもある仕事をする上での問題の関係性と基本的な対処法がうまくまとめられた一冊。
    仕事で行き詰まった時に読み返すと、基本にたちかえらせてくれること間違いなし。

  • 思いの他 正統派な内容でした。

  • どんな職場でも発生しそうな問題や原因を洗い出し、因果関係で結びつけ、図解化したうえで解説を行う一冊で、これまでにないスタイルのまとめ方にとても興味を持ちました。

    いろいろな問題が複雑に絡み合っており、まず何から手を付けていけばいいか、というところまで読み取れるとよかったのかもしれませんが、それはその職場によって回答は千差万別なので、難しいと思います。

    10丁目まである問題のうち、一番症状が重いものに注目して、その周辺から解決していく、といったやり方になっていくのでしょうか。

    自分の職場に現れている事象を注意深く見て、よりよい職場づくりに努めていきたいものです。


    ▼キチンとした計画を作るポイント
    ①構造化してみる
    ②計画表を書いて、まわりに相談する
    ③「未知」か「既知」かを皆で判断する
    ④情報共有の旗振り役を置く
    ▼進捗不明の2つの処方箋
    ①コミュニケーション計画を作る
    ②フォロー役を設ける
    ▼モチベーション問題の打開に大事なことは、「知る場を設ける」こと
    ・人、製品、会社(組織)を知る
    ▼計画どおりに終えるための知恵
    ①変更をコントロールする(変更管理)
    ②安心して「忘れられる」環境を作る(インシデント管理)
    ③戦略的雲隠れ
    ④バッファを設けて計画を作る
    ⑤コミュニケーションする「場」を作る
    ▼意見が飛び交う職場にするために、リーダーが意識すること
    ①意見しやすい空気づくり
    ・役割・責任をとにかく明確に
    ・意見が出るような仕込みを
    ・戦略的離席
    ・オフタイムコミュニケーション
    ②意見を言う「甲斐」の創出
    ・(ふたたび)インシデント管理をしよう!
    ・提案者と実行者を分けよう
    ▼相手を動かすストーリーに不可欠な8つのポイント
    ①その仕事を進める目的は何か?
    ②終わった後に、どんな世界が待っているのか?
    ③だれに、どんなメリットがあるのか? 相手のメリットは?
    ④やらないと、どんなことが起こるのか?
    ⑤なぜ、いまそれをやるのか?
    ⑥なぜ、あなた(たち)がそれをやるのか?
    ⑦なぜ、その相手に協力してもらいたいのか?
    ⑧その相手に、どうふるまってもらいたいのか?
    ▼「人には失敗する権利がある。だがしかし、それには反省という義務が付く。」(本田宗一郎)
    <目次>
    1丁目 計画不在
    2丁目 進捗不明
    3丁目 一体感がない
    4丁目 モチベーションが低い
    5丁目 期限に終わらない
    6丁目 意見を言わない
    7丁目 有識者不在
    8丁目 抵抗勢力の壁
    9丁目 対立を避ける
    10丁目 失敗しっぱなし

  • 仕事がはかどらない問題点や改善法を種類別に解説してあって分かりやすい。部下のモチベーション維持の方法とか。でも今自分が求めてるものではなかった。

  • 続編はなかなかためになった。
    これを受け入れるためには、1冊目も読んでおかなければならなかったのであれば、あの時間も無駄ではなかったか。
    胸に刺さるフレーズもいくつか出てきたので、これについて誰かと話してみたい。

  • 1番親しみやすさがあった

  • どうすべきかではなくどうしたらよくなるかという観点で考えるとよりよい結果が導き出せる。

  • Yotsuya

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著者プロフィール

作家/ワークスタイル&組織開発専門家
あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOOアドバイザー/
株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab所長/
ワークフロー総研フェロー
日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。

「2023年 『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪ってる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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