- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776207627
作品紹介・あらすじ
AKB48の真実、魅力を余すところなく伝えるとともに、AKB48を題材としながら、秋元康という希代の大作家・プロデューサーの発想術や仕事術を徹底的に解き明かす一冊。
感想・レビュー・書評
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田原総一朗氏と秋元康氏の対談本。田原氏が妙にTwitterでAK48Bについてはしゃいでいると思ったら、対談本が出たので読んでみた。
秋元康氏は、成功した芸能プロデューサーというだけでなく、どちらかというと一流の経営者と言える。企業経営者の役割が、社員の意欲を喚起しよく働いてもらい、より高い成果を出すことだとすれば、秋元康氏のやっていることは、全く同じだ。AKB48メンバーの成長を促し、その成長をしていく過程そのものをドキュメンタリーとして顧客に提示していく。実に調和の取れた見事なマネジメントというよりほかない。
秋元語録の中から気に入った4つを選んでみる。
・根拠のない自信
・戦略なき戦略
・時代との合気道をする
・成功しない理由を見つけない
<目次>
第一章 AKB48の誕生
第二章 秋元康の思考
第三章 AKB48劇場
第四章 東京ドーム講演
第五章 AKB48のプロデュース
特別対談 高橋みなみx田原総一朗
第六章 AKB48はどこへ行く?
・根拠のない自信。根拠を求めたらみんなが思いつくようなものにしかならない。
・AKB48は未完成品である。一生懸命スライディングする高校野球のようなもの。
・AKB48には、臨床心理士やスクールカウンセラーもついている(41)。
・継続的に育てていくには、テレビではなくライブ(51)
・シングル1曲を決めるのに400〜500曲を聴く。
・予定調和を狙わない。
・マーケティングより自分が信じること
・AKB48はドキュメンタリー
・「頑張ればあそこに行けるんだ」というモチベーションマネジメント。250名全員が東京ドームに立った意味。(129)
・戦略がないのが戦略
最初の海外がジャカルタなのは、ジャカルタからの声が圧倒的に強かったから(195)
・「ヒットを出すには、ちょっとあざとい言葉を使うと、時代と合気道をしなければいけない」(195)
・自分がドキドキすればみんなもドキドキする。
・隣の子をいじめている暇なんてない。
・野茂は「成功しない理由を見つけなかったから」成功した。(198)
2013.02.01 田原氏のブログで見つける。
2013.02.23 予約
2013.05.02 読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったかな。考えを実践しているAKBというのが目に見えているので、具体的でわかりやすい。いろいろと個人的には面白いヒントが受け取れたと思う。示唆に富む。にわかでもファンだから余分に多くを有意義に受け取れたかなと思う(笑)
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おもしろかった。AKBの戦略が垣間見れた感じ。秋元さんはよく考えておられる。インタビューをされた田原さんの質問力もできるようになりたい。
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本作だけではなくてTVや雑誌などの取材でも「予定調和を壊す」という言葉を秋元さんが使っているのをよく目にします。
それを見て「予定調和を壊すには固定されている選抜メンバーを変えることではないのかな!?」と思うのは私だけなのでしょうか。
現時点での知名度や今までの貢献度も考慮する必要はあるけど「この子を入れてきたんや」と思わせてほしい。
ただ無名な子だと「誰なの!?この子は??」となるでしょうが。(笑)
今まで予定調和を壊してきたから支持されてきた。
でも予定調和を壊した状態が普通になると予定調和をしていることになる。
そろそろAKB村で一番のグループをCDの売り上げで決めるとか、じゃんけんではなくて相撲で選抜を決めてほしいな。
しかし秋元さんの考えることは面白いと思う。
同じものを見ていても着眼点が違うのだと読んでいて感じた。
そういう感性があるからAKBが爆発的に売れたんだろうな。 -
秋元康の仕事術というほどのテクニックは披露されていない様に思う。但しあれだけの数の作詞を1人でやってるというのには、驚愕する。ワタシはてっきり何人かの作業員の秋元康工場で作られているとおもっていた。今でもその疑念は拭いきれていない。
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当たった後の話なので、好きな事言えるのだが、興味があったので読んでみた。所有に関しての価値観が変わった。テレビは「最大公約数」これはダメ。大衆はある分野で一人のスターを作ってそこで飽きる。つまり第二のAKBが生まれる事はない。それしにてもシングル1曲決めるのに、400~500曲のデモを聞くってのは凄いが、選ばれなかった曲が大量に出来るわけで、作る人はたいへんだなあと思った。201312
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秋元の仕事、メンバーへの接し方、AKBの行く先、いろいろ垣間見れて面白い。AKBは表面だけみててもつまらないが、意外と奥が深い。田原総一朗の切り込み方が上手い。俯瞰して多面的に聞いているので、AKBというシステムを立体的に理解できる
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秋元康氏の職業人としての世間へのアプローチの仕方がわかる興味深い本。この本を読んでインタビュアーとしての田原総一朗の才能も素晴らしい。
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認知と人気
くだらないけど、俺だけは知ってるぞという共犯意識
そのアンプとして、増幅器としてのテレビ
「私たちはバカじゃない」 オールナイトフジ
暴露し、解体して完成度をぶっ壊していくのは80年代から、もともと秋元さんの手法としてあった
誰も絶対分からないことをあえてやる cf.とんねるず 帝京高校
テレビの打合せを必ず雑談から始める
雑談の中にこそ企画のヒントがある。会議室のホワイトボードの前で何か決めましょうって言ってるときは、皿に合わせようとして必ず予定調和になっていく
予定調和を壊し、AKBでは絶対やらないはずの企画を生み出すには、どんな提案でも先入観を持たずに「いいんじゃないの」と考える
企画とは、ある「場」と別の「場」を結びつけること
大衆は、ある分野で一人のスターを作って、それで飽きてしまう
カルピスの原液を作れば、もう勝手に世界中に広がっていく時代 -
時代を席巻したAKB48という爆発的に人気を誇るコンテンツを
秋元Pがどのように考えてつくったのかに興味があり手にとる
この手の批評本はつくった本人以外は読む意味があまりないのではと思わせるような内容であった。
全体として秋元Pと田原氏の対談形式であるため、あまり体系的になってるとは言えないが、
どのようなコンセプトを作りたかったのか、またそのコンセプトに見合った戦略をどう実行していくかについては一貫して書かれているように感じた。
AKBは「高校野球」である。
そういった一生懸命の過程を見せることがコンセプト。
メディアで長く活躍されていた秋元Pが「AKBはテレビの企画とは真逆の考え方にある」と述べている。
現在の情報社会において人々の嗜好が多様化していくことは自明である。
テレビのように大多数の人に好かれるように考えるのではなく、数人に絶対好かれる突き抜けるように考えるという。
たくさんヒントがちりばめられていたが
・AKBは高校野球の過程(一生懸命さ)を見せることに価値がある
・AKBは凸凹な子を用意している
・秋葉原という専門店がひしめきあう土地との相性がよかった
・土地にも専門性が必要
・ハード(TV,ラジオなど)に合わせてコンテンツは作れない
・マーケティングなどの分析だけでは意味がない
・自分が面白そうと思うことをやっている、前例がないから誰からも反対、馬鹿にされる
・すぐ飽きられることのないコンテンツの量
・最小公倍数と最大公約数
・制御をさせない、ファンが作り上げるもの
・AKBというプラットフォームは海外でも展開できる
非常にためになることが多く書かれているのだけれど
やはり表層的な内容が多く、体系的でないので何度も読むことをオススメします。
なにより、このコンセプトを掲げた秋元Pのビジョン
そしてそれを実現していく姿勢に感動しました。