- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776208785
感想・レビュー・書評
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#3418ー35ー241
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辞書に使われそうなくらい薄い紙を使っていてページ数の割に軽いのは好感触。テーマが幅広すぎてひとつのテーマについてはかなり浅くしか触れていない。ゆえに新しい発見はないが、興味をもったトピックを自分で調べるなりして掘り下げるという使い方なら有用。
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世界史に興味は持ってはいるものの、どの分野から学べばよいのか分からず今に至っています。塩野七海女史のローマ人の物語だけは以前に読破しましたが。。。
そんな私にとって、この本のタイトル「24のキーワードでまるわかり、最速で身につく世界史」は私の好奇心を十分に惹きつけてくれました。
さらに嬉しいのは、この本は世界史の「通史」になっています、紀元前から現在、更には未来の予測まで、全部で24のキーワードで時代別に解説をしてくれています。一人の人が全ての歴史を解説してくれるのは、解説される方は大変だとは思いますが、読む方にとっては嬉しいばかりです。
この本の著者・角田氏の渾身の力作を、私は楽しませて読ませてもらいました。贅沢な時間でした。
以下は気になったポイントです。
・人類の祖先を辿ると、約20万年前の東アフリカの女性に行きつく。14万年アフリカにいて、6万年前に世界各地に広がった(p27)
・寒冷化していた氷河期は、海水面が今よりも約13メートル低かった、シベリアとアラスカは地続き、日本も大陸や朝鮮半島と地続き、日本海は湖、だから大移動が起きた(p29)
・1万年前に最後の氷河期が終わり、地球は温暖化に向かい、北緯20-40度では乾燥が進み、西アジア・北アフリカで裁くが広がった(p32)
・4大文明は全て乾燥地帯で起きている、氷河期が終わった1万年前に農耕と牧畜という「農業革命」が、その乾燥との闘いの中で始まったから、日本列島は環境が良かったので縄文時代が続いた(p33)
・乾燥地帯では、乾燥に耐えうる、最適な栽培種の野生種が、「たまたま」繁殖していた。麦(ヨルダン渓谷)、アワ(黄河流域)である(p34)
・麦やアワが育てられると、そこに、羊・ヤギ・牛・馬・ラクダが群がってきた。それを追い払うのではなく、飼い始めたのが牧畜の始まり。陸生の大型草食動物148種のうち、人類が家畜化したのは、14種、メジャーなのが、羊・ヤギ・牛・馬・ラクダ。この家畜がいたから、人類は文明化できた(p34、35)
・キリスト教、イスラム教は、歴史的には、ユダヤ教が元になってできたもので、神様は同一。その神を、ヤハウェとするのがユダヤ教、ゴッドとするのがキリスト教、アッラーとするのがイスラム教(p53)
・3宗教の対立は、「我々の神様への崇拝のやり方が正しい、崇拝の方法が間違っている」というニュアンス(p54)
・キリスト教は、11世紀にカトリックというローマバチカンを本拠とする西方教会、コンスタンチノープルを本拠とする「ギリシア正教=東方教会」に分裂、さらに16世紀に、カトリックに反抗するプロテスタントが現れた(p55)
・アーリア人はカースト制度を作った理由は、褐色系の現地民である、ドラヴィダ人を隔離するため、固有の感染病を持っていて、アーリア人は免疫を持っていなくて距離を置きたかった(p66)
・各民族が形成する王国を、さらに上から強力に統治する体制、それが帝国(p75)
・金日成が国家主席を名乗った後、二代目の息子の金正日が格下の総書記を名乗ったので、現在の金正恩がさらに格下の「第一書記」をへりくだって名乗っている(p83)
・ムハンマドは、メッカで布教するもアラブ人達から迫害を受けて、622年にメディナに移住する。この年がイスラム歴元年となる(p90)
・神聖ローマ帝国は、962年にドイツ地域(東フランク王国)のオットー1世がローマ教皇から戴冠して、1806年にナポレオンに滅ぼされるまで、800年以上続いている(p118)
・易姓革命で交代する中国の王朝は、それぞれテーマカラーがある。木(青)→火(赤)→土(黄)→金(白)→水(黒)(p127)
・東ローマ帝国が1453年に滅亡すると、モスクワ大公国こそが東ローマ帝国の後継国家であると自称し、ツァーリ(皇帝)を名乗り、それがロシア帝国へとつながる。ロシア人が、東ローマ帝国と東方正教会文明の継承者になった(p145)
・冷凍技術のなかった昔の食糧の長期保存法は塩漬けのみ、腐り気味の肉の臭み消しとして、香辛料は必須であった(p155)
・王国と共和国との違い、一番偉い代表者をどのように選んでいるか。王様を選ぶのは神様、大統領は人により選ばれる。王様の次に偉い公爵が支配する国が公国(p180、183)
・国家主席とは、その偉い会議の中で一番偉い人のこと(p186)
・今まではモノに価値があったが、これからは、モノが存在する本来の意味=情報に価値がある(p319)
・21世紀は、大量生産・大量広告・大量消費というマス時代から、適量生産・適量宣伝・適量消費という、全く新しい個人の経済に向かう(p321)
・どれだけお金が儲かったかから、どれだけ時間を、何のために使ったのか、という、資本主義から「時本主義」へ移行する、大量消費社会から、少量共鳴社会へとパラダイムチェンジする(p339)
2016年9月19日作成 -
この本の著者をキングコングの西野が絶賛していたので気になって読んでみました。キーワードに沿って世界史の面白さを伝えてくれるので非常に分かりやすかった。特に宗教とは推し活であるというフレーズが印象に残った。また読了後時間があるときに、世界史について自分なりに詳しく調べてみようと思った。
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今まで読んだ歴史本の中で一番面白い。
文章がうまくてわかりやすい。
世界史を、別な切り口で、何度も切って大局的に説明している感じの本。
最速という謳い文句とは別に、純粋に面白かった。 -
世界史の流れが大まかに掴めるため、導入書として適切。この本を土台にいろいろな専門書等を読んでみるのが良いと思う。専門家ではないので不正確な部分もあるのだろうと思うが、単なる事実の羅列ではなく考察を伴っており、その考察にも的を射ていると思わされるものがあった。
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軽く読みたかったのに読むともう少し深く、と思ってしまうワガママ読者
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世界史を、ざっくりと24項目に分けて、時代の流れに沿って簡潔に説明したもので、大まかな概略を掴むには最適な本と思う。
最速で身につくかは分からないが、本書は著者自身がテレビプロデューサーであるだけに、情報の管理や時間感覚にすぐれているからこその技巧で、要点を絞った賜物なのであろう。
2015年に発行であるが、現代への予想がある程度的中していることも評価できる。何より現代史こそ、自分から学ぶべきジャンルと著者が訴えるのは金言であろう。 -
わかりやすく簡潔に伝えようとしてくれている
戦争とは水の、今なら富の奪い合い
革命は市民が腹がすくと起こる
市民革命、産業革命 -
東大で西洋史を学びTBSでバラエティー番組を制作している人による異色の本。24のキーワードで時系列に説明するという独特のスタイルで、その切り口が面白い。最速で身につくかどうかは別として読み物としては面白いので、所謂教科書系が苦手な人が手始めに読むにはちょうどいいと思う。