- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778311773
作品紹介・あらすじ
3年連続でそれぞれ異なる殺人鬼に生命を狙われ「日本の犯罪史上もっとも有名な被害者」となった天見仄香は、現在、警視庁の犯罪被害者支援室に勤務している。未解決事件の再捜査の必要性を市民代表が審議する試験制度に参加し、自らの運命を揺さぶる「疑惑の少年」真壁巧と出会う仄香。真壁の周囲では、これまで両親や同級生など221件もの人間消失事件が起きていた。真壁巧は、はたしてクロかシロか?そして、仄香に迫る4度めの危機-。神の死を叫んだ哲学者が、現代社会に巨大な幻影を落とす。
感想・レビュー・書評
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帯に「羊たちの沈黙」に挑むって書いてありますが
消化不良な面はありつつも楽しめました
主人公は3年連続で殺人鬼に命を狙われた女
天見仄香
彼女がかかわるのが、小学校、中学校、高校と
周りの人が行方不明になる事件の関係者である
真壁巧
真壁巧は被害者なのか加害者なのか
最初の事件の推測はあったが、それ以後の事件の
推測もほしかったなぁ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定は面白いし、ぐいぐい引き込まれたが最後の方の展開が駆け足になってしまったのは残念。
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清涼院流水の作品は大好きなんだけど、今回のは手応えがなかった。『ジョーカー(旧約探偵神話)』や『コズミック』が名作すぎたのかな。
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「運命なら、死刑とて受け容れよう。だが…はたして、天がオレを殺すかな?」
『過去は変えられない。
それでもーー、明日は変えられるかもしれない。』
「いつか、わたしを消すーーという予告?」
「消えたくなったら、教えてください」 -
はじめてこの人の本読んだけど、面白かった。
謎が全部とけてないけど、それでも面白かったからすごいと思う。
もちろん消化不良やし、そこまで考えてよって思うけど。
でもすごいなぁーそれでも面白いんやもん。
文章上手やし。読みやすいし。
これは確かに異才というか異端というか。
素直にすごい。 -
探偵役の推理、ミスリードなんじゃなかろうか。つまり無理があるの前提。作中に書かれている要素から正しく組み立てれば、本当の真実は他にありそうに思える。・・・そうじゃなかったとしたらちょっと無茶すぎるんじゃないかなあ。と思いつつ、真実のハウダニットは欠片も浮かべられないわけですが。もやもやするぞ、これ。
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同時期に発売されたコズミックゼロは即買いして読みました。
こっちはなんとなく読んでいなかったのですが
電子書籍化されていたのを携帯で拝読。
人間消失事件の渦中の少年は黒か白かというのを
もっとも有名な被害者が追うという設定や
一クラス全員が消えるとか大きい感じの犯罪なので
一体どんなやつらが絡んでいるのかと思ったら
すんなり終わりました。
流水さんの宇宙を巻き込まんとするばかりの勢いが
あまりなくてちょっと残念でした。 -
んーなんだろうこの作者ならではの大層な感じを期待して読んでみたのだけれど毒にも薬にもならない感じ。肝心のトリック部分が何も解決していない。キャラクター造形にだけ焦点を当てたような内容だが、正直そういうライトノベルのようなものは他に任せておいてもいいんじゃないか…
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「ぼくが来た時には、もう、だれもいませんでした……」
朝、登校して教室にいるはずの、こかげ小学校4年2組の生徒29人が忽然と姿を消した。1人の男子児童だけを残して。
それから4年後、今度は鷺沼中学校2年C組の生徒34人が林間学校の宿泊施設から忽然と姿を消す。入院していたある男子生徒1名だけを残して。
男子生徒の名は、真壁巧。
彼を取り巻くミステリアスな大量人間消失事件の連鎖。
――ブラック or ホワイト …黒か白か。
いったい彼は、被害者なのか加害者なのか。深まる疑惑。
以下、本文から引用→
☆天見仄香には、鷲尾総一郎の心理療法だけが頼りだった
☆696(ムクロ)、969(クロック)、101(トーイ)
…3人の殺人鬼には、ある共通の愛読書があった
☆朱鷺沢ルナは、5月5日の午後、1枚のDVDを持参して仄香の部屋を訪れた
☆攻撃する勇気は最上の殺害者である
☆飛び込んでみたい、と思っています。彼のためでなく、自分のために
☆つまり、これが魂の秘密
うわー、面白かったあ!
半日で2度読んでしまいましたあ。
作者お得意の言葉遊びによる解決じゃない、正統派推理小説でしたあ。 -
流水ミステリーと言えば分厚い!長い!メタ全開!みたいな印象ですがこの作品は無駄な部分を削ぎおとして面白いところだけを見せてるような印象でした。
いつもの流水さんを期待してた私にはちょっと文量が物足りなかったけど、スッキリとした文の中で展開されていく緊迫感は面白かったです。
トリックもギリギリ現実的だし、新しい流水さんを感じました。
強いていえばここで終わりだとちょっとつまんないなー、と。続編に期待したいところです。 -
インパクトが大きかった。SFかって思うくらい、この話に落ち着く場所はあるのかって思ってた。おもしろかったです。
キャラクターがいい。 -
緊張感があって面白かった。シリーズ化を期待させるキャラクター。
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3年連続でそれぞれ異なる殺人鬼に命を狙われ日本史上最も有名になった被害者であり、現在、警視庁の被害者支援室に勤務している天見仄香。
両親や同級生など221名もの周囲の人物がこれまでに消失してしまっている「疑惑の少年」、真壁巧。
まだ試験的段階である未解決事件の再捜査の必要性を市民代表が審議する制度、完了犯罪検討会、通称完全犯罪研究会を契機にして二人は出会うことになる。
「オレは被害者であり、加害者でもある。あなたと同じですよ」
さすがの流水大説、設定が面白い。今回は「被害者」をテーマにしている。
清涼院流水の本は基本的に奇抜な設定、ストーリーを楽しむものと思っているのでトリックについての言及はさけるが(正直無理があるでしょ)、中身は読みやすくグイグイもってかれた。
しかし、題名にもなっている完全犯罪研究会の物語においての必要性が薄いと思う。主人公や真壁の今後を含めて続編狙いなのかもしれない。
ちなみにこの本は「清涼院流水が『羊たちの沈黙』に挑」んだらしく作中にもたびたび『羊たちの沈黙』についての描写が登場するので知ってる人には嬉しい仕様になっている。
で、この本で一番驚いたのはトリックよりも主人公仄香が明治大学文学部出身であるとともに、明治大学のキャンパスが舞台の連続殺人事件が発生している点である。「明治大学女子学生連続殺人事件」と銘打たれていて、場所も駿河台キャンパスや和泉校舎などが具体的に出てきていた。アカデミーコモン入口前の路上階段で被害者の一人の胴体が発見されたらしい。合掌。
(さささささ) -
大量の人間消失事件。「疑惑の少年」は果たして白か黒か。
こういう話は大好物。かなりわくわくしながら読み進めました。
が。結局スッキリと解決されるわけではなく。なんとなーく仄めかしてはいるけど…いや、不可能でしょ。どう考えても。ほぼ丸投げ。壮大なトリックを期待してただけに、落胆は激しいです。笑
そして必然性のない「実はこういう繋がりがあるんです」的なのは大嫌いです。キャラそれぞれに設定があるけど必要なものとは思えないことが多く、違和感ばかりがありました。
まだオカルトに走ってくれたほうが個人的にはよかったなー。 -
物足りなさを感じる。
JDCシリーズと比べると普通ではあるけれど、机上のものっぽい。
自分の読解力せいかもしれないが、謎が残るように思えてならない。 -
なんといっても設定がインパクト大で、まさに清涼院にしか書けない作品。
あからさまに怪しい"彼"は果たしてクロなのかシロなのか?ただでは終わらないラストも秀逸。 -
▼一年に一度、定期的に、流水が恋しくなる。それは、何を読んでも面白いんだけど、どれも平均的で面白くない、と思った瞬間である。代わり映えしない毎日の読書の中に流水を入れると、途端に味がしまる。
▼という訳で、その時が来るまで……と思って積んでおいた流水大説を紐解く時期である。
▼しかし、これは予想以上に進化していてびびった。喩えるなら、今までの大説は密室でのキャンプファイヤーだった。熱気はあったけど、それは部屋中に篭った湿気でもあった。それはそれで面白かったのだけど、祭りの後……つまり読み終わったあと、熱射病でどっと疲れる感じがあった。でも今回のこれは、壁が取り外された……いや壁を破壊した、野外でのキャンプファイヤーになった。兎に角、空が高いのである。スッキリしているのである。少しはあの頃の熱気が恋しくなるものの、万人へのアピール力、完成度という点では、この小説は格段にレベルアップしている。と思う。本当に「大説」として完成している。
▼海外の連続TVドラマっぽい。「羊たちの沈黙」を下敷きにしてるせいもあるけど、話の展開のさせ方……主人公の冒険のさせ方が、映像を喚起させるものになっている。もともと、そういう大掛かりな演出は流水の十八番なのだけど、今回は特にそう。
▼煽りや描写が減って、文章が特にこなれている。改行が格段に増えている……これが読みやすさの理由か。一時間半くらいでスッと読めた。ケータイ小説を書いたことが結果的にプラスに働いている感じがする。
▼ラストの簡潔さに賛否両論ありそう。私はこれでいいと思う派。理由は、続編が作りやすそうだから(笑)。続編が特に読みたい。(09/10/10 読了) -
怖い!!