- Amazon.co.jp ・マンガ (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778321642
作品紹介・あらすじ
中村明日美子初のサイコ・サスペンス、 描きおろしエピローグ22pを加えて、ついに感動の完結
誰が『ウツボラ』を書いたのか? 謎の死を遂げた美少女「朱」。
入れ替わるように作家・溝呂木の前に現れた、「朱」とそっくりな美少女「桜」。
溝呂木の最新作『ウツボラ』が盗作であることに気づく編集者の辻と、少女の正体を追う刑事達。
それぞれの思惑が絡み合い、物語はクライマックスへ。
「顔のない死体」とひとつの「小説」をめぐる物語。 すべての謎が、いま明かされる――。
感想・レビュー・書評
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ダメだ…非常に混乱している…
話の軸は至極明快なはずなのに、そこに複雑に絡み合う個々の想いと、圧倒的な見せ方とで、わけがわからなくなってしまう
このウツボラという作品は作中に出てくる「ウツボラ」をなぞっているのかな…?
かといって「ウツボラ」がノンフィクションなわけではなく…
作家、溝呂木舜はいろいろな形でたくさんの人間に愛されていたということはわかった
「次」につなげられない溝呂木だからこそ、作家としての生き方、そして死に方を選んだのかな
溝呂木が「次」へとつなげる人なら、一番大事だった人を一番幸せにできたのかもしれないと思うとちょっと切ない
そしてその溝呂木が一人の女(正確には一人ではなく二人かな?)を救う
「次」につなげない男が「次」につながるものを救う、結果的に「次」をつなげたところには痺れたね
溝呂木は多分アレだよね…?辻と「桜」の描写はそれを示してるんだよね…?
「桜」のお腹の子の父親は多分辻だよなぁ…?
「桜」は結局、「朱」になった秋山富士子を演じてたってこと…か?
富士子=藤乃朱で「藤乃朱」、つまり溝呂木の作品の中の人間になりたかったってことだよ、ね?
…と考えたけど、ううん、難しい
また何回も読む内に解釈も変わりそうだ
読む人によって解説の幅がある作品てのは素晴らしいよね
登場人物の心情描写が生々しくて、どれも理解できるんだよなー
コヨミが健気でかわいいこんな嫁がほしい
先生の髭剃り後は男前すぎるが、「朱」にいいようにされてた先生エロくて萌える -
中村明日美子さんの作品はこの作品が始めてだったのですが世界観に圧倒されました。溝呂木先生が自殺する前の桜の表情が明るかったのに対し最後の墓参りの所の表情がとんでもなく暗くてちょっとどんよりしました後最後のでかい腹は溝呂木先生の子を孕んだということで良いのでしょうか?まあこここら先は読者の想像に任せるということでしょうけど…とても素晴らしい作品でした。
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日頃、世間のペースやリズムとのズレを痛感しながら生きていて、
急にフッと少し前に出ていたマンガを読む気になって買ってみたら、
それが「盗作」を巡る話というか、
「その作品の真の作者は誰か」という物語だったので、
ある意味タイムリー【※】だな~、と苦笑してしまった。
それはさておき。
創作に行き詰った作家が、編集部にて、
新人賞応募作の山から見覚えのある作者名を発見し、
原稿を無断で持ち帰り――つまり盗んで、自作として連載を開始。
タイトルは『ウツボラ』。
見覚えがあったというのは、自宅ポストに原稿を投函し続ける
ストーカー紛いのファンがいて、まさにそのペンネームだったから。
しかし、相手は自殺し、
双子の妹と名乗る瓜二つの女性が接近してきて彼を翻弄する……
といった筋立てで、彼女の正体と目的は何か、
問題の小説の本当の執筆者は死んだ女か現に生きている女なのか、
あるいは――というサスペンスミステリ。
小説における叙述トリックにも似た仕掛けがチラホラ見受けられ、
それらを押さえていくと真相らしきものが浮かび上がってきます。
上手い。
そんなこんなでストーリーは大変面白いのですが、
主人公および彼に纏いつく女たちの人物造形がどうにも気色悪いです。
常に×××が×××[自主規制]いるかのように
ベシャベシャしててヤダ(笑)
ラストも、
ああいうイタイ人たちに救いがもたらされるパターンって
苦手なんだよなぁ。
でも、主人公の姪・コヨミちゃんが素直でかわいい。
彼女には幸せになってほしい。
ガチのネタバレ覚え書きは非公開メモ欄へ。
【※】
2014年3月10日現在、
疑惑の作曲家騒動第二幕、居直り謝罪会見(笑)に
世間の耳目が集まっております。 -
一読では何が起こったのか不可能でした…。
読み直して考え直そう。
相変わらず線が奇麗な絵でございました。 -
最高のエロ漫画だった。
エロスを突き詰めると結局はタナトスになってしまうって、たしか写真家のアラーキーも言っていたけど。
これはたぶん「幸福論」なんじゃないだろうか。
生の情動と、死の情動。追加されたエピローグのラストカットには、この相反する二つを同居させた象徴のシルエットが、強く美しく描かれている。
ジャンル分けは難しいが、やっぱり端的に「エロ漫画」が相応しいと思う。
作者の方、見事な完結ありがとうございます。至福でした。 -
素晴らしい....
今のところ私適に今年一番の漫画ではないだろか?
とにかくお薦めの一作です! -
2巻とは思えない読み応えのある作品。伏線も全て回収せず謎を残して完結、読み終えたらもう一度読みたくなる、読まざるを得ない、そんな作品。