- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791764907
作品紹介・あらすじ
栄光のオスマン帝国官僚としての矜持と西洋的「進歩」とのあいだで、イスラム国家と国民国家を両立させようとした熱きオスマン・エリートたちの物語。縮小し続ける領土において、ナショナリズムはいかに機能したのか。
感想・レビュー・書評
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オスマン帝国はなぜ崩壊したのか
(和書)2011年06月15日 23:39
新井政美 青土社 2009年6月25日
柄谷行人さんの書評から読んでみました。
なんていうか近代の過程が凝縮されている。もちろんその中に日本も見えてくる。
こういうものを読むと理解できること多くて面白すぎるように感じる。
良い本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サーディク・リファト、ミドハト・パシャ、シヤースィ、ナームク・ケマル、アフメド・フェリト、ズィヤー・ギョカルプら政治家や活動家の思想や群像劇が描かれたところがよかった。そうした人々の思想や活動があり、行きつ戻りつしつつも、改革は進んでいったものの、ついには、あとがきにあるように"オスマンは間違いなく「ヨーロッパ」の欠くべからざる一員であったが、まさにその「ヨーロッパ」のシステムの中にいたがゆえに崩壊を余儀なくされたのである。"ということに。その歴史的、地理的要因から、ヨーロッパと関わらざるを得ず、「東方問題」の客体として、西欧を外交的に操縦できた場面もあったが、ヨーロッパの方針が勢力均衡からオスマン領土の簒奪へ向かった時、なすすべがなかった。様々な改革も、後付けで振り返ると、状況に応じて、二転三転しつつも、ヨーロッパにならったり、イスラム側の改革を行っても、結果としては一手、二手、遅れていた感があった、ということか。/1924年共和制最初の憲法の88条「トルコの住民は、宗教、民族のいかんを問わず、同胞という観点からトルコ人と呼ばれる」という節の含意の深さ。
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オスマン帝国官僚としての矜待と西洋的進歩とのあいだで、イスラム国家と国民国家を両立させようとしたオスマン・エリートたちの物語である。縮小し続ける領土において、ナショナリズムはいかに機能していったのかを考察している。
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20091101読破