- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794210050
感想・レビュー・書評
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1万3000年前に最後の氷河期が終わった時には、各大陸にいた人類は、みな狩猟採集民だったのに、なぜこれだけの大陸間の格差が生まれたのか?何故、アメリカ大陸は欧州人に支配されてしまったのか?なぜ、新大陸に2000万いたNativeの人の95%を殺した病原菌の抗体を持っていたのが欧州人で、その逆ではなかったのか?その謎を、学術的に追求した本です。
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タイトルからは分りにくいが、個性的な角度から人類史を考察している良書。歴史は現在の文化的格差を説明できるのか?大胆な仮説に納得しやすい根拠を示しながら原人から現代人に至る人間の歴史を全地球的規模で解き明かそうとする科学の書籍である。
植沢芳広(医療分子解析学研究室)
https://bit.ly/3dUs3xv -
さらっと読めずやや難しい
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人類史において、文明の発達速度が違ったのか、地域格差が起こったのかについて、ヒトの時代から動植物との関わり、上巻では触りだけの病原菌、下巻で語られるであろう鉄などの資源など、様々な観点から分析されている。
本当に分析は多岐に渡り、興味深い。なぜ農耕が始まったのか、なぜ特定の動物だけが突如絶滅したのか。理由を聞くととても頷ける。
家畜化に関しても試行錯誤が繰り返され、今の動物達に落ち着いたのだろう。だが、彼らからの贈り物はとても凶悪であり、それらがどのように広まっていったのか。下巻も楽しみ。 -
読み終わり。あまり古い時の話をされても良くわからないのだが(人物区切りでもないし、happenから次のタームまでが長い)後半はなるほどと思うところ多く、最終章はまさに感染症と病原菌の話だったので今っぽかった。
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図書館で。
歴史は、異なる人ひとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の際によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない。
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なぜ中世のヨーロッパ人がアメリカ大陸に征服できたのか、なぜアメリカ大陸の原住民がヨーロッパを征服しなかったのか。
この疑問に答えるべく論理的にわかり易く解説している。
まだ上巻だけしか読んでいないが、上巻だけで300ページにも及ぶ長文の中で、農耕、家畜、そして病原菌と大陸の形との関係を延々と説明している。
この本を通じて、人類の発達の過程が良くわかるようになる。 -
なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか? この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、考古学などの最新研究結果をもとに解明。ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作。(出版社HPより)
◆◇工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21185326 -
2020年7月25日読了。なぜ今の世界はこの姿なのか、アメリカ・アフリカ大陸の文化が支配しゾウやパンダが家畜化される世界はなぜ訪れなかったのか、先人の研究やデータ、仮説を元に読み解く本。下巻から読んだが影響はなかった。結局、世界がこうなったのは地理的要因、肥沃な大地があったか・そこに栽培しやすい作物が育ったか・家畜化しやすい大型動物がいたか、ということにつきること、そういう意味でいうと「この世界は必然的にこの形に進化した」ということが分かる…。祖先たちの努力が無駄だったとかいうわけではないが、努力が実るも実らぬも環境次第、という面はあったのだな…。タイトルの「銃・病原菌・鉄」は欧州の文明が新大陸を支配した際のキーファクターだが、このうち最も強力に住民を殺傷したのが「病原菌」ということに、なんというか歴史は繰り返すのか、という思いがする。