- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794215383
感想・レビュー・書評
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スリーマイル、チャンレンジャー、海底油田掘削施設の嵐による転覆。
例えば宇宙関係では、何かの調整のためにいったん延期すると次の機会は(公転周期の関係で)30日先になってしまうこともある。「早くする」「応急処置で予定通り進める」が大事故につながる。
が、リアルなのは「緊急事態が起こると通常とは違う判断が必要になる」のに、一方で「睡眠不足で判断が鈍る」こと。個人的に一番怖かったのは浮力を失った潜水艦の事故。二酸化炭素の濃度が上がり、睡魔と判断不足に襲われる。そもそも時間がないからこその緊急事態なのだ。まずそういう状況が起こりえないようなシステムの設計というエンジニアリング的発想が一番大事なのはわかるんですけどね・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原発(スリーマイル、チェルノブイリ)、アポロ13号、潜水艦沈没、石油採掘船沈没、飛行機墜落等の重大事故にスポットを当てて、その事故が起こるまでの経緯やそれが起こってからの人々の行動が詳細に解説されている。この本によると前兆のない事故はないそうで(直感的には自分もそう思う)、前兆を捕らえて、適切に対処していればこれらの事故は起こらなかったといえる。最近、残念なリコールが多い。製造業を支えるエンジニア諸氏にぜひとも読んでほしい。
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[ 内容 ]
誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたのか?
原発事故から高層ビル倒壊まで、50あまりのケースを紹介しつつ、巨大事故のメカニズムと人的・組織的原因に迫る。
[ 目次 ]
より巨大に、より高エネルギーに
信じがたいほどの不具合の連鎖
スリーマイルアイランド原発事故
「早くしろ」という圧力に屈する
テストなしで本番にのぞむ
最悪の事故から生還する能力
大事故をまねく物質の組みあわせ
人間の限界が起こした事故
事故の徴候を感じとる能力
危険にたいする健全な恐怖
あまりにも人間的な事故
少しずつ安全マージンを削る人たち
最悪の事故を食い止める人間
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
「作業効率の権威フレデリック・テイラーは、人間を仕事に合わせるのではなく仕事を人間に合わせる必要があると、最初に認識したひとりである。」
大きな事故がどのように起こったのかについて書かれた本。
人は必ずミスをする。大切なのはそのミスが起こっても、その影響を最小限にすることだ。そのためには、人間がミスをするという前提に立った安全策をとる必要がある。それを無視して、ミス0を掲げるのは間違っている。
多くの重大な事故も様々な小さなトラブルが積み重なって発生したことがわかる。 -
最悪の事故は、
そのほとんどは1つの要因だけでは
発生しない。
その予兆をなぜ見逃し、
もしくは必要な対応をとれなかったのか。
マスコミの報道のような、悪者さがしや
センセーショナルな書き方ではなく
(だから、事故の惨状が必要以上に生々しく
書かれてなくて、冷静に読むことができる)、
将来の事故をどう防ぐか、という視点で、
記載された事例をはじめ、
あまり大きく取り上げられることのない
事前の兆候をきちんとつかみ、
「最悪の事故」の発生をくいとめた例が
書かれています。
必要なのは
兆候を見つけ、
その情報が必要なところに伝わり
それに責任ある人が、小手先ではなく
必要な対応をすること。
そのためには、
見逃す(または小手先の対応を取ること)
が会社のためではなく、
将来より大きく会社に降りかかるリスクを
なくすことが会社のためになる、
という意識が必要ではないか、
と自分は読みました。 -
宇宙開発・航空機・油田掘削・原発・大規模プラントといった,現代の巨大技術。ひとたび事故が起きると,人命にも経済にも重大なダメージを与える。直接人命こそ失われていないが,まさに今の日本で進行中の原発事故もその一つだろう。産業革命以降,人類は多くの大事故を経験し,その原因を調べ,さらなる事故を回避すべく対処をしてきた。豊富な事例を紹介しつつ,現代文明の生み出した危険とどう共生するかを探る。
著者はアメリカ人なので,扱われる事故もアメリカで起こったものが中心。世界一の経済大国ということで事故も多いのだろう。日本での事故も少し載ってた(JCO臨界事故)。単独の航空機事故では世界最悪(死者数)とされる御巣鷹山墜落事故はなかった。コンコルドの墜落事故は載ってた。ほかに,油田開発での大事故が結構載っていて,化石燃料の採掘にはかなりの危険が伴うことを再認識。海上に浮かぶ石油掘削リグが強風と高波で沈没することもあるという。スペースシャトルや飛行機事故のようにあまり報道はされないが。化学工場の事故にも大規模なものが。1984年,インドのボパール殺虫剤工場からガスが漏れ,約七千人が犠牲になった。
本書が収録するのは20世紀後半の事故が大半だが,もっと古い事故もいくつかある。1930年の英国巨大飛行船R101墜落事故や南北戦争中の蒸気船爆発沈没事故など。
このような大事故の原因,防止するうえでの対策も論じられるが,あまり体系的でなく,事例の紹介がメインという感じ。巨大化し複雑化するシステム,不具合の連鎖,計画通りの進行という圧力。疲労や思い込みといった人間の限界も事故につながる。
反面,事故を食い止め,将来の事故を防止していく主役も人間だ。前兆を感じ取り,入念な訓練,適切に与えられた権限によって事故を未然に防ぐ。事故や事象に学び,再び事故が起こらないよう対策することが不可欠。事故後の過度の責任追及は,真相解明を困難にするが,日本は大丈夫だろうか。 -
原因経過対策のドキュメンタリー…150年分。命中しても爆発しない魚雷。高価すぎて大事にしすぎて、試験しなかったって、ヲィ。福知山線にそっくりな百年前の事故。玉葱が腐ったニオイがガスにつけられるようになったのは、二百人以上の児童が犠牲になった米国の学校ガス爆発から。興味深くて恐い、今ココにある危機。
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この本は、事故が起こるまでに人はどのような行動をしていたんだろうかということが書いてある本です。この本を読み思ったことはいろいろな行動をして事故というものはおこるんだなあということを思いました。皆さんも面白いのでぜひ読んでみてください。
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50あまりの事故を取り上げ、その原因を検証。いずれも、小さなミスと油断が取り返しのつかない大事故、大惨事の導火線になっている。専門用語が多いが、達意の文章で読ませる。少しばかり難を言えば、過去の歴史を引っ張り出した際に時系列がわかりにくくなっている。一つのヒューマンエラーで事故は起こらない。必ず、複合する要因がある。重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する(ハインリッヒの法則)。あらゆるところで、コンピューターや機械が使用されている現在、被害は桁違いになることを銘記する必要がある。
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高度にハイテク化した世の中だが、操作員のミスで簡単に大事故になってしまうのは周知の事実。なぜ、こうした人災が起きるのか、欧米を中心に多数の実例を上げながら検証していった本。飛行機に乗るときは座席を数えるようにするなど、実践できそうな話も多い。非常に参考になる本