文庫 生命40億年全史 上 (草思社文庫 フ 1-1)

  • 草思社
3.80
  • (5)
  • (16)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 199
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220196

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久々に上下巻ある本の下巻まで読んだ。
    古生物学の著作を読んだのは本書がはじめてだが、、おもしろい。
    今この瞬間にも失われつつある証拠を調べ、物語を綴る。
    理系分野でありながら歴史学に近いそこには、
    安易な言葉を使えば「ロマンがある」。

    証拠を探す、そのひと堀りが今まで積み上げてきた説明をすべてひっくり返すかもしれない。
    事実は小説よりも奇なり、「オッカムのかみそり」はこの分野には存在しない。
    また、どんなにがんばっても証拠の見つからない完全犯罪もある。
    事実は永遠に闇の中かもしれない、
    でもがんばれば、今なら証拠を手に入れられるかもしれない。
    そこにわくわくするものがある。
    そのわくわくを、本書は十分に伝えてくれる。

  • 物語というほどドラマティックではないが、教科書というほど堅苦しいわけでもなく。

    注目されることが多い地球の誕生や、多様な生態系が登場するカンブリア紀の詳細はもちろん、以降のあまり語られない、現代と見間違えるような海洋生物が登場するオルドビス紀、生物が陸上に進出し始めるシルル紀、背骨とあごをそなえた魚が登場してから陸上にその住処を広げていくデボン紀まで。

    時に筆者の体験や、発見に寄与した科学者たちの紹介を交えつつ、軽妙で読みやすく解説される。

    全史というタイトルであるからには偉大な深淵が暴かれることを期待してしまうが、本書においてさえ、地質時代区分間の数億年の空白や、氷河期の原因、動物の指が5本である理由は分からない。
    だが、シアノバクテリア、ストロマトライト、超好熱性化学合成無機独立栄養生物など、ここ数十年の間で明らかになった歴史の真実は、過去生命が誕生してから40億年の中で一番であろうということは理解できる。

    地球を探検するには遅すぎ、宇宙を探索するには早過ぎる時代だが、過去の地球と進化の秘密を探求するには、これ以上の時代はないのかもしれない。

  • 10年前に単行本を買って、途中辞めになっていたもの。文庫本化に当って、再チャレンジするのではなく、知らずに買ってしまったのだ。
    生命の歴史と筆者をはじめとする研究者の生活が並行的に語られていて、なかなか面白い。

  • カンブリア!

著者プロフィール

1946年生まれ。古生物学者。2004年に長年勤めた大英自然史博物館古無脊椎動物部門主席研究員を退任。2005年よりロンドン地質学会会長に就任。英国古生物学会会長(1994―96)、ブリストル大学科学技術公衆理解担当客員教授などを歴任。数々の学術賞を受賞。専門はオルドビス紀の三葉虫と筆石類の進化・生態・体系学。著書に『三葉虫の謎』(垂水雄二訳、早川書房)、『生命40億年全史』、『地球46億年全史』(ともに草思社)ほか。

「2013年 『文庫 生命40億年全史 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リチャード・フォーティの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
トマ・ピケティ
デールカーネギ...
村上 春樹
マーカス デュ・...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×