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- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794221179
感想・レビュー・書評
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羊頭鶏肉の類です。一応実証的な分析を装っていますが、本旨とはズレたところばかりで、最初に問題の立て方を間違うと...何が言いたいのか、イライラの連続です。“昔話”と一括りにしては、時代と範囲・レベルが広すぎるのではないでしょうか?
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新聞書評で見かけてちょっと興味をそそられたので読んでみたのですが、期待以上のおもしろさでした。
日本の昔話や古典文学から、老人についてどのような描写がされているかを実証的に分析しているまじめな論考なのですが、そこに出てくる考察がなかなか強烈です。序文にある「弱いようでしぶとく、枯れているようでエロく、姥捨て山に捨てられても決して死ぬことなく、時にその老醜さえも武器にしてしまう」という記述が、この本全体を貫くトーンを表していると言って良いでしょう。最終章「実在したイカす老人」に取り上げられている、世阿弥、上田秋成、鶴屋南北、葛飾北斎の老境での豪快さにも感服しました。
これは大いにお勧めです。