クジラは食べていい (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796617857

作品紹介・あらすじ

「捕鯨禁止」が生態系を破壊する!水産庁漁業交渉官が語る「日本人がクジラを食べてもいいこれだけの理由」。

感想・レビュー・書評

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  • ネタバレ 2000年刊。著者は水産庁職員(IWC国際捕鯨委員会担当?)。日本の水産庁側なので、反捕鯨団体、その圧力を受ける反捕鯨国家とその担当者、そしてそれらが多数派を占めるIWCの運営に対する恨みつらみが全編を通底する。その中で、①鯨は海洋における食物連鎖の上位に位置するので、鯨の頭数管理をしないまま放置すれば、他の海洋資源・海産物へ深刻な打撃を与える(現に与えている)。②鯨頭数は、種の如何はあるが、かなり回復し、種類によっては管理商業捕鯨をしても影響は小。③反捕鯨団体とその影響先は科学的根拠の欠いた主張を展開。
    というもの。①の指摘は得心いくし、行動的環境団体の問題(資金獲得手段に反捕鯨を利用)は理解できる。ただ煽り気味の文体は気になる。しかも、翻って、ⅰ科学的根拠があるにもかかわらず、これを上手に世論にプレゼンできていないのは誰の責任か。ⅱ鮪のように、日本商社が条約非加盟国の籍の船を利用して、漁獲制限のすり抜けをする危険性に全く配慮がない(鮪の件は著者も指摘)、等の問題に触れないのも片手落ちか。この点を割り引いてみれば、新奇な情報が得られるかも。
    鯨を「海のギャング」「海産物の呑み込むブラックホール」というような判りやすいキャンペーンを、特に米国世論にぶつけるくらいでないと…。あるいは鯨肉が非常に美味しく牛肉などを凌駕するというのも出来ませんかねぇ。正しいことを言っていればそれで足りるという著者の思い込みは、交渉ごととしては不十分といわざるを得ない。

  • 初めて読破できた新書です。
    中3の頃、ホームルーム枠で総合的な学習(過渡期でまだ総合的な学習枠の授業枠が無かったようです)で、
    鯨類について調べていた時に、父から譲り受けて読み上げました。

  • [ 内容 ]
    「捕鯨禁止」が生態系を破壊する!
    水産庁漁業交渉官が語る「日本人がクジラを食べてもいいこれだけの理由」。

    [ 目次 ]
    序章 日本の市場から魚が消えてしまう!?(クジラ過剰保護が生んだ漁業者の嘆き)
    第1章 食糧危機を救えるのはクジラだ(このままでは魚がいなくなる!? 「捕鯨禁止」が生態系を破壊する! ほか)
    第2章 IWCに巣食う魔物たち(捕鯨を葬り去ろうとする反捕鯨国の数の暴力 科学的根拠をねじ曲げるIWC本会議の実態 ほか)
    第3章 反捕鯨「環境団体」の正体(金集めのために宣伝行為をする反捕鯨環境団体 南氷洋調査を妨害するグリーンピースの卑怯なやりくち ほか)
    第4章 捕鯨再開までのカウントダウン(京都会議合意からはじまる日本の捕鯨推進運動 IWC健全化は会議の透明化からはじまる ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • Facebookで"FUCK OFF JAPAN... LEAVE THE WHALES ALONE!!!!"というコミュニティに23万人が参加しているという事実に驚いた。そこで日本人としてクジラを食べることの正しさを主張できないといけないと思って購入。著者は長く捕鯨に関する国際交渉の一線で働かれた方。ネット右翼、声に出して読みたい日本語もいいけど、結局自国の利益をきちんと交渉して引き出すためには語学力、科学的な知識が必要だよね。

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著者プロフィール

農学博士。独立行政法人水産総合研究センター理事。
東北大学卒。77年農林省入省。米国エール大学院卒。農学博士(東京大学)。
IWC日本政府代表代理、FAO水産委員会議長、水産庁漁場資源課長等を経て、05年より現職。
[主要著書]
さかなはいつまで食べられる

「2007年 『さかなはいつまで食べられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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