いかさま師 『このミス』大賞シリーズ

著者 :
  • 宝島社
3.15
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本棚登録 : 92
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796647229

感想・レビュー・書評

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  • 内容はまさしく金と欲といった人間の心の奥底を映し出したような、複雑で、それでいてシンプルな内容でした。人間には両極の想いがあって、ふとした時にそれが現れるのですね。やはり一番人間が怖いです。

  • シチュエーション的には面白いはずなんだけど、最後までのめり込めないまま終わってしまったのはなぜなんだろう。人物にあまり共感できなかったせいか?

  • +++
    三十年前、顔を切り裂き、謎の自殺を遂げた天才画家・鷲沢絖。その妻の死体が、今ではゴミ屋敷と呼ばれている鷲沢邸から発見された。しかもその顔はどす黒く変色し、どろりと溶けていた。遺産相続人として母を指名された高林紗貴は、屋敷からある絵画がなくなっていることに気づく。作者はジョルジュ・ド・ラ・トゥール、約二百六十年の長きにわたり忘れ去られていた、フランス絵画史における最も謎めいた画家。計り知れない価値を秘めたその絵画の行方を探り始めた紗貴だったが、同時に周辺で不気味な出来事が起こり始める。年若い紗貴の恋人、相続を巡りライバル関係にある青年、姿を消してしまった絵画コレクターの父。いったい誰が味方で誰が敵なのか。ラ・トゥールと、見る者の心を揺さぶる鷲沢絖の断筆「顔を引き裂かれた自画像」。―これらの絵画に隠された真実とは。
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    タイトルの「いかさま師」はラトゥールの絵のタイトルなのだが、物語そのものを絶妙に表していて見事である。天才画家の遺産相続に関わる一連の流れと、彼の半生にかかわった人々が抱えることになった事々、そして、血のつながりと欲。興味深い要素がたくさんありすぎるが、それらがきっちりと太い流れになっている印象である。誰を信じればいいのか、誰が味方で誰が敵なのか、そもそも味方など誰ひとりいないのか。次々に奥の手やら隠し技やらが出てくるので、常に気を抜けない展開が続くのである。結局は、作品にとっていちばんいいところに落ち着いたとは言えるのかもしれない。先が愉しみで、ページを繰る手が止まらない一冊だった。

  •  作品解説(カバーより):三十年前、顔を切り裂き、謎の自殺を遂げた天才画家・鷲沢絖。その妻の死体が、今ではゴミ屋敷と呼ばれている鷲沢邸から発見された。しかもその顔はどす黒く変色し、どろりと溶けていた。遺産相続人として母を指名された高林紗貴は、屋敷からある絵画がなくなっていることに気づく。作者はジョルジュ・ド・ラ・トゥール、約二百六十年の長きにわたり忘れ去られていた、フランス絵画史における最も謎めいた画家。計り知れない価値を秘めたその絵画の行方を探り始めた紗貴だったが、同時に周辺で不気味な出来事が起こり始める。年若い紗貴の恋人、相続を巡りライバル関係にある青年、姿を消してしまった絵画コレクターの父。いったい誰が味方で誰が敵なのか。ラ・トゥールと、見る者の心を揺さぶる鷲沢絖の断筆「顔を引き裂かれた自画像」。――これらの絵画に隠された真実とは。

     この作品では絵画を題材に扱う難しさがにじみ出ています。単純に言えば「絵画」イコール「色彩や構成を愛でて楽しむもの」なので、この作品ではそれらをいかに上手く表現できるかが重要になります。しかし、「天才的な才能を持つ」鷲沢絖の描いた絵の素晴らしさが全く伝わってきませんでした。
     フェアな展開とは言い難く、役者が出揃うのも遅いため悶々とさせられますし、ある程度ミステリーを読んでいる方なら容易に犯人像が割り出せることと思います。
     「表」と「裏」に分かれた作品構成の「裏」の部分は楽しめましたが、それでもタイトル負けしてる印象は拭えませんでした。

  • 世界を股にかけて騙し騙されといった感じではない。血縁関係が込み入ってる。ちょっと散漫。

  • 遺産として残された絵画をめぐる争いの話。あっちこっちに話が広がって散らかったまま、気づいたら終わっていた。

  • 文章が読みにくく、あまり読み進まない。登場人物の関係が理解しにくい。

  • ラ・トゥールの「いかさま師」自体が大好きな絵なのでそれに惹かれて読了。
    さくっと読みやすいし、トリックもそこそこな印象。
    だけれど、作中で描写されている絵が見てみたくなる…。
    そういう意味で美術ミステリとしては大成功かと。

  • 最後の段階で意外な犯人が判明.油絵の複雑さが根底にあると感じた.

  • 誰しもが裏表を持っている。
    人間って恐いな。

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