格差が遺伝する! ~子どもの下流化を防ぐには~ (宝島社新書 231)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796658348

感想・レビュー・書評

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  • 「だが本当の人生は苦くてつらい。ドラえもんはいない。」

  • データの羅列とちょっと著者の思い込みっぽい分析。

    そもそも「成績のよい子=上流」なのか?
    そうなる可能性は高いとは思うが、それすら崩れてきているのが現実なんじゃないの?

  • 統計のデータで判断をし過ぎているとしかいいようがない。
    自分の意見を統計データにすり替えているような印象を受ける。

  • かみさんが買ってきた本だ。かみさんは斜め読みしてやめたらしい。
    「よくもまあ、こんなわかりきったことを」
    これが私とかみさんの共通した感想だった。
    統計をもとに下流でやる気のない親のもとに生まれた子供はやはり同様に育つことを読み解いている。「下流社会」は読んでないがその内容は何となくわかっている。この本はそれを少しだけ展開しただけで、目新しい情報は皆無だった。
    また、我々は統計というものは結論が先にあった場合、それに近づけて読み取れるし、都合の悪い統計を隠すこともできてしまうことを知っている。それに、統計の中で子供の学力を母親の自己申告にしているのも若干信憑性に欠ける。
    今、学校の通知表で親は子供の学力を推し量れなくなっている。「できる」と「もうすこし」の評価では、オール「できる」であっても、かつてのオール5かもしれないしオール3かもしれない。上流の親はそれでもうちの子はできると思いたしだろうし、中流の親はそれが「普通」と考えるかもしれない。5段階評価の復活を望みたい。
    ところで、あとがきに宝島社の女性が提案したタイトルが過激すぎて紹介できないとあるが、そのタイトルはおそらく『下流の子は下流』であろう。(もちろん「蛙の子は蛙」のもじりね)

  • [ 内容 ]
    すべての親と教育関係者が震撼する!
    衝撃の「格差再生産」最新レポート。

    [ 目次 ]
    第1章 子どもの成績は親の経済力に比例する
    第2章 母親が子どもの成績を左右する
    第3章 食生活が成績の上下を分ける
    第4章 頭のよい子はどんな子か?
    第5章 「生活の質」の格差が階層の固定化を生む
    第6章 子どもを中学受験させる親、させない親
    第7章 母親たちの満足と不安
    参考 母親の4タイプと子どもの成績

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 出版社 / 著者からの内容紹介
    大ベストセラー『下流社会』の著者によるタブーの最新調査
    すべての親と教育関係者が震撼する! 衝撃の「格差再生産」最新レポート

    料理好きなお母さんの子どもは成績がよい
    お父さんの読書量と子どもの成績は比例する
    成績「下」の子ほど親も子も肥満ぎみ
    夫婦間の満足度と子どもの成績は比例する

    “頭のいい子”を育てる父親・母親とは?
    父親や母親の生活時間が不規則になってくると、家族一緒に夕飯を食べることも、
    一緒に会話を楽しむことも難しくなる(中略)
    子どもの成績の格差を生み出しているのは、実は「収入の格差」だけはでなく「生
    活の質の格差」なのだ。
    (本文より)

    【目 次】

    はじめに
    第1章 子どもの成績は親の経済力に比例する
    父親の所得が高いと子どもの成績はよい
    貯蓄と子どもの成績も比例する
    父親の所得が高いほど塾に通い、中学受験する子どもが多い …ほか

    第2章 母親が子どもの成績を左右する
    母親の学歴や結婚前の所得が高いと子どもの成績がよい
    高学歴、高所得だった女性ほど、お受験ママになりやすい?
    母親の子ども時代の成績がよいと子どもの成績もよい
    母親の子ども時代の成績が悪くても子どもの成績は向上する
    母親が勉強嫌いだった場合でも、子どもの成績が悪いとは限らない …ほか

    第3章 食生活が成績の上下を分ける
    成績がよい子どもほど、食生活も健全
    成績の悪い子どもほどコンビニに依存
    成績のよい子どもの母親の方が料理好き
    食べることが面倒くさい母親
    成績のよい子の母親は、自分も朝食を食べる …ほか

    第4章 頭のよい子はどんな子か?
    子どもで気になること
    成績が悪い子どものほうが、運動が苦手でゲーム好き
    生活習慣の改善が重要
    新しいエリートの登場?
    産業界の教育界に対する期待 …ほか

    第5章 「生活の質」の格差が階層の固定化を生む
    成績のよい子は親子の会話が多い
    個室があるかどうかと成績は無関係
    親子の会話と「生活の質」
    父親が土日休みのほうが子どもの成績はよい
    子どもとの会話を増やせない状況 …ほか

    第6章 子どもを中学受験させる親、させない親
    受験するかしないかは経済格差がある
    母親の学歴が高いほど、子どもに中学受験させる
    正社員で働くお受験ママは23区内に多い
    祖父の学歴も関係ある
    母親は娘に自分よりいい成績を求める …ほか

    第7章 母親たちの満足と不安
    子どもへの満足度は成績に比例するのか?
    子どもの成績評価は母親の業績評価
    多元的な価値観を忘れないでいたい
    母親が満足する子どもは「がんばりや」「まじめ」「正直」
    満足される子どもは社会人としてもやっていけそうなタイプ …ほか

    参考 母親の4タイプと子どもの成績
    母親の4タイプ
    しっかりした性格で、成績もよいしずかちゃん
    自立心がなく、面倒くさがりなのび太
    しずかちゃんママは、子どもへの満足度が高い
    保守的なスネ夫ママ、まじめにコツコツ働くことを望むのび太ママ

    おわりに
    ゆとり教育に対する評価は低い
    親は実用的な教育を求めている
    文化格差への対応 …ほか

    あとがき




    うーん
    現在下流階級の人間としては・・・・
    もっともっとがんばらないといけないですね・・・・

  • 親の経済力が、子供の成績や進学に相関性があるということは、昨今指摘されていることである。本書は、インターネットによる実際に子供を持つ家庭にリサーチを行い定量的にその問題を検証している。著者は親の経済力が子供の成績に直結しているしているというよりも、食事をきちんと摂る、読書をするなど親の行動や生活習慣などが子供に伝承された結果であると指摘する。下流という層に属する人達が、極端にいえば無気力で向上心が無く、生活に希望を持っていない現状が格差を固定化し、子供達もその枠の中抜け出すことが出来ないことが、本書のタイトルにある「格差の遺伝」ということである。こうした指摘の根拠となっているのはアンケートの数値結果のみであり、著者も認めているように仮説である。こうした議論の説得力という点では、物足りない感じは否めないが、だらしの無い、無気力な親から、向上心旺盛、学力も高く、コミュニケーション能力に秀でた優秀な子供達はそうそう育たない、ということは直感的に理解はできる。問題の本質はやはり、格差の固定化が子供本人が選択できる以外の要素で起きてしまっているということであろう。本書では、そうした問題の指摘はあるものの、残念ながら解決策としての政策提言の域には踏み込んでいない。しかし、筆者の立場は、社会学者ではなくマーケティングコンサルタントということを考えると致し方ない。

  •  生活の質が格差を生むという箇所はなるほどと思う。例えば、父親の所得が低くそのために母親も働かなければならずゆえに子どもはいつも一人ぼっち。父親が帰ってくれば入れ替わりに母がパートに働きに出る日々。土日も両親共に働いている可能性もある。子どもを塾につれて行きたくとも、それだけの所得もなければ、送り迎えの都合もつかないし子どもの弁当を用意する手間もある、などなど。

    要するに生育環境の水準や育児内容の水準が格差を生んでいるのでないかを指摘。

    そこで生活の質に着目し、「親の成績や読んでいる雑誌・子どもについて欲しい職業・食生活、中学受験する子どもと家庭の特徴そして所得」などを考察している。

     なお、「私は『下流社会』において、「下流」を、単に所得が低いということではなく、意欲が低い人たちと定義した。」(p.10)とあるが、これでは分かりにくくないか。推察する限り、p.146の小見出しにある通り、「受験させない親が子どもに望むことは、人間としての最低限のこと」というようなことを、実は意欲が低いと言っているのではなかろうか。

    そしてこの、「受験させない親が子どもに望むことは、人間としての最低限のこと」といった事を通じて、生活の質が格差を生む→格差が親から子へと遺伝することを述べているのだと思う。


     ただし、こういうことを統計調査によって導き出しているわけではない。いまいちよく分からないデータ。データを使っての記述も滅茶苦茶。グラフとその記述を見ているよりも地の文だけをエッセイやルポだと思って読んでいる方がいいのかもしれない。(実務の現場で何か資料がないと困るからマーケティングでこういうデータが使われているのかどうかは知らないが)






     ところで、本の中には書かれていないが私なりにこの生活の質の格差に着目した背景を推測して記述すれば以下のようになろうか。
     
     なんだかんだいって傾向的には中学受験をする人のほうが頭が良い。ポジティブだし行動力もあって仕事も勉強もよく出来る。何といっても利発的。だいたいそういう人のほうが社会的な本音と建前も区別もつくし、何が得で何が損かを判断するだけの力もある。それとは反対の人たちといったら、たいがい傾向的には所得も低いために両親が外で働いているか、そうでなくても社会的なインフォーマルな情報について親子間で伝達がうまくいっていないのではなかろうか。

    だからこそ、生活の質(生育環境の水準や育児内容の水準)を問題にし、を述べたのではないだろうか。

    あくまで著者の問題関心の背景を推察する限りだが。

  • 料理好きなお母さんの子どもは成績がよい。お父さんの読書量と子どもの成績は比例する。こどもの成績の格差を生み出しているのは、実は「収入の格差」だけではなく「生活の質の格差」なのです。衝撃の「格差再生産」レポート。(TRC MARCより

  • 「勝ち組とか負け組とか、誰が決めたんだろうね」っていうさわやかな俳優使った嘘くさいCMがありましたが、勝ち組体質と負け組体質は確かに存在します。
    絶望感を抱いて言い訳する前に、甘えないということです。

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著者プロフィール

三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。社会デザイン研究者。カルチャースタディーズ研究所代表。家族、若者、消費、都市、郊外などを研究。著書に『 「家族」と「幸福」の戦後史――郊外の夢と現実』 (講談社現代新書) 、 『ファスト風土化する日本――郊外化とその病理』 (洋泉社新書) 、 『東京は郊外から消えていく!』 『首都圏大予測』 (光文社新書) 、 『愛される街』 (而立書房)などがある。

「2022年 『中央線がなかったら 見えてくる東京の古層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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