格差が遺伝する! ~子どもの下流化を防ぐには~ (宝島社新書 231)
- 宝島社 (2007年5月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796658348
感想・レビュー・書評
-
親の収入より 親の休み。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少ない調査結果からよくぞ、ここまでの結論が出せるなというのが正直な感想。前に出ていた本は、もう少しましな内容だったと思うのですが・・・。
-
成績が悪い子供は「物を大切にしない。だらしがない。友達が少ない。」その母は「料理が嫌いでしない。本を読まない。昼寝する。」笑った。そのまんまや。小学生までの子供についての本でした。もう手遅れだね。だからどうなのと言いたくなる。タイトルはこけおどし。読まなくてもよかった。
-
子供の成績の良し悪しは、実は親の所得、仕事、価値観に左右されていることを、データをもとに検証した本。
この本では「下流」の定義を低所得という点だけではなく、対勉強、対生活向上、対労働への意識の低さをひっくるめて「下流」と定義している。
分析結果はやはり、所得が低かったり、諸意識が低い家庭の子供は、やはり成績が悪かったり、意識が低くなる"比率"が高い、という結果。
確かに親の影響と言うのはかなり大きいと思うが、出てきたデータの切り口が大雑把に感じる。 確かに傾向だけを見れば、親の意識=良、子供の成績=良 という相関がどのデータにも表れるが、もっと意外な点に着目すれば、別の結論も出てくるのではないかと感じた。
また、データは首都圏だけのものであるが、地域間でも差があるはずで、本来ならばその点にも踏み込んで検証して欲しかった。 -
『下流社会』同様、アンケートの結果を元に話は進んで行く。結婚されてる方が読むともっとおもしろいと思う。
著者が言う「下流」とは、単に学歴が低い、所得が低いということではなく、「いろんなことに対する意欲が低いこと」を指す。もちろん、学歴や収入は大きく関係するみたいだ。
今の子どもたちは、勉強ができればスポーツもできて、明るく、おもしろい傾向にあるらしい。昔なら、勉強できるならガリ勉であったが、むしろ今は勉強できない子の方がコミュニケーション能力が低く、内向的であるらしい。
以上のようなことが書かれている。
『下流社会』を読んでから読むことをすすめる。 -
うちはすごい裕福じゃなかったけど、与えられるものは豊かであたたかだった。
下流って、本当に経済事情だけじゃなくて、心の豊かさに関係する。
ちゃんと料理するお母さんになろうっておもった。
でも読んだインパクトはそんなになかった。
-
格差の再生産をデータで見る本、といえば分かりやすいだろうか。見出しやグラフだけひろって見るだけでも、ほぉぉ、とかやっぱりぃ、みたいな感慨がある。基本的には父親の収入の高さと母親の高学歴に支えられるような「生活の質」がこどもの生活様式の決め手となってこどもの学力が決まり、それによって次の世代の格差が固定される様子を描いている。それを理解したとしても、今の社会、とくに労働の構造が、父母が望むような生活様式をとらせないようになっていると、富裕層の一人勝ちになっちゃう、てところが、単なるブルデュー風教育論に終わらないところ。いまの多くのこどもに欠けている教育の「教養部分」をNPOなどの「生活体験スクール」にやらせよう、というところはなんかまゆつば。今後、今専業主婦でいるような高学歴主婦層は正社員主婦層になっていくのだとすれば、そうした活動がなされても、その価値に気づいている富裕層に利用され、稽古事などの学校外活動は値崩れして品質も下がってしまいかねない。あとがきで、「下流社会を書いたあと、もう1本下流ネタを、とドジョウ狙いの編集者が押しかけたなかで、では格差の再生産について新しく書いてください、調査費用は負担します、と言った編集者」と意気投合したくだりは、何事につけ、安全なものを安易に求めない姿勢って大事だなと感心した。
-
教育と生活全般に関するアンケート結果報告。全般的に「○○の家庭は成績上位の子が△△%だ」という報告になっているが、多くの項目はそれぞれ相関があると思う。たとえば「旅行に行く家庭は成績が良い」とあるが、であれば「旅行に行けば成績が良くなるのか?」と言えば、そうではないと思う。旅行に行く余裕のある家庭は、両親の学歴が高く収入も多い傾向があるので、結果的に旅行に行く余裕が生まれると解釈すべきだろう。