- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797365009
作品紹介・あらすじ
1942年に米国で刊行され、現在まで読み継がれている数学入門書の古典。詩のスタイルで綴られた文章と、イメージあふれるイラストで数学を学ぶ意味を説き明かす。アインシュタインをも魅了した独創的な解説。
感想・レビュー・書評
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冒頭「手始めにとても単純な問題を出そう」
末尾「この本が最初に挙げたような概念の意味をはっきり理解するための手助けになるというわたしたちの言葉に、うなずいてくれるだろうか?」
なんでこの本を買ったのかも今となっては思い出せないけど、たぶん名著復活!アインシュタインも絶賛!みたいなフレーズにつられたんだと思う。もちろんずっと抱えている「大学数学がまったくわからなかった」コンプレックスも働いたと思う。ずいぶん積みっぱなしだったけど、「連休中に何かもう一冊読みきりたいな」と思っていた時にパラパラ見てみたら割と読みやすそうだったし読んでみた。
訳者まえがきによれば、「数学の考え方をやさしく説いたこの本は、アメリカのあらゆる世代の人に読まれ、いまでも古典として高い評価を受けている。」「かのアインシュタインや数学者のE・T・ベルも、本書に絶賛の言葉を寄せている」だそうだ。
二つのパートに分かれていて、前半は古い事柄(物理でいえばニュートン力学か)、後半は新しい事柄(物理でいう相対性理論)という構成。数学の本とは言っても、ほとんど数式は出てこず、細かい数学のテクニックも出てこない。だから中学生くらいでも読み通すことはできるんじゃないかな。とても平易な言葉で書かれている。
「わたしたちのトーテムポール」に出てくる5階建てのトーテムポールが良かった。1階は現実の、科学や数学の産物がある。2階は1階にあるものを発明、製造するところ。ここまでは現実的な人しかいない。3階は純粋科学。損得など現実的な動機ではなく好奇心が原動力。4階は数学者(純粋数学者ではない)がいて、過去の古典数学を3階の純粋科学者の科学的発見に当てはめる。5階は純粋数学者が現代芸術家と一緒に住んでいる。彼らは仕事に就けるだけでも幸運だ!
数学の階層というか、社会との繋がりみたいなものがイメージしやすい。
自分はせいぜい1階と2階の間を行ったり来たりするくらいだな…
数学と聞いただけで拒否反応を起こす人もいるし、なんでこんな勉強をしなきゃいけないんだと思いながら学校の授業を受ける人も沢山いると思うんだけど、こういう本を副読本として使ったり、こういうことを教える授業がもっとあればいいのにと思う。学習指導要領とかで教える内容は決まってるんだろうけど、ただやりなさいと言われるより、モチベーションの面で全然違うと思う。
数学という、とてもとても高い山の頂上に自力で到達することはできなくても、この本のおかげで山頂からの景色を垣間見ることができる。あるいは山頂へ至る道のりを少し見せてくれる。そういう意味でとても意義がある本だと思うし、物事の導入部分だけを扱ったいわゆる「入門書」とは一線を画すものだと思う。
将来子どもができたら中学校くらいで紹介したい本。 -
トーテムポールの例示が秀逸ですねー。
科学は古い技術で評価されていることをよく理解出来ます。 -
数学界の古典名著。もう評価もされ尽くした本かとは思うけど読んでみたら自分も「こりゃいい」とそれなりに感銘を受けてしまった。
挿絵と散文詩のような簡単な文章で構成されたすぐ読める内容の絵本みたいな本。数学とは何か、という主題を軸に古典数学と現代数学、それらに取り組む意義などが抽象化され書かれている。いわゆる理系の人が文系の人に読んでもらうのに良さそうだなと思った。「数学専攻ってなにしてんの?」「理系の言う研究ってなんなの?」みたいな人に。
高校数学で拒絶反応が出た人が、本書内の説明で微積分のとっかかりが掴めるかはちょっと疑問も残るけど、世間一般で「数学」としてイメージされるようなものってせいぜい19世紀までの、歴史の勉強みたいなものなんだよ、数学全体を見渡すともっと面白いんだよ、ということをざっくりと理解するのに良さそうで、またこういう事をもっと人に知ってもらいたいなぁ読んでもらいたいなぁと思った本。 -
声に出して読みたい本。
小学高学年か、中学入ったくらいで、数学の授業の時に先生がこれを読んでくれたら、教えてくれたら、興味を持って楽しく勉強ができたかも。
学校の先生もこのくらい柔軟な頭だったらいいのに。
数学がわからなくても、この本は面白い。
数学者と、現代芸術家を同じに見ているところ、面白い。
挿絵も、現代美術テイスト?-
「数学者と、現代芸術家を同じに見ているところ、面白い。」
へぇ~読んでみなくっちゃ!「数学者と、現代芸術家を同じに見ているところ、面白い。」
へぇ~読んでみなくっちゃ!2012/03/03
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戦時中の1942年に米国で出版され、今でも読み継がれているという数学入門書。
数学や数式に秘められた不思議を解き明かしてくれて、数学嫌いが多少は直るかなと思って読んだが、あてがはずれた。本書は、数学的な考え方や概念そのものが、理性的な思考体系のひとつの手本であり、本来持っている人間性を取り戻す希望である、と論じている、きわめて哲学的な内容だ。科学技術を4階建ての建物に例えた話はいちばん興味深かった。
戦争のさなかに書かれたからこそ、数学を通じて平和や理性を強く望む心が表れている。数学入門書というよりも、人文学入門書と言えるかもしれない。 -
日経に紹介されていたので読みました。頭の軽い体操にはいいです。
1500円は高いかな?
数学は美しいですね。 -
これはすごい!!数学に抵抗のある日本国民は必読の書。これを読んで科学に対する開明的態度を身につけましょう。特に学校で学ぶ古典数学と、魅力的な、しかしとっつきにくい現代数学を華麗にかけ橋している術に脱帽。
<特記事項>
・鉄のベルトが地球に取り巻いていて、それに約3メートルを附け足すと、ティッシュが通るくらい、それとも這っていけるくらい、それとも立って通れるくらい?
・算数と数学の違い:一般化と抽象化。一般化:Xとかを使う。
・「二等辺三角形でない三角形は二等辺三角形でなければならない」。これはおかしいが、適当な図を描くとこれが証明できてしまう。図を根拠として使うことがだめ。
・矛盾しない前提なら何をおいても大丈夫、というのが現代数学:例:有限幾何学、有限代数学。
・椅子+赤=机、でも何等問題ではない。 -
☆R05-08-15Tue星乃珈琲店
原書は1942年発行
街中の名の知れた人 The celebrated man in the street
第1象限から第4象限