- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798124711
感想・レビュー・書評
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クリステンセンのイノベーションシリーズの3作目。イノベーションの生み方をまとめた本。1作目の「イノベーションのジレンマ」よりも読みやすく、実用的に思う。
イノベーションには5つの発見力が必要である。「関連付ける力」「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」。
それぞれについて、有名なイノベーターを例に挙げ、具体的に解説している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名著「イノベーションのジレンマ」シリーズの第3弾。
「イノベーションのジレンマ」では、既存事業とイノベーティブな技術、製品との関係をハンドルし、持続的成長を遂げることがいかに困難であるかが解き明かされたが、本著では、イノベーションを起こす企業には何が備わっているかを豊富なインタービューを通じて明らかにしようとしている。
重要なのは、経営者のイノベーティブな姿勢だという。好奇心を持ち、社会、市場の動きを常にウォッチして問題、課題を発見する。実行にあたっては、様々なバックグラウンドの人々とのコミュニケーションを活用しつつ、失敗は恐れず、何度もチャンレンジする。
難しいのは、イノベーティブなリーダーにより市場の先頭を走っていた企業が、リーダー交代後も同じ状態を維持できるかどうかだろう。中間層以下の社員の中にイノベーションのDNAが植えつけられているかどうかがカギになるのだけど、これはなかなか難しい。ただでさえ成功により、官僚化(部門間の壁、保守的発想等)が進むし、成功後の経営者は、イノベーション型ではなく、実行型、調整型になるのが一般的だろう。
読んでいて全くヒトゴトの感じがしない。今の日本企業で、イノベーションを感じさせる企業がいくつあるか。リーダー、社員のマインドセットを根底から変えるのはなかなか困難だが、これこそ根本的な課題ではないか。 -
たまにはビジネス書も読まないとねー。
『イノベーションのジレンマ』ほど、はっとさせられる感じはないけど、たくさんのインタビューの積み上げで説得力はあるかな。
最後が、「次世代を担う若者の発見力を育む」なのが良かったです。子供のころ、壊れた機械を分解したりしたなぁ。ドライバーセットとか、貰ってうれしかった。 -
自分が優秀だと感じる人は、常に疑問を持っていると常々感じていたが、そう感じていた自分の意見を肯定するような内容だった。
関連付ける力
質問力
観察力
ネットワーク力
実験力
一番印象的だったのは、「質問ストーミング」。
「質問筋肉が錆びているなら、筋肉を鍛え始めよう。」という一文に、ドキっとした。 -
イノベーターは人と違う考え方をするが、実はつながっていないものをつなげることによって、違う考え方をしているに過ぎない。らしい。
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「イノベーションのジレンマ」以来のクリステンセンの名著だと思う。イノベーションを生み出す人材や組織の特性と実に簡潔にまとめている。アカデミックな視点と実践的な含意のバランスも良い。
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イノベーターは天性だけではなく(もちろんそれもあるけど)、
小さな積み重ねに依って生まれる。
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最も必要なことは、飽くなき好奇心。新たな素材を常に集め続けること。その為の発見力であり質問力でありネットワーク力。
そして、集めた素材をつなげる力。
どれも訓練によって習熟されていく。
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テクニックとしては質問ブレスト、というのがヒット。
根本的な問題を明らかにする為の質問を考えることに
ひたすらエネルギーを向ける。
良い問いが設定されることがイノベーションへの第一歩
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イノベーションを生み出すには強烈な「自己肯定感」が必須であるように感じる。
知らないことを恥じない、失敗を恐れない、直感的に信じたことを曲げない、などなど。いずれも、ブレないで進み続けること。
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新規事業や新製品のアイデアをどのようにして生み出すのか、その方法を明らかにした本。市場のルールを書き換えた企業の創業者やCEOなど100名近くの人々を対象にインタビューを行い、イノベーションに必要な五つの「発見力」と、四つの「行動習慣」を通じて、アイデアの創出を促していると説明している。イノベーションの能力は神秘でも魔法でもなく、方法さえわかれば誰にでも体系化してして習得できるもので、企業にもイノベーションのDNAを植えつけることは可能だとしている。これを読むと、日本企業が以前ほど革新的な製品を生み出せなくなっている背景がよくわかる。
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イノベーションを高い確度で起こすには何が必要かを、データと事例から解説している。
疑問を感じない、考えながら周りを見ることをしない、外部との交流を好まない、行動を起こさない人にイノベーションは起こせない、ということだった。
いろいろなイノベーション促進の手法はあるにしても、結局最後の、「自分が世界を変えられると本気で信じる人達こそが、本当に世界を変えている」というところに落ち着くのだと思った。
イノベーションをカイゼンと読み替えても面白かった。
以下抜粋。
・社員に「枠にとらわれない考え方をしろ」といってお茶を濁す企業幹部もいる。だが枠にとらわれない考え方をする、その方法こそ、社員が知りたいことなのだ。
・適切な質問をし、適切な観察を行い、適切な人たちとのネットワークからアイデアや意見を引き出し、実験を行う能力が高い人ほど、失敗する可能性は低いのだ。
・日本や中国、韓国、多くのアラブ諸国など、個人より社会を、実力より年功を重視する国で育った人が、柔軟な発想で現状を打破してイノベーションを生み出すことが少ない
・大抵の人は、何も考えずに現状を受け入れる。決まりきった生活を好み、波風を立てたがらない人もいる。「壊れていないなら、直すな」のことわざに忠実に従い、「それ」が壊れているのかどうか、真剣に考えようともしない。対照的に、イノベータは多くのものを「壊れている」と認識し、直そうとするのだ。
・イノベータは発見に関わる行動(質問、漢sつ、実験、ネットワーキング)に1.5倍もの時間を費やしていた。
・「amazonの経営陣が大失敗をしでかさないなら、ホームランを狙ってバットを降っていないわけだから、株主のためにいい仕事をしていないことになる」(ジェフ・ベゾス)
・「イノベーションは、事業部門のマネージャーであれ、各部署のリーダーであれ、CEOであれ、あらゆるリーダーに課された最も重要な職務だ」
・ほとんどの経営幹部は実行を得意とし、分析、企画立案、行き届いた導入、規律ある実行の4つの【実行力】に優れている
・ビジネススクールは発見ではなく実行に長けた人材を育てるところだ。
・アイディアの絶対量を増やしたからといって、極めて破壊的なアイデアが生まれるとは限らない。なぜだろう?それは「水平思考の世界」の著者がいうように、【同じ方向にいくら目を凝らしても、違う見方はできない」からだ。
・なぜアイデアの在庫を増やすとイノベーションが増えるのか(P65 図)
・アイン新して新しいアイデアを生み出せる場所や時間を知っていた・・・・どんな場所や時間を選ぼうと、迷走し考えるだけの時間を作るように心がけよう
・ランダムな提携会社との新しい価値を生み出す方法のブレーンストーミング
・SCAMPER:洞察を生み出すための手法。Substitute, Combine, Adapt, Magnify/Minimize/Modify, Put to other uses, Eliminate, Reverse, Rearrange。
・「解答よりも、問題を提起することのほうが重要であることのほうが多い」
・質問ができない=ばかに見られる覚悟ができていない=自己肯定感を持っていない
・日本の上司は、質問ではなく、答えろ与えることを部下に求められている。・・・質問を奨励しない企業や国の文化は、破壊的イノベーションに死を宣告する。
・「カネが問題でなければ、何をする?」
・質問ストーミング:課題に対する質問のみを50集めて、解決に役立つ質問に優先順位をつける。
・顧客を観察するときに問うべき10の質問
・他人の思考や経験に触発されずに自分一人で行うことは、どんなに良くても、いささかつまらないし単調だ。(アインシュタイン)
・ボーウェンが技術的困難にぶつかった時の質問「これに似た問題を経験した人や解決した人はいるだろうか?」
・人と会うための口実「あなたのアイデアに、考え方に興味があるのです」
・食事はネットワーキングのための時間
・「実験はイノベーションのカギだ。予想通りの結果が出ることは滅多になく、多くを学べるから」(ベゾス)
・懸命な質問を投げかけ、顕著な状況を観察し、多彩な人たちと話せば、それほど実験を行わずに済む
・一日に少なくともひとつは境界を超えるよう努めよう
・「あなたが発明したものについて教えてくれませんか」
・チーム全体としてみた時の新しいアイデアの創出力は、一人ひとりの能力の総和や、ひとつの発見力だけに優れたチームの能力を一貫して上回る。
・プロセスや哲学を含む組織の力も、人材が優れた成績を上げるのに欠かせない。
・「興味のない分野で働く人と隣り合わせることもザラにある。そこでの会話が引き金になって、突然二人共が、新しいアイデアを思いついたりする。」
・イノベーティブなリーダーは、自身の発見行動を組み込んだプロセスを構築することで、自らのイノベータDNAスキルを組織に植えつけているのだ。
・組織のイノベーション哲学に関する質問
あなたの職務では、イノベーションを起こすことを期待されていますか?
イノベーションは人事考課の対象として明確に指定されていますか?
・「新しいことをたくさんやっていれば、判断を謝ることもあるさ」
・「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界をかえている」
・http://www.youtube.com/watch?v=mNK6h1dfy2o -
このシリーズは技術部のトップに読んで頂きたい。