振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800218971

感想・レビュー・書評

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  • オレオレ詐欺は、数名の気軽な犯罪ではなく、1企業のように研修と分業で成り立つ、組織だった犯罪結社であるということが分かる。語られる様々な逸話が、2chまとめの投稿のようにさえも見える。
    この本の最後の方で語られるくらいに詐欺が進化し、恐喝のようなところまでいくと、対策のしようがないのかもと思った。教育や貧困など、政策によって解決が求められるレベルなのかも。

  • 関係者への丹念な取材によって、振り込め詐欺の手口と組織の実態の解明にとどまらず、大規模な詐欺産業を生み出す原因となっている社会構造にまで切り込んだ秀逸なルポ。騙されないためにではなく、現在自らが生きている社会を知るために読みたい。

  • 「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」「母さん助けて詐欺」という名前からかけ離れた詐欺の実態が描かれている。舐め役、引き込み役など、まるで鬼平の押し込み強盗である。騙されないように呼びかける広報は、何周も遅れているのだと思った。

  • こういうアウトローについての本は今まで読んだことなかったせいかおっかいなーと思うところが多々あって胃袋が悪くなった。詐欺世代の第二世代までについてはいわゆる不良グループやら多重債権者のようにあんまり言いたくないがそういう犯罪に関わってそうな人がやっていたが、第三世代以降普通の大学生がやったり未成年層が増えてい過程が怖く感じた。プレイヤーといわれる詐欺の電話かけてる人物が年収何千万円ももらっているのを見てこんなに儲かる犯罪であり、それだからこそたくさんの堅気といわれる人間もかかわっていくんだなっと思った。

  • 振り込め詐欺の実行犯にインタビューをして,現状の詐欺業界の状況を伺うルポ。
    詐欺業界は大規模・組織的になっており,規制が追いつかない状況となっている。
    お金の引き出し役は指示者の顔を知らないので捕まっても組織は痛くないといったことや,ホームヘルパーから名簿を入手する(本人は詐欺に使われると思っていない),騙されていると分かっていても報復を恐れて支払ってしまうなど驚きの事実が赤裸々に書かれています。
    本書の中に「雑誌に詐欺手法を書いてもらうことで,真似して捕まるやつが出てくる。それでこっちは守りを固める」ということが書いてあったが,私も相手のやり方を知って身を守りたい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:368.6//Su96

  • ○実際の振り込め詐欺の実行者へのインタビューを中心に、実行する若者やそのスポンサーなど、詐欺グループの組織について詳述したノンフィクション。

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著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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