- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801302488
感想・レビュー・書評
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エロ目線や興味本位のルポではなく、とてもまじめなノンフィクションという感じ。
私自身、はじめて渡鹿野島(売春島)を知りましたが、なかなか黒いというか、欲望渦巻く島だったんだなぁと思いました。
島民全員が何らかの形で売春に関わり、元警察官が置屋の主人になったり...驚くような事が書かれていました。どうしてそこが「売春島」になったのか、どのように衰退していったのかも、しっかりと書かれていました。
たくさんの人にインタビューしているのですが、登場人物や時系列がもう少し分かりやすいともっと読みやすいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この島のことは、女性フリーライターが失踪したことで知っていたので、ルポが出ると聞き大いに期待したものの、おもしろくなかった。同時に読み進めた、青木理の『誘蛾灯』にくらべると、引き込まれない。ただ、この著者が誠実な人であることはわかった。
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大人のテーマパークを歴史を基に紐解いてくれ、分かりやすかった、もうこんな場所ができることはないんだろうな
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うーん…島の存在は何となく知ってたくらいだから(子どものころに実は行ったことあるらしい)、それが実際にはどんな風だったのか、どう成り立ったのか見たいな話は興味深かった。ただ冒頭に出てくるタイプの扇情的な話が先に入ってしまっていたので”実際の姿を誇張せずに、きちんと裏を取って書こう。”とした作者さんの誠実な姿勢が逆に自分のような興味本位の読み手にはちょっと読みにくさにもつながってしまった部分も無くはない。煽る必要はないけれど、もう少し読みやすい構成とか書き方はあったかな、と。
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センセーショナルなことが書いてあると思ったけど、そうでもなく、歴史や伝聞を書いてある。こんな島もあったんだなぁという感じで興味深かった。
女が売春で稼いだ金を明るく送金しているのが理解できないがちょっと面白かった。やたら前向きなので。 -
全く売春に賛同する気はないが、経緯やシステムは面白く読めた
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三重県の志摩市の近傍の内湾に浮かぶ小さな渡鹿野島。一見何の変哲もないさびれたこの島はかつて”売春島”と呼ばれ、長年に渡り借金のカタに売り飛ばされた女性らによる売春が島で最大の経済として成立していたという。
なぜこの小さな島でここまでの売春が行われるようになったかのを謎を解くために、歴史を紐解きながら描き出されるノンフィクション。特に驚かされるのは女性らが借金のカタとして人身売買される具体のプロセスである。
そこには目立った基幹産業がなく小さな離島であるがゆえに警察の目が手薄になる特性を生かして、売春宿を運営する経営者、そこに女性を送り込むことで金を巻き上げるヤクザたち、そして売春が盛んとなることで結果的にその経済の恩恵を受ける地域住民というトライアングルの依存関係があった。イリーガルな経済というものはこのように成立するという一つの見本が優れたノンフィクション作品。 -
2018年夏に伊勢参りに家族で行った我が家は、宿はエクスペディアで出てきた宿に泊まった。渡し舟で渡った先の小さな島のホテルにチェックインした俺は、夕暮れまでの数時間を島の中をジョギングで走り回った。海沿い道を行くと廃墟のホテル。その奥の防波堤の奥から山に登った先に誰もいない高台の荒れ果てた公園。そして不思議だったのは、島の真ん中の丘から街に続く尾根伝いの坂道にアパートや別荘が立ちならんでいるのに、それが全て無人で廃屋になりかけていたのだ。
飯はうまく、夕陽がきれいで、温泉も悪くない。その島がかつては売春島として一世風靡をした島だと知ったのは1週間以上たってから。
本書は、その渡鹿野島の勃興と凋落を関係者に訪ね歩いたルポ。取材の会話をそのまま再現するスタイルなので冗長だが、島の歴史を知る人たちの言葉は、昭和〜平成のバブル日本を象徴していて面白い。
そして、潰れた置屋やホテルを競売で入手した現在のオーナー達への取材では、租税当局による異常な課税措置の話も興味深い。
事実は小説より奇なり。
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“売春島”と呼ばれる三重県の離島、渡鹿野島。島民全ての生活が売春で成り立っているとされる現代ニッポンの桃源郷が、今、消えようとしている。島が凋落した全貌と、売春の実態や人身売買タブーに迫る。
バブル崩壊とともに衰退したというが、こんな島が現代の日本に割と最近まで存在していたことにまず驚いた。時系列がゴチャゴチャしている上、仮名や伏字が多く読みづらいけれど、著者が一生懸命取材したということはよくわかる。
(Ⅽ) -
三重県志摩市にある小さな島渡鹿野島.昔から売春島として名を馳せたこの島は今は凋落して以前の繁栄は見る影もなくなっている.クリーン作戦が行われ観光地として再出発を図っているが厳しそうだ.風俗ルポライターである著者がなんども島に渡り聞き込み調査をしている経過が綴られる.