▼あらすじ
一流企業に転職し、新天地へ希望を馳せるサラリーマンの高羽。
だが入社早々、直属の上司である烏丸の秘密“人を惑わし、劣情を煽る特異体質"を知ることに。
烏丸は自らの体を武器に、大企業のキャリアの地位におさまっていたのだった…。
今宵も股を開き、サカる男たちを受け入れる姿に嫌悪感を覚える高羽だったが
からかうように、烏丸の標的は高羽へ――?
俊傑・楔ケリが描く凄艶のオメガバース!
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買ったっきりしばらく積みっぱなしだったのですが、最近続編が出たのでこの機会にと思い読みました。
楔ケリ先生の作品は、制服をまとえば〜が個人的にあまりハマれず、実はこの作品もそれほど期待していなかったのですが、いざ読み始めたら「あれ?これは結構面白いんじゃないか?」と。
最後に短編が収録されているのですが、本編がたっぷりページ数を使ってる為、読み応えの方は抜群で大変満足度の高い作品でした。
もしかしたら、最近読んだオメガバース作品の中では一番良かったかもしれません。
まずキャラクターが良かったですね。
自分の体を躊躇いなく武器にしてαと同等のキャリアに収まるα嫌いな烏丸(Ω)と、過去のトラウマが原因で実はΩ嫌いな部下、高羽(α)。
どちらもシリアスな背景を背負っていて、二人の過去についても作中できちんと描かれている為、烏丸がαを嫌いαに期待しないのも、高羽がΩという性を嫌って心の中で見下すのも大いに納得出来ましたし、何より一見相性の悪そうな二人が徐々に心を通わせていく様子が丁寧に描かれている為、ストーリーについても途中で引っ掛かる事なく最後までしっかり楽しめました。
強いて言うならモブ姦があまり好きではないので、烏丸が他の男にヤられまくってる姿を見るのは少々辛いものがあったのですが、それ以上にストーリーが面白かったので何とか我慢出来た感じです。
凄くエロが濃いお話でしたが、ただエロいだけじゃなくてストーリーが最初から最後までしっかりしていて厚みがあるので、エロが好きな方は勿論、ストーリー重視派の方もかなり楽しめる作品なんじゃないかと思います。
特に烏丸の元カレが出て来からの展開などハラハラしっぱなしで落ち着かなかったんですが、紆余曲折を経て結ばれた後の展開はあまあまで高羽が烏丸の項を噛むシーンはこれぞオメガバースの醍醐味!って感じでかなりグッと来ました。
個人的には烏丸より高羽の方が好きで、一見軽そうに見えるけど発情した烏丸に誘われても流されない意思の強さや、男らしい面など話が進むにつれて素敵だなと思う部分が多くなっていき、好感度が高いキャラでした。(何よりビジュアルが好みです笑)
絵も綺麗ですし、今まで読んできたオメガバース作品の中では間違いなく上位にランクインする面白さだったので、スピンオフも買って読んでみようと思いました。(高羽×烏丸のエピソードも収録されているようですし!)
余談ですが、帯のQRコードを読み取ってミニゲームをクリアすると本編後のオマケ漫画が読めるらしかったので試しに挑戦したのですが、当たり判定がガバガバ過ぎてクリアするのにかなり苦戦しました(笑)
あれ一発でクリア出来る人居ないんじゃないかな…。
作品自体に不満はないものの、もう少しクリアしやすいミニゲームだったらとそこだけ少し不満に思いました(^^;)