小川洋子のつくり方

制作 : 田畑書店編集部 
  • 田畑書店
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本棚登録 : 251
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803803860

作品紹介・あらすじ

世界に認められる小川洋子の文学はどのようにつくられてきたか――全米図書賞、ブッカー賞国際部門など世界的に権威のある賞の最終候補に軒並み上がる小川洋子の文学。
海外での小川文学の受容のされ方から、デビューから三十年以上にわたる創作の秘密と、その全貌を紹介する。
また、巻頭には昨年8月にニューヨーク・タイムズ誌に掲載されたエッセイ、ヒロシマ・ナガサキ、オリンピックなど今の日本にとって重要なテーマを名文で描いた「死者の声を運ぶ小舟」を原文+英語訳で収録する。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉にできないもやもやした思いを感じて、
    だけど言葉にすると陳腐に響いて切実さが表現できないことはよくある。
    言葉の可能性を感じながらも言葉の限界も感じる。
    どれにも当てはまらないこの思いが、
    たくさんの言葉を費やす小説に寄り添ってもらえることがある。
    小説家が覚悟を持って描く小説が救いになる。
    小川洋子の言葉には一貫性があって強い覚悟を感じ、信頼して読み進めることが出来る。
    まだ読んでいない小川洋子の作品があることを幸せに感じる。

  • 創作というものに興味がある人、そしてそれがとても大きな壁のように思えて尻込みしている人には、小川さんの作品(小説だけでなく)を読んでほしい。はっとさせられるような考えが知れるのに、そんなことも知らないのかというような暴力的な気付きではなく、優しく落ちてくるように感じる。小説という分野でなくても、稀有な言葉を語られる方。小川さんが非常に優秀な“観察者”だからこそ、そうした言葉が生まれるのだろうということが、この本を読むとよくわかる。
    借りた本だけれど、手元に起きたくてAmazonでポチりました。

  • 小説のつくられ方、なんだけれど。
    でてくるものなんだな、というのが妙に説得力があった。

  • 小川洋子さんの作品にうっとりしている私にコメントを下さったかたがお勧めしてくださった本。ありがとうございます。初めて図書館の相互貸借制度を利用して、何故だかちょっと緊張しながら読む。まず小川さんは世界的にファンがいるという事実に驚き!自分は関係ないのに何故か誇らしい。デビュー作から2022年の最新作まで全作品の解説がまた素晴らしく読書欲を掻き立てます。好き好き言いながらも読んだことのない本がたくさんあることを恥じる一方で、私を待っていてくれてる小川さんの本がたくさんあることにすごい幸せを感じました。

  • 蔦屋書店でピックアップされていて、この本の存在を知った。
    わたしは中学生の頃からずっと変わらず小川洋子さんの作品が大好きなのだけど、この唯一無二な世界観はこういうふうに生まれてるのかという舞台裏が垣間見られて、とても興味深かった。
    小さい声しか出せない人や世間から弾き飛ばされてしまった人々の声なき声に耳を澄ませるという姿勢や、自分の手の中にあるものを繰り返し磨いていくという創作の在り方、国や時代を超越した普遍性等々、自分の中の「なんか好き」の理由が紐解かれた感じ。
    全作品解説も良かった。昔の本をまた読み直したくなったし、まだ読んでいない本も何冊かあったので先の楽しみができた。

  • 囲まれた場所
    場所が浮かんでそこからそのまま描写
    人物は後から出てくるけど、顔などはぼやけていたりする
    じっと待って、場所が浮かんでくるのを待つ
    そしていろんなものが動いていくのを待ち、見えたものを書いていく。

    小川洋子さんがどのように書いていくのかが、なんとなくわかったけれど、この書き方は芸術的作家という感じがする。

  • 「作家は観察者でしかない」

    全世界の人々に小川洋子の作品が受け入れられるのは、そこに「嘘」がないからだろう。

  • 小川洋子さんの作品は、自分に合っているので、すーっと入ってきて、一度読んだだけでは内容を忘れてしまう。特に、昔読んだものに関しては、2度以上読んでいるはずのものでも、時に、記憶が薄れている。
    でもそれは、奥深く眠っているだけで、また読み返せば戻ってくる。
    この本を読むと、久しぶりに初期作品から順番に読み直したくなった。

  • この人は、本当にすごい人だなあ。と、思い、ワクワクした。
    構成としては、最初のが最後に来た方が良いように思う。

  • 作家の内側を覗くの好き〜

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