國弘流英語の話しかた

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  • TTJ・たちばな出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813311843

作品紹介・あらすじ

同時通訳の神様が英語の極意を余すところなく伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 英語英語と世間では言われてますが、果たしてメソッドはどうなのだろうと思う人に勧めたいです。

    本書で提示している”学び方”はごくシンプルで、「平易な英文を繰り返し音読すること」。

    英語は、覚えた限りしか読んだり書いたりできません。なので、模範となる文章を体になじませてしまおうということです。

    要するに堅実なやり方で習得するのがいいんだよ、ということを教えてくれます。

    他にもお弟子さんの清水かつぞーさん(ピーナッツ英単語の著者)の実績などを使って英語学習の疑問点を解消しています。

    スピードラーニングの前世みたいなのについても載ってました(若き日の蓮舫さんがチャレンジしたとは・・・)。

    千野栄一さんの「外国語上達法」とロンブカトーの「私の外国語習得法」に次いで、英語部門ならこれ一冊読めばいいと思います。

  • 森沢洋介氏の『英語上達完全マップ』(ベレ出版)の中で、はじめて"只管朗読"という言葉に出会いました。
    「ただひたすら朗読しなさい」、という意味のこの学習法を説いたのは、本書の著者であり、"同時通訳の神様"として知られた国弘正雄氏です。

    本書は只管朗読をはじめ、国弘氏ご自身が英語を習得されたメソッドです。
    中学英語のテキストを数百回以上、繰り返し繰り返し音読すること。
    地道な反復練習を繰り返すことが、きちんと身になっていくのだと確かめることができました。

    なかなか上達の実感が得られずに不安になることもあるのですが、本書は地道な訓練は決して無駄になることはないと背中を押してくれます。
    そして、今までの自分では言えなかったような表現が口をついて出たときの喜びは、さらにがんばる力を与えてくれます。
    もしまた不安になったら、本書の第4部「日本と世界と英語編」を読み返そうと思います。
    「細心かつ大胆に」という国弘氏愛用の言葉を胸に、より英語表現の引き出しを増やしていきたいです。

  • 著者の言いたいことは、一言、

    「音読を主軸に置いた学習こそ、語学学習の王道である」です。

    これほど、語学学習を行うにあたって、的を得た言葉は、なかなかありません。
    ただ、多くの人は、音読をそこまでしっかりやりません。

    理由は、面倒だからに尽きます。
    音読が語学学習にとって、とても重要なメソッドであることは、
    少なくない学習者はしっています。

    では、毎日20分なり、1時間なり、音読の練習をすることができるだろうか?
    恐らく100人挑戦して、3か月後に、続けられている人は、
    10人も満たないように感じます。

    語学学習を行うにあたって、一番の難関は、学習の飽きをどういう克服するかに尽きます。
    語学は一種スポーツに似ています。スポーツを上達するためには、
    どうすればいいかという問いと、語学を上達させるためには、どうすればいいか?は、
    その問いの性質は非常によく似ています。

    答えは、適切な練習を、適切な回数行うことです。
    しかし、これが非常に難しい。これを補う要素として、つまり、
    語学学習の飽きを克服する上で、ビジネスが存在しています。

    語学教室に、駅前語学学校、短期留学、様々な魅力的な参考書、
    語学をマスターした人の学習履歴本などです。
    これらは、日本では巨大な産業として存在しています。

    ただ、語学の飽きを埋めてくれるサービスは、
    あまり、本人の語学力の向上に、
    貢献していないかもしれません。
    それは、スポーツの上達と同じで、自分自ら、
    主体的に、適切な練習を適切な回数行っていないからでしょう。

    國弘先生は、只管音読というメソッドを推奨していますが、
    これは、自分が理解できる英文を、すらすら口から自動的に出てくるまで、
    数百回行う音読のメソッドです。

    10回、20回ではなく、数百回です。
    ただ、これを行うには、やはり大事なことがあります。

    それは、学習目的です。
    自分が、なぜ、その語学を学びたいのか、その確固として動機が必要になります。
    英語がしゃべれるとなんかカッコいいでも全然かまいません、
    英語がしゃべれるようになって、キャリアUPでも構いません、
    ただ、やはり切実な動機であればあるほど、効果です。

    学習の目的と動機が、語学学習のエンジンになります。
    國分先生の場合は、やはり戦後の貧しい時代に経験したアメリカの豊かさへの
    あこがれでしょう。
    これが國分先生の英語に対するモチベーションになりました。

    目的と動機が決まったら、次は何か。
    それは、自分が期待する語学能力は何かを考え続けることです。

    ネイティブと同じペラペラになることは、残念ながら、成人以降に勉強した学習が、
    その域に達するのは、至難わざです。

    身に着ける語学能力といっても、千差万別です。
    海外旅行でバスやタクシー、買い物で困らないだけの語学能力なのか、
    貿易関係の仕事で困らないだけの語学能力なのか、
    その能力を考えるだけでも、単語数から、身に着ける語句の運用能力まで、
    千差万別です。

    次に大事なことは、自分が学ぶ言語の文化背景知識への興味です。
    言語と文化は、切っても切り離せません。言語は、歴史そのものだからです。
    自分が学びたい言語が話されている地域、国の文化背景の知識がどうしも必要になります。

    その文化に、自分が興味があるのか?あるのなら、どういうことに興味があるのか?
    これは、語学を上達する上では、避けることのできない多読のモチベーションの源泉になります。
    なので、この言語を学ぶと文化を知るというのは、
    語学学習をする上で、最も大事なことの一つです。
    「話せるだけでいいや」では済まされない問題です。

    そして、適切な訓練です。
    基本は毎日、どれくらい集中して、いつ、どこで、どれぐらい行えるのか、
    これも考え、実行することは大事です。なぜなら、
    語学の訓練の場合、ダラダラした練習は、時間の無駄だからです。

    決まった時間、決まった場所で、集中して、決まった適切な訓練を行うことが大事です。
    これを知らないばっかりに、どれだけの人が時間を無駄にしていることか。
    ダラダラ単語を暗記し、ダラダラ音読を長期間行っても、
    無駄とは言いませんが、はっきりとした効果を得られることは難しいでしょう。

    最後に自分が使用するテキストの選定です。
    この点、日本という環境は、相当恵まれています。
    非常に質のよい参考書がゴマンとあります。
    また、評価もネットを見れば、詳しくしることができます。

    参考書を選ぶ時も、自分が、どういう語学のどういう能力を上げたいかによって、異なります。
    個人的には、参考書は少いほど、良いと思います。
    よく、参考書、学習方法マニアがいますが、その本の数と並行して、実力が伴っていません。

    こういうタイプは、学習目的や動機があいまいで、どういう語学能力を得たいのか、
    自分でもよくわかっておらず、学習したい言語の文化もあまり興味がなく、毎日適当に時間をつかって、
    たまに語学の勉強を一生懸命行うタイプです。正直、人生の時間を無駄にしています。

    最後に語学学習には、終わりというものがありません。一生続けていく類のものです。
    適切の練習を一生です。これが、できる人は、本当に少ないと思います。
    なぜなら、キャリアアップや、会社で必要だから、なんとなくカッコいいからでは、
    「続けることはできない」からです。続けるには、飽くなき語学への興味、
    つまり文化への興味だったり、自分が語学を上達していく過程で味わう喜びが、
    その一生を続けていく担保になるからです。

    長くなりましたが、少しでも多くの人が、國弘先生のように、
    長きにわたって、語学を愛する人が増えることを期待しています。

  • ・一度しっかりと意味を理解している英文を音読しまくる。
    ・一つの単語についてしっかりとした理解をしたかったら、その単語が使われている例文を集めてみて、どんなふうにつかわれるのか状況を知る。んで、それを音読しまくる。
    ・英文法も、理解して終わりではなく、理解した文を音読して自分の中に溶かしこむ。


    とても勉強になりました。
    音読学習をいましているので、意欲も上がりました:)

  • 現在の英語力(留学無しでTOEIC900超え)の基となっている本です。簡単に英語が身に着く魔法なんてない。野球選手がホームランを打つためにはたくさんの素振りをするしかない。その"素振り"の仕方と、英語を勉強する心構えを教えてくれます。全ての国内英語勉強者に捧げたい一冊。

  • 同時通訳の神様と呼ばれる国弘先生の著書。

    すでに英語が苦手だった高校時代に、ふと手に取り、そして深く感動した本を再読してみた。

    まず英語の習得のためには、低努力で「自然に」英語が出来るようになるというような教材は眉唾物であり、地道で継続した多大なる努力が必要であるということをご自分の経験を引いてお書きになっているのだが、これがまたすごい説得力を持っている。
    確かに先生は英語のプロであり、一般人である私たちが先生ほどの努力を英語に集中させるということは難しいだろう。しかし、これまでの自分の語学勉強に対する取り組みに大いなる反省をするには十分である。(私は高校のときも反省し、そして再読しながらまた反省してしまった。成長がない・・・)
    しかしそれでいて、愚直な、まさに愚公山を移す、のような勉強方法を行うことによって英語力を伸ばすことができるという話は、当たり前のことのように思われるが非常な説得力と、また希望をもたらしてくれる。

    いわゆる学校の英語の授業や入試の英語の点数をあげるための勉強としては明らかに不適切、というか合っていないけれど本当に英語ができるようになるためには一度この本の勉強法を実行してみる価値はあると思う。

    この本に載せられている参考文献の多くは、現在は絶版になったようなものが多く、内容自体も昔のものであるが、この説得力と英語に対する執念は今に通じると思う。

  • 忍耐力と自立心

  • 人間は何の努力もなく歩けるようになるけど英語はそうはいかない、て感じのことが最初のほうに出てきて、そうか??となった。歩くのも練習が必要。甥っ子見てたらわかる。
    てそんなことはどうでもよくて、只管朗読という先生のおすすめ勉強法には納得するし、英語をものにするための方法を伝授する熱意にあふれた良い本だと思う。けど、著者の先生ご自身が表紙になっているのが装丁としていただけなくて…読む気が失せてしまった。半分くらい未読。

  • 英語

  • 本質は同じ。

    ・精読→只管朗読→多読
    ・只管朗読と活用自在の間
    主題
    概念
    文法
    単語
    各レベルを意識的に訓練。

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著者プロフィール

1930~1924年。東京生まれ。同時通訳者、翻訳家、元日本社会党参議院議員。ハワイ大学卒業、中央大学講師を経て東京国際大学教授、英国エディンバラ大学特任客員教授などを歴任した。「同時通訳の神様」として知られ、のちに政界入りした。著訳書多数。

「2019年 『ザ・ジャパニーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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