ポスト構造主義: 図解雑学 絵と文章でわかりやすい!

著者 :
  • ナツメ社
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本棚登録 : 95
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816340444

作品紹介・あらすじ

ポスト構造主義とポストモダン。今なお続く混乱と疑惑と誤解のなかにあるこの思想を、机上の論ではなく実践という断面からバッサリと斬って見せます。本書ならではのわかりやすさです。

感想・レビュー・書評

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  • 目からうろこ、名言のオンパレードだ
    -------
    P39
    生物は生きること自体が目的である
      ↓
    そのためには、世界の現状を自らの図式に当てはめなくてはならない
      ↓
    しかし実際はこれとは反対の道を辿っている
      ↓
    つまり、
    世界のその外に理想を仰ぎ、生きている現実と関係のない道徳で
    自らを縛ろうとしてきた

    P39
    動物は生きるために外界の状態を把握する。
    しかしその把握とは正確な事実を知ることではない。
    その生物が必要なことがわかれば良いのである

    P40
    人間の理念と人間の実態のズレに注目したフロイトの考えは、
    理念によって自己を律する人間という近代的人間像を打ち砕くものだった

    P40
    ある種の精神の病は、人間という理念に対する拒否である

    P41
    「私はこのようにしたい」という意識は、
    自分が「このようにしたい」と思っているだろうと思っている偏見のひとつにすぎない

    P49
    自然から逸脱したヒトという生物は
    生きるために必要なことだけをしているわけではない

    P49
    不要なものを作っては、わざわざ捨てている

    P50
    (レヴィ=ストロースの指摘は)
    ロボットが自分がロボットだと気付いた時のような衝撃だった

    P53
    言語は人間という場を利用して、勝手に活動しているだけなのである

    P52
    言語を用いて人間が考えているのではない。
    言語こそが考えるのである  ※

    P94
    女らしい言葉で政治や科学を語ることは、ほとんど不可能

    P114
    「昨日の私たちは、もう昨日の私たちではない」(アンリ・ベルクソン)

    P124
    私たちにとっての「現実」とは社会で共有されたひとつの物語である

    P125
    現実のごっこ遊びは生活の基盤からあまりにも離れてしまった

    P125
    人はもはや経験された事実ではなく、まったくのフィクションのなかをあ生き、
    「もの」ではなく「象徴」だけを交換しているのである

    P140
    男女の協力とは何かを隠すための装置である可能性がある

    P140
    政治とは突き詰めて言えば利害の調整

    P144
    自然だと思われているものごとは実は制度である ※

    P146
    男と女という対比は文化と自然という対比と重ねて考えられてきた ※
    P38
    理性は本来生きるための手段だったのに
    理性自体を目的としてしまう本末転倒がある

  • 本を読んでる時はわかったつもりになっていても、後で
    考えると頭に何も入ってない。構造主義の本も読後にそんな
    感想を覚えることが多い。というわけで二冊並んでいるのを
    見てつい借りてしまった図解雑学。構造主義、ポスト構造
    主義を俯瞰する手がかりとしては悪くないと思う。が、
    やっぱり読後には今ひとつ腑に落ちてない感じが残った。
    ポスト構造主義という思想、運動がいまだに継続中で、この
    今現在においても動いているその最中だから、というのも
    要因かも知れない。もちろんこの二冊を読んでわかっている
    気になっていてはいけないのだろうが。

  • 難解な哲学の入門書として書かれたものは間違いないのだけれど、この手の本は、分かりやすくしようとして見開き2ページぐらいで1テーマを扱うと、逆にわかりにくくなる傾向があるような気がする。やっぱり、こういった哲学を解説するには、それなりの分量がなければ難しいということなのかもしれない。

  • 12月29日読了。ポスト構造主義・ポストモダンを図解つきでやさしく解説してくれる本。「図解雑学 構造主義」という本の続編なのだとか。ポスト構造主義を理解するためには構造主義、近代哲学、マルクス主義への理解も不可欠ということでそこらあたりにも結構ページが割かれている。近代哲学・構造主義が「現実を超越したところにある思想・構造」として想定したものを「形而上学的」として否定し、変化し続ける現実を肯定する・実践的な思想がポスト構造主義なのだな。学生の頃かじった学問だが、いかに私が表層しか理解していなかったことか・・・。簡単な解説書からでもいいから、今からでも読み進めていきたい。

  • クリステヴァやドゥルーズやガタリやラカンだけでなく
    ジジェクやネグリもちょっと出てる感じ
    絵があっていいけど、これは入門の入門といった様子

  • 現代思想を簡単にまとめているんで、初心者にはトッツキやすいですが、少々説明不足の感も否めませんが・・・・。でも、教養として読むのであればオススメ。

  • レビストロースが構造主義にあらたな地平を造りだしたとき、すでにポスト構造主義が内包されていた。「近代」が生み出した「人」と自然のメビウスの帯の如くからまる関係を、仮に二つに切ったとしても、からまりあったふたつのリングになってしまう。

  • 図解雑学の「サルトル」「構造主義」に続く、現代思想の第三弾だが、前2作に比べると分かりづらく曖昧な表現が目立つ。「構造主義」まで読んで、ポスト構造主義(と括られる)著作は、デリダならデリダ、ドゥルーズならドゥルーズと各論を読み込んだ方がいいのかもしれない。出来は悪くないが、まとめ方に無理がある。

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著者プロフィール

大城信哉(著者): 1959年生まれ。立教大学卒業、同大学院を経て学習院大学大学院人文科学研究科前期課程修了。専門は西洋宗教思想史。日本基督教学会、日本イギリス哲学会会員。沖縄県在住。現在、琉球大学非常勤講師。主な著書に『図解雑学 構造主義』、『あらすじと解説で「聖書」が一気にわかる本』など。

「2013年 『現代人の悩みをすっきり解消する哲学図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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