P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革 ROIC超入門
- 日本能率協会マネジメントセンター (2021年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820729624
作品紹介・あらすじ
ROICとは投下資本利益率のことで、「事業のために投じたお金(投下資本)が企業の儲け(利益)をどのくらい生み出したのか」を効率性の観点から見るための指標です。
ROIC(投下資本利益率) = 利益 ÷ 投下資本
似たような指標にROE(株主資本利益率)やROA(総資産利益率)があります。ROEはバランスシートの右側の株主から調達した資金によって、どのくらい効率的に利益が生み出されているかを測るものであり、株主目線の指標です。一方、ROAは全ての資産でどのくらい効率的に利益が生み出されているかを測る指標で、事業活動に直接関係しない資産も含まれます。ROICはROEやROAと比較すると、少し計算が複雑になりますが、「どのくらい効率的に本業で稼いでいるか」という稼ぐ力をより正確に表すことができます。そこで近年では、ROICを経営の最重要指標として掲げている企業が増えています。
本書は、会計・経理の専門家向けでなく、大手・中堅企業の社員全員(営業・製造・企画・管理・購買…)がROICを理解し、日頃の業務に活用できることを目的とした入門書です。
感想・レビュー・書評
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資本効率を求める経営が昨今求められているが、安易に導入するものではなく導入目的と管理方法を明確にする必要があると感じた。事例を用いてROICを具体的に計算する過程は参考になる。
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「ROICって何?」という方向けに、かなり簡潔かつシンプルに、とはいえ体系的かつ網羅的にROICの役割から計算に至るまで解説されており分かり易い。本書を読んで「いざ実務へ」は難しいものの、ROICとWACCとの関係性や経営管理の変遷過程でのROIC適否にもしっかり話が及んでおり、ROIC初読書としてはなかなかよいかもしれない。
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初心者にもわかりやすく入門書として最適でした。具体的な事例も織り込まれているのでイメージしながら理解が進められました。
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財務諸表はある程度読めるけど、ROEやROAなどはうろ覚え、、、という私のレベルには大変適した内容でした。
ROICの目的や向いてる企業、目標設定の仕方なども記載があり、良い入門書でした。実務者段階までにはまだ知識が必要と思いますが、『知る』段階にはおすすめできるものだと思います -
これ一冊読めばROICが理解でき、ビジネスにおいてROICを意識した発想やその求め方が身に着く。ROICだけで一冊ページ数を埋めるのは難しく、BSなどの基礎的な事にも触れてくれるし、複合事業の場合の応用例なども解説され、分かりやすい。
問題は本著では無い。株主をプリンシパルとする株主資本主義に移行するとして、その必要性を理解せず、何だか機関投資家が金儲けを仕掛けているかのような誤解を生み、更には従業員が蔑ろにされたかのような不信に陥る事だ。この点は、経営側にも功罪の自覚無く、従業員側も恩恵が良く見えない事が原因。世は値上げ、賃上げは足らず、配当は確実に、目標はROICで、という構図では、ステークホルダー同士の利害対立を煽りかねない。
企業が従業員に指標としてのROICを教育する。片方の利益に資するラーニングプロモーションならば、しかりもう片方に恩恵の説明を。 -
タイトルに違わずROICを理解する為の超入門書。丁寧な解説で、これから導入を考えている企業に所属している一般社員の方に適している。
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タイトルのとおり、ROICの超入門。
第一章「まずはROICとは何かを理解しよう」
ではROICとははもちろん、財務3表の解説から始めています。
「はじめに」がとても丁寧に章立ての説明をしているので、普段は本を読まない&経理・財務畑ではない人が、ROICをやむなく勉強するというのに向いていると思われます。
この本を読むべきか悩んだ人は、まず「はじめに」を読むと良いと思います。
本書を読み、もう少し深掘りしたいという時には、昔からの定番章「ROIC経営 稼ぐ力の創造と戦略的対話」(KPMG)に移ると良いのかもしれない。
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名前にふさわしく、入門的な内容で分かりやすかった。ただし後半は計算も入ってくるためすぐには理解ができない。何度も読み返して物にしたい。