小倉昌男 経営学

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822241568

作品紹介・あらすじ

国と闘い、"宅急便"市場を創った男の論理。宅急便で日本の生活を変えたヤマト運輸元社長、小倉昌男。自ら筆を執り、その経営をケーススタディで書き下ろす。生涯唯一の書。

感想・レビュー・書評

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  • 小倉昌男さんの論理が全開。「小倉昌男経営学」という本のタイトルにも納得

  • クロネコヤマト立ち上げの経緯が分かりやすく書かれている。顧客とってより良いサービスを提供するために進むべき方向を定め、大口のお得意様と決別し、行政と戦い、世論も味方につけて進んでいく。

    個人的に心に刺さったのは以下

    7章 サービスとコストの問題
    ・サービスとコストはトレードオフ
    ・サービスが先、利益は後
    →まず良いサービスを提供することに懸命の努力をすれば
     結果として利益は必ずついてくる
     利益のことばかり考えていれば、サービスはほどほどで良いと思うようになり、サービスの差別化などはできない。となると収入も増えない。よって利益はいつまでたっても出ない
     (ただし、これは社長だからいえる言葉・・・)

    経営リーダーの条件
    ・論理的思考
     計画を立案し、目標を決め行動に移す
     期待した結果が出るかどうか、は
     経営者の読みが深いか浅いかにかかっている
     試行錯誤しながら条件を変化させ、微調整しながら計画すれば、そこまで違いなく結果を予測できる
     しかし、重大な決定をする場合には、計画の段階での予測が重要になる。その際は十分に検討しなければならない
    ・時代の風を読む
     企業は社会的な存在であるため、時代の社会変化に強く影響される。経営者は的確に読み取らなければならない
    ・戦略的思考
     戦術:日常の営業活動において競争に勝つための方策
     戦略:経営目標を実現するための長期的な策略
    ・攻めの経営
     需要は作り出すもの。あるものではない。
    ・明るい性格
     謙虚で、ねあか
     他人の人格を尊重し、長所を見つけて認める
    ・高い倫理観
     企業の存在意義:地域社会に対し有用な財やサービスを提供し、住民を多数雇用して生活の基盤を支えること
     企業は地域の人を喜ばす存在であるべき
     人間として大事なもの:真心と思いやり

  • 経営学のレポートを書く際に大変お世話になりました。今まで、運輸業の仕組みやその戦略について疎くて全然知らなかったのですが、小倉さんの努力やこんな企業でありたいという理念が知れて大変勉強になりました。
    今までよりもっとクロネコヤマトが好きになりました。宅急便で積極的に利用していこうと思います。

  • クロネコヤマトの成功の物語。
    小倉さんは、先を読む力がすごい人。
    賛同されない社員もおられたことでしょうが、
    成功したのは凄いことです。
    2023、日本郵便とタッグを組んだのも
    サービスが先、利益は後の精神なんでしょうね。

  • よくあの時代にクロネコ便を確立できたな。
    そんな事を考えながら歴史を振り返れる一冊

  • 社長はこんなに深く自社のビジネスを考えているものなのかと意外だった。

    部下が出した選択肢から選んでいくことが社長の役目だと思ってた。ここまで社長自身が、情報を集めて分析して、自ら手法を見出していくなんて普通じゃないように思う。

    どんなものごとにもメリット、デメリットがあると言う言葉。
    デメリットがない完璧な選択肢があるのではないか、といつも考えてしまうが、そんなものはこの世に無いのだと気付かされた。すべてにメリット、デメリットがあり、リスクを取りながら一つの選択をすることが仕事なのだと思った。リスクを背負う覚悟がないと、人の上には立てないんだろう。

    現場への権限委譲も素晴らしい。計算に掛かる人件費が勿体無いというのも頷ける。
    新しいことをするには、必ず費用対効果を数値で求められる。数字を出すのは本当に大変なのに。絶対やらなきゃいけないことでも、無駄に数字を出させる。それを「無駄だ」と言ってくれる経営者がいたらどんなに頼もしいか。

    自分の引き際をわきまえているところもカッコいい。どんなに優秀な経営者でも、時代の流れには敵わないのだと感じる。絶対的な権力になってしまうと、誰も本音で話せなくなる。長く会社に居座る経営者みんなに考えてもらいたい。というか殆どがこの本を読んでるだろうに、それでも椅子に座り続けるのが何故なのかわからない。


  • 感想
    新たなインフラを創出する。どこに何を届けるか、いつ届けるか。論理的に突き詰めた解を現実に適用する。その難しさは想像を絶する。

  • 第57回アワヒニビブリオバトル「猫」で紹介された本です。チャンプ本。
    2019.10.01

  • ヤマトの経営をするために生まれた男だと思った。ヤマトって私が子供の頃からあって当たり前の存在と化してたけどここまでの企業努力があったなんて。本当に感謝です。
    真っ向から勝負していく姿勢、お客さんのため従業員のために考え続けて行動して色んな出来事があって小説かなって思うくらい濃密だった。
    新聞に出した文面に笑ってしまった。

  • ジェフベゾスもそうだけど、突出した経営者というのは生産性を上げることを徹底的に追求する、そしてサービスが向上すれば利益は後からついてくるという信念がある、細かい計算にとらわれずとにかくやってみる、同業者から徹底的に差別化する。そしてただ単にこの人がカリスマ創業者なのではなく、永続的な組織を作っているというところが日本版ビジョナリーカンパニーだと思う。今までそこになかった新たな業態を作るということがどういうことか、手にとるようにわかる良書。こうやって一つ一つを言語化できるというのは、著者がセンスや情緒ではなくひたすら論理の積み重ねによって経営をしたということの何よりの証左だと思う。
    99年の時点で、インターネットの普及により新たな宅急便需要が創出されることや、全国100%の地域に張り巡らせた宅急便のネットワークが絶大な威力を発揮することを断言しているが、それがまさに東日本大震災やパンデミックで現実のものとなっている、その論理的先見性が見事。

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