日本人はどう住まうべきか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248895

感想・レビュー・書評

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  • 都市集中、過疎、自然喪失、高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せなのか。世界や歴史の様々な事例を挙げながらその答えを探る。『日経ビジネスオンライン』連載に加筆・修正して書籍化。
    (出版社HPより)

    ★☆工学分館の所蔵はこちら→
    https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21871323

  • 「だましだまし」に生き抜く。「だましだまし」の建築。日本の風土、日本人の生き方に合うのは今よりも少し肩の力を抜いたものなのかもしれない。
    わたしには養老先生と隈さんが想像する社会がとても魅力的に感じた。

  • 日本の住まいはだましだましで良い
    田舎と都会の参勤交代制のすすめ

  • いちばん印象に残ったのは、岡山の限界集落の話。「NHKの番組で岡山の高齢者だけの限界集落を取り上げていたのね。75歳以上の人だけが住んでいる集落が、岡山には720ほどあるそうなんです。…それで俺が思うには、限界集落が720もあるということは、そこがいかに住みやすいよい場所か、ということですね。…限界集落とか言って問題視する前に、どうしてそういう生き方こそ奨励しないのかね、と思って。」

    東日本大震災後、1年以内に書かれた日経ビジネス連載のまとめなので、端々に生き方や暮らし方の再考が提言されている。コロナ禍の現状に置き換えても違和感がないので、本質的な議論がなされていたのだと感じる。暮らしを歴史的・政治的・経済的・機能的・国際的・精神的に捉えた秀逸な対談本。

  • 栄光学園出身の2人が、現場主義、もしくは身体性といったことを基本にしながら、都市、建築、そして住まい方について論じる。
    東日本大震災の後の対談だったようだが、水害が頻発する今読むと、大事なのは建物ではなく、立地であることなど、メッセージがより際立つ。
    マイホームがファンタジーであるとの言い切り、だましだまし賃貸に住むことなど、励まされる。
    今後の住まいを考える出発点になる一冊。

  • ・大御所二人の対談だが、思ったよりくだけた内容。学術的なものではない。
    ・隈さんが養老さんに気を使っている雰囲気が随所にあり。予定調和すぎてつまらなくなっている。
    ・全編「だましだまし」という共通のテーマで流れを作っている。
    ・隈さんはコルビュジエを批判しているような口調だったが、最後に海にちかい小さな小屋に住み、溺死したことに共感していたのはどうなのだろう?

  • 日本のサラリーマン的な非合理性あるある、合成の誤謬などを2人がトーク。
    軽めの雑談。
    ・建築学会は津波の心配をしていなかった。計算できないリスクはないことにするという悪癖のせい。
    ・コンクリート建築をつくりたがるのは計算しやすいから。木造は計算が難しい、経験則の世界。
    ・大きなものを回せば雇用が確保できるというシステムが個人も会社も社会をも飲み込んでしまった。
    ・2人はイエズス会系高校の先輩後輩。

  • コンクリートのマンションの小綺麗な部屋に住まわせ、時間や規則の拘束などにガチガチに縛り付けるように、小学生の息子を育てています。どのエピソードも納得なのですが、頭が痛いです。。。
    本当にいつから日本はこんな窮屈な世間になってしまったんだろうと思いながら、そのスタイルから抜けられないー

    隈健吾さんの考え方については非常に共感できますね。私たちは大手ゼネコンより、地域や自然、未来的な思考ができる方を応援したいです。

  • 軽快な対談なので非常に読み易い

  •  昨日、日テレ系で「アナザースカイ」と言う番組で著者の一人、隈研吾が出ていた。中国での様子を映していたが、何が起こるかわからないまさに「ワンダーランド」中国だけに現場に行って見ないと分からないことだらけと言っていた。



     「バカの壁」などの著者で有名な養老孟司との対談を収めたのが今回の本。今から約5年前の本だが、今読んでも面白い。



     津波に対してノーマークだったと会い、びっくりした。耐震設計に対して日本建築学会は研究がなされていたが、津波に関しては部会すらなかったそうだ。「前提条件を基にするのが理系で、前提を変えるのを嫌うのが理科系の人間」と養老が述べている。「想定外」と言う言葉が盛んに言われたが、発想を転換すれば出てくることもあるので想定外では済まない。余談だが、トランプ当選をメディアが外していたのもトランプは泡沫候補者で当選はしないという前提(あるいは妄想)を過信していたのだろうか。



     今の日本の建築は、規則だらけで建築家からするとやりにくい。いろいろな規制当局があり、大変だ。養老は、日本では「世間」、暗黙の了解がコントロールの主体と述べている。



     今のマンションはサラリーマン化した設計者が作るので画一化していくようだ。そして、マンションの販売する人は意外なことにマンションではなく、「普通の家に住んでいるそうだ。その理由を聞いたら、何かあったときに飛び降りられない家には住めないと述べた。



     建築を通して見えてくる日本の問題。結構、根が深いなあ。


     
    http://www.ntv.co.jp/anothersky/contents/2017/01/post-1888.html

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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