- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822248895
作品紹介・あらすじ
都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。
感想・レビュー・書評
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茅葺の家はコストがかかる
だが自給自足地産地消が最先端詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
対談なので、まとまった形ではないが20世紀型ともいえる建築の動きを端的に指摘していて何も知らないものとしてはなるほどと思う。
産業革命や石油依存生活と建築のかかわりは面白いし、相変わらず同じ路線を続ける日本に危機感を感じるのもよくわかる。
建築に限らず、20世紀の宿題ともいうべき問題の指摘は鋭い。
一方で解決策となるとなぜか懐古的になるのが、ちょっと残念ではある。
軽い感じで読めて、意外なほど色々指摘があって面白い本であると思う。 -
都市集中、過疎、自然喪失、高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せなのか。世界や歴史の様々な事例を挙げながらその答えを探る。『日経ビジネスオンライン』連載に加筆・修正して書籍化。
(出版社HPより)
★☆工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21871323 -
所々の知識に興味を引かれる部分はあったが、話している人間がわたしと世代が違うので、見ている景色が違いすぎる。
建築の指揮権が現場から本社に集中したことや、道路をあちこち舗装してまわり土の道がないことを批判していたが、そうなるにはそうなるなりの合理性があっただろうに「どうかしている」「昔はそうじゃなかった」とのみ言い捨てるのは納得いかなかった。
結局人間誰しもが幼少期に経験したことを価値基準の中心に据えてしか生きられない、その業に自覚的であってほしい。
全体的に通底する思想が相容れなかった。 -
「だましだまし」に生き抜く。「だましだまし」の建築。日本の風土、日本人の生き方に合うのは今よりも少し肩の力を抜いたものなのかもしれない。
わたしには養老先生と隈さんが想像する社会がとても魅力的に感じた。
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日本の住まいはだましだましで良い
田舎と都会の参勤交代制のすすめ -
いちばん印象に残ったのは、岡山の限界集落の話。「NHKの番組で岡山の高齢者だけの限界集落を取り上げていたのね。75歳以上の人だけが住んでいる集落が、岡山には720ほどあるそうなんです。…それで俺が思うには、限界集落が720もあるということは、そこがいかに住みやすいよい場所か、ということですね。…限界集落とか言って問題視する前に、どうしてそういう生き方こそ奨励しないのかね、と思って。」
東日本大震災後、1年以内に書かれた日経ビジネス連載のまとめなので、端々に生き方や暮らし方の再考が提言されている。コロナ禍の現状に置き換えても違和感がないので、本質的な議論がなされていたのだと感じる。暮らしを歴史的・政治的・経済的・機能的・国際的・精神的に捉えた秀逸な対談本。 -
栄光学園出身の2人が、現場主義、もしくは身体性といったことを基本にしながら、都市、建築、そして住まい方について論じる。
東日本大震災の後の対談だったようだが、水害が頻発する今読むと、大事なのは建物ではなく、立地であることなど、メッセージがより際立つ。
マイホームがファンタジーであるとの言い切り、だましだまし賃貸に住むことなど、励まされる。
今後の住まいを考える出発点になる一冊。 -
・大御所二人の対談だが、思ったよりくだけた内容。学術的なものではない。
・隈さんが養老さんに気を使っている雰囲気が随所にあり。予定調和すぎてつまらなくなっている。
・全編「だましだまし」という共通のテーマで流れを作っている。
・隈さんはコルビュジエを批判しているような口調だったが、最後に海にちかい小さな小屋に住み、溺死したことに共感していたのはどうなのだろう? -
日本のサラリーマン的な非合理性あるある、合成の誤謬などを2人がトーク。
軽めの雑談。
・建築学会は津波の心配をしていなかった。計算できないリスクはないことにするという悪癖のせい。
・コンクリート建築をつくりたがるのは計算しやすいから。木造は計算が難しい、経験則の世界。
・大きなものを回せば雇用が確保できるというシステムが個人も会社も社会をも飲み込んでしまった。
・2人はイエズス会系高校の先輩後輩。