日本人はどう住まうべきか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248895

感想・レビュー・書評

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  • 最適解を足していくと「合成の誤謬」というやつが乗じますよね 自然災害の少なさ、規模の小ささは、自然への畏怖の勘定を失わせ、人間を傲慢にする。現場主義を衰退させる 忘れてならないことが一つある。現場主義の大前提は夢が存在することである 

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784822248895

  • 隈さんを知ったのは何だったかな?
    何かのTVなのは確か…で、養老先生との対談本だから、即買いしてやっと読み終えた。

    だましだましやる…またしても名言だ! もう一つ、人は適応力が優れてあるから悪い環境でも適応してすぐ馴染んでしまう。

    勉強になりました。

  • どの場所に対してもカンペキな建築というのは、そもそもムリ。だからと言って諦めるのではなくて施主とデベロッパーがアイデアを出しながら納得できるものを建てることは可能。しかし今の分業制の建築方法では、責任の所在がどこにあるのか不透明で誰が何を求めた建築物なのかがよくわからない。

    (隈)津波から命を守る建築物といったら「地下」シェルター。土地の上の建物で地震にも津波からも逃れられるカンペキなものを求めるから問題が難しくなる。
    だったら「だましだまし」の思想で、とりあえず津波から命を守るために「地下」に逃げ込める設備を作る。津波の表面は波の力が強いけれども、下はわりと弱い。

    ・ユートピア主義→どんな災害にも耐えうる理想的な建物を!

    ・現場主義→「だましだまし」やっていくなかで最適な建物を!

    ユートピア主義+現場主義=最適解

    ・システム問題→あるものを形作る非常に複雑な要素をアタマが無視している。

    (養)システム問題を避けるためには「参勤交代」のような、地方と都市の人間の入れ替わりが必要

  • 「バカの壁」の養老孟司氏と建築家隈健吾氏の対談集です。

    普通のおっさん的風貌の隈氏にはいつも親近感を感じますが、建築家ですので当然建築や都市計画への思考は深く、そこに養老氏の思考と絡まれば、単なる住まいや住み方のテーマから一気に飛躍しそうでなかなかしない感じがとても読みやすかったです。

    隈氏の建築家としての個性があまり出てこないのは養老氏の懐の深さだと感じました。

    大規模建築を独り歩きさせず、人目線から建築を見つめ直す視点は、その前提として、人間的な思考を繰り返してこそ得られるものだと感じました。

    あまり専門的になり過ぎず、難しい言葉も少ないので一気読みできました。

  •  読了。現在の日本の様々な都市で行われている、いわゆるデベロッパーが中心となって次々と建物ができていくルーチンワーク的都市計画に異を唱えながら、「住まう」ということの本質とその本質に対して建物が果たせる意義等を雑談的に話していく本。
     二人に共通しているのは、人間も建物もだましだまし生きていくのが一番自然であるという考え方。これは本当に同意したいけど、一方で近代的な全部準備されて後は住むだけ!と綺麗にカスタマイズされた高層マンションなんかに未練が残ってしまってるあたり、まだまだ自分は俗世の人間だなぁと思うw
     結局そういう余裕感のある生活を維持するには、インスタント的に建てた家やそれらの集合体である即席都市よりも更に多くのお金が必要になってくるので、その辺りのバランスかな、とも思う。自然と家と公共とプライベートと何よりも自分の身体と、様々なものに折り合いをつけていく必要性を感じた。
     組織に属するリーマン的デベロッパーがとりあえずやってみた的な開発で真っ先に思い浮かぶのが、田舎と都市を結ぶ中途半端な国道だな。組織に属するリーマン的デベロッパーがとりあえずやってみた的な開発で真っ先に思い浮かぶのが、田舎と都市を結ぶ中途半端な国道だな。
     そうじゃなくて、皆が自分のふところで工面できる範囲でもうちょっとその街ならではを出して欲しいな。似たり寄ったりのサービスエリアみたいな構造でも、道の駅が並んでいる方がまだその土地に寄与するという点でなんぼかマシだと思うわw

  • 震災後の対談は一部のようだけど、
    震災を経て加筆修正されて問題が鮮明になったようだ。
    考え方、視線の変え方、刺激のたくさんある本。
    建築家は土地の問題から離されている、
    コンクリートは信頼の上に成り立っている建築、
    全国一律で進もうとするところからくる歪み、
    サラリーマン感覚という頭の域を出ない怖さ、
    コンピューターで計算できる形へ修正されていく自分のアイディア、
    etc.etc...
    時間がかかっても、
    個別の事象に現場で体で対応していくことが、
    復興に向けた一番の解決策なのだと思う。

  • きっかけ:日経BP記事。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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