最後のプルチネッラ (Style-F)

著者 :
  • 富士見書房
4.08
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本棚登録 : 285
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829176610

感想・レビュー・書評

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  • またもやいい読書をした。

    『ヘルマフロディテの体温』よりも親しみやすい内容。

    現代編と転生編の絡み合い、
    については早くから簡単に想像できた。
    が、それでも絡み合いが実現した時はすばらしい感動。

    たった二千年でゼロからすべてになった道化が、
    一体何をするのか……。
    こういう視点から、読み直したい。

    登場人物、誰もが悲劇的な要素を備えているのだけれど、
    喜劇を目指す。
    悲劇が喜劇に、喜劇が悲劇に、それぞれ臨界点を突破するとすり替わるのだが、
    そのダイナミックな力をどう描くか。
    パワーの源は、ナポリの街だ。
    街の持つ物語だ。

    そして、「だからおまえがいいんだ」というセリフ。
    同じページに出てくる「黒いスクーター」。
    とてもよいカタルシス。

  • 「おいらは決して忘れない。だからみんな、安心して忘れていいんだ」道化ってなんだか切ない。

  • 「本屋さんで待ち合わせ」で紹介されていて読んでみた本。
    もともと、即興仮面喜劇に興味はあったものの、調べようにどうしたもんかと思ってところだったので個人的には入門書としても読めたので良かったです。結局、詳しいところまではわからなかったけど^^;
    今まで知らなかったイタリアの歴史も知れてとても面白かったです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「本屋さんで待ち合わせ」で紹介」
      だから、小島てるみの新刊に推薦文書いてるんだ!納得。。。
      「「本屋さんで待ち合わせ」で紹介」
      だから、小島てるみの新刊に推薦文書いてるんだ!納得。。。
      2014/03/04
    • maya0u0さん
      推薦文書いてるんですか?逆に知らなかったので、勉強になりました。
      あまり、多くはレビューでは書いてないですが、「本屋さんで待ち合わせ」で紹...
      推薦文書いてるんですか?逆に知らなかったので、勉強になりました。
      あまり、多くはレビューでは書いてないですが、「本屋さんで待ち合わせ」で紹介されていた文章がすごく熱烈だったので、興味をもったのですが、私も言葉で上手く表現できないものの、とても好きな本です。
      2014/09/15
  • 転生を繰り返す道化の物語と最後のプルチネッラを目ざす二人の少年の物語が交互に交差しながら、それ自体が物語の中に取り込まれるような複雑な構成。しかも人物が生き生きとして、舞台となったナポリの一大叙事詩となっている、素晴らしいファンタジーと実話のミックス、脱帽です。特にシャム双生児の悪魔の修道士フラ・ディアボロの挿話が好きです。

  • 同時に発売されたヘルマフロディテとはまた違った毛色の作品なのでしょうか。そう期待して読み始めましたが、結果全然違いました。
    同じ「セイ」を扱うにしてもヘルマフロディテは「性」を。プルチネッラは「生」に重点を置いている。
    性に関して悩み答えを出していくあちらとは、作品としての重さが違います。どちらも重い内容なのですが生を繰り返す道化と道化を演じるために道化の答えを探していく一七歳の少年二人。
    繊細な内容を綺麗にまとめてあります。
    ヘルマフロディテはセクシャルでちょっと受け入れがたいと思った人も、是非こちらにも挑戦してもらいたいです。まだ入り口が広く入り込みやすい内容だと思います。
    どう生きるのか。
    読み終わってから自分のこれからの人生をどう生きたいのか、考えさせられました。
    この作品も絶版なんて信じられないです。こういった作品ほど、多くの人に読んでもらうべきなのに!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この作品も絶版なんて」
      ホント残念です、、、「ヘルマフロディテの体温」は出版社自体潰れてますからねぇ、、、
      「この作品も絶版なんて」
      ホント残念です、、、「ヘルマフロディテの体温」は出版社自体潰れてますからねぇ、、、
      2014/03/04
  • すごく練られた話。調べるのすごくたいへんだったんだろーなー。
    日本人が書いたとは思えないくらいナポリが間近に迫ってきた。
    ただわたしはもう生まれ変わりたくないんで、転生の話を読むのは結構キツかった。
    「ヘルマフロディテの体温」の方が好きです。
    スペイン地区のことがよくわかった気がするので、忘れないうちにヘルマフロディテ再読し始めたら、
    やっぱりタランティーナ同じ人物だったか!
    ちょっとしか出てこない男の女王様がめちゃくちゃ好みでした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「転生の話を読むのは結構キツかった。」
      一度っきりの「生」の大切さを身に沁みました。。。
      「転生の話を読むのは結構キツかった。」
      一度っきりの「生」の大切さを身に沁みました。。。
      2014/03/04
  • 読みやすい上にファンタジックで、ものすごく好みだった。一気読みした。これを読んでから、ナポリは憧れの地。

  • リサーチすっごく時間かけたんだろうな、という印象。
    よく練られてる話だった。素直にすごいと思う。

    ただ、あまり好みに合わないタイプの話だったのか、
    先が全く気にならなかったので、
    読み終えるのに時間がかかった。
    そして、序盤から一部、展開が読めた部分もあり。。

    この人の作品、別のも読んでみたいなあ。
    そしてナポリに行ってみたくなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あまり好みに合わないタイプ」
      確かに、選り好みされる話ですね。
      暫く振りに、待望の第三作目が出て、いつ読もうかワクワクしています。。。
      「あまり好みに合わないタイプ」
      確かに、選り好みされる話ですね。
      暫く振りに、待望の第三作目が出て、いつ読もうかワクワクしています。。。
      2014/03/31
  • 読後感が清々しい。(でもひねくれの者の自分にはそこが少々気恥ずかしく) 
    意外に萌え要素があったりしてニヤニヤしてしまった。
    映画とかコミックとか、ビジュアル化出来そうな作品だと思う。
    わたし的には、ナポリの街を行く少年達の姿が竹宮惠子画で脳内に広がったりなぞいたしました。

  • 2方面から語られて、つながるという書き方は良くあるけれど、
    この作品はスケールが違います。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-243.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      古書店にて購入、、、素晴しい出来でした。3作目「ディオニュソスの蛹」を読むのが愉しみです!
      古書店にて購入、、、素晴しい出来でした。3作目「ディオニュソスの蛹」を読むのが愉しみです!
      2014/03/04
    • 潤さん
      >nyancomaruさん
      お!古書店で発見ですか!良いですね。
      もう本屋じゃ置いてないですからね。
      私も3作目楽しみです。(まだ未読...
      >nyancomaruさん
      お!古書店で発見ですか!良いですね。
      もう本屋じゃ置いてないですからね。
      私も3作目楽しみです。(まだ未読…)
      2014/04/12
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