大人のいない国: 成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)

  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833418881

感想・レビュー・書評

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  • 他人の子どもをキチンと叱れるのが一人前の大人だと思うんです。自分はまだまだ半人前。はやくオトナにならないと。

  • 対談は第1章のみ.あとは両人がそれぞれ各章を書いている.
    内田樹の章がどれもシンプルに心にひびいてくる.
    「大人」とは何か.
    子どもが成熟するためには、周囲の価値観が統一されていてはならない.
    「愛国者」や「(暴力的な)言論の自由」の論理矛盾.
    「呪い」と「批判」の匿名性と責任を引き受ける覚悟の違い.

    内田樹はやっぱり面白い.

  • 成熟社会。株式会社三省堂の大辞林には、「量的拡大のみを追求する経済成長が終息に向かう中で、精神的豊かさや生活の質の向上を重視する、平和で自由な社会」と記載されている。
     確かに、戦後の驚異的な復興、高度経済成長により、多くの人が自由で便利な生活をすることができるようになった。
    しかし、少子高齢化による社会保障費の増大や、1000兆円に迫る巨額財政赤字など、経済成長のピークは過ぎ、これからは生活の質、生活者の質を高めなければならない。
     鷲田清一氏(大阪大学総長)と内田 樹氏(神戸女学院大学教授)のこの著書は、経済成長に甘んじて、思考停止状態に陥っている未熟な大人たちへの警鐘として、これからの社会生活の考え方や個人の精神生活を説いている。

  • これまで個人的に考えていたことと重なる内容が多くて、そうだよなあそうだよなあと思いながら読んだ。

    思考の整理のためのまとめ本として、少し時間をおいたら再読したい。
    そのときは批判的な視点も持ちたいな。

  • 内田さんと鷲田さんという二人の哲学者による、日本の現代社会論。

    おもしろかったー!
    今の日本社会は「幼稚な大人」でも運営できるような「成熟した社会」であるため、破綻なく成立している。
    しかし、その社会に住んでいるのは「こんな社会に誰がした」と主張するクレーマー気質の大人になりきれない大人と、「この先はない、大人になりたくない」と主張する子供しかいない。
    というのが骨子。

    読んでいて、なんで自分がおとなになりたくないと思ったのかがよくわかった。

    ■「中身が成熟しないまま見た目だけ衰えていっている大人しか周囲にいなければ、子供は大人になるのを恐れる。」
    …確かに、基本的に私もおとなになりたくないなぁとは思うものの、素敵に年をとっていらっしゃる「大人」を見ると、早く大人になりたい!とも感じる。
    ■「現代社会はみんな消費者。生産者がいないから、コストパフォーマンスを考えて行動するから学校の先生に対しても「なんでそんなことしなきゃならないんですか?」と主張する」
    …権利意識が強くなった社会は悪い社会ではない。けれど、そこから一歩進む必要があるんだと感じた。

    おとなになりたくないと主張するのは簡単だし、大人にならなくても生きていけるのが日本社会。
    けれど、私はやっぱり「大人」になりたいし、日本社会を本当に成熟した社会にしたいと思う。
    interdependentな社会を生きていく中で、自分がどうあるべきかきちんと考えて、意識的に生きたいと思う。

  • わざわざ難しくしようとしている。内田樹の悪いクセ。

  • 読め、と言われた気がして読んだ。
    どの章もいいキモがしっかり入っている。
    消費者、幼稚化、二元論への警告、愛国論、相互依存と妥協、呪いと祝い。
    もっと矛盾と無秩序を。

  • 鷲田清一さんのはんなり感と、内田樹さんのてやんでえ調の対比が鮮やか。

  • そう言われてみれば、その通り。内田さんの文章にはいつもハハァ〜!とさせられる。

  • 内田樹の書いた第二章、第四章、第六章に大満足。

    第二章では愛国論者を見事に論破し、第四章では言論の自由の本質を看破し、第六章で未熟な日本人が量産された社会背景を説明する。

    とにかく見事な論理に脳みそ溶かされたい人にオススメ!

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著者プロフィール

鷲田清一(わしだ・きよかず) 1949年生まれ。哲学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鷲田清一の作品

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