大人のいない国: 成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)

  • プレジデント社
3.73
  • (24)
  • (43)
  • (39)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 372
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833418881

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 内田と鷲田の対談&エッセイ本。
    中身はいいけど、表紙のデザインがやや残念。

    日本はしわくちゃの精神子どもがぬくぬくと生きていけるぐらい、成熟した社会だった。でもこれからは?

    論点は、過剰な愛国心による排外主義、表現の自由による言論抑圧、弱者への配慮。
    内田の言説は他の本でも認められたのでわかりやすい。

    一読して損はない本。
    自分をふりかえってみたいときに。

  • 半分読んで放置していたのを引っ張りだして読んでみたら、最近のモヤモヤが解消されたようにおもえた。「日本には大人が少ない」、それがピッタリだった。当事者でありながら、その枠の外にいるような顔で、正論(のようなもの)を振りかざされるのに辟易としていたところだった。と同時に、自分の生き方はどうなんだと、いつも自信がなくびくびくとしているのだった。きちんとした大人になれているのか不安ではあるが、とにかくどんなときも当事者として地に足をつけて生きていきたいものである。

  • 内田はネット空間の多くの言説は匿名性を前提とした「呪」である、という。ネット世論の「ホンネ」というものが本来前提としなければならない「タテマエ」が、もはや誰にも読まれない新聞の社説欄くらいにしか見られない、加えて当のメディアさえもが数々の不祥事によりそこが割れている状況。これこそまさに「大人のいない国」の一断面である。
    私見では明治以来の日本は一部のエリートに「大人性」を付託することで、機関車の如くレールの上を走ることが出来た。一度の大きな脱線があったが、しかしその後も基本的な構造は変わらず、何事もなかったか如く機関車は走った。ただ、この60年で変わったのは運行を付託されていたエリート達の「非大人性」が露見したこと。鷲田はこれを「大人なしで回る成熟したシステム」と逆説的に評するが、危機的であるのは機関士が眠りこけているのを承知で、「何とかなるさ」と気楽に乗っていられる乗客達の方である。

  • 面白かった!
    大学受験の入試問題で、鷲田清一さんの他者論に出会ってから、とても興味があるこの方の考え方

  • もう少し大人になりたいと思った。
    ある詩人に『青春とは心の若さである』という名言があるが、大人と青春は相反するのかな〜。

    そんなことはないよね

  • 読み終えて

    頭に浮かんだのは
    「子ども課長」
    と呼んでいたあの方(笑)。

    最近よく思うのですが,
    私が就職した頃に見ていた
    今の私くらいの年代の方たちって
    もっと大人(はっきり言えばおじさん・おばさん)に見えていた。

    自分が実際にその年齢になって,どうか?

    大人になりきれていない,
    大人になりたくない自分がいる。

    改めて考えさせられて本である。

  • 難しい表現(言い回し)が出てくる箇所もありますが、全体的にわかりやすく書かれていると思いました。
    ページ数は少ないですが、ズシリと重いテーマです。
    今の日本がいいのか悪いのか...このままではダメだということはわかりました。
    価値観の乖離をどれだけ容認できるかが大人度なんでしょうね。

  • とてもいい本だった。
    手放しに陶酔した訳ではないが、少なくとも育児者として自分を意識して読んでも考えるべき事に納得があり、いち日本人として意識してみて読んでも染み込むものがあった。
    受け取り方は千差万別であろうが、全世代が好き嫌いを一旦おいて一度目を通すことを夢みたくなる一冊。誰かに読ませたい、じゃない。自分も一員なのである。消費税増税にある程度の納得がいくのはそういう意識の上にあるからである。

  • 「大人」がいることで子どもは子どもらしく振舞える。
    少なくてもよい。「大人」をどのように育てるか。
    社会でも、地域でも、会社でも、そして家庭でも…。
    身につまされる思いで読む。

  • 著者お二人とも好きなので、前々から読みたいと思いつつも、今日読了。
    対談がずっと続くのかと思いきや、最初の数十ページだけやったので、それがちょっと残念でした。
    お二人がそれぞれ自著で書いているような内容のような気もするけど、いやもうちょっと切れ味があったような、とも思う。
    話のまとまりもあまりないので、なぜこのような形で二人一緒に書かせたのか、そこがよくわからなかった。
    もちろん、お二人がもともと好きな自分にとっては、内容は確実におもしろいと思うので、決して悪い本ではないですが。

全51件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

鷲田清一(わしだ・きよかず) 1949年生まれ。哲学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鷲田清一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×