ももいろのきりん (福音館創作童話シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
4.07
  • (223)
  • (115)
  • (167)
  • (5)
  • (4)
本棚登録 : 1945
感想 : 167
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000443

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 越高綾乃さん紹介

  • 絵本や児童文学には、つい切なさを連想してしまうのは私だけだろうか。切なさを期待する自分もいれば、切ない結末の予感に耐えきれない自分もいる。大人になった今でも「泣いた赤おに」「ごんぎつね」あたりは、タイトルだけでかなしい気持ちになる。勿論、そのかなしさが魅力でもあり、名作である所以だろう。
    と言いつつも、「ももいろのきりん」は、そんな切なさで物語が終わらないところがよかった。ももいろのきりんとるるこは、最初から最後まで、この本の中でたのしく過ごして終わる。だからこそ、あのわくわくするようなももいろを堪能できるのかもしれない。ピンク、ではなく、ももいろ、というところも良かった。

  • ブックサンタ に参加しました。
    小さいころに好きだった本です。

  • お母さんにもらった、とてもおおきいももいろのかみできりんをかいた
    目や口も書くとそのキリンは喋り出し動き出す
    雨のせいで色褪せてしまいクレヨンの木を目指すことにするが…。
    色々な動物が出てきてとても色鮮やか

  • 「中川李枝子」さんの物語と、その夫の「中川宗弥」さんの絵による、1965年の本書は、のっけから
    「あたしったら、ももいろのゆうやけの上にいるんだわ」といった、型に縛られない始まり方が、私には新鮮だった。

    それは、「るるこ」のおかあさんからもらった、部屋いっぱいになる程の、大きな桃色の紙によるもので、「このかみでなら、うんとくびのながい大きなきりんがつくれるわ」と、早速るるこは作り始めるが、その制作風景は、巨大なアートパフォーマンスを見ているようで面白く、また、宗弥さんの絵は、既に大人のアンニュイな雰囲気を纏ったような色の無い分、着飾らない自然さが魅力の、るること、如何にも子どもが描きました的な、シンプルで愛らしい桃色のきりん、「キリカ」との対照性が目にも映え、まるでセンスの良い女性雑誌のデザインのようで面白い(白黒と桃色しか存在しない世界)。

    そして、ついに完成したキリカには、紙が話したり動いたりできるファンタジー感と、紙の特性を活かした現実感(糊が乾くまでぐにゃぐにゃして動けなかったり、雨に濡れると色が落ちてしまったり)とが、ほどよく混在した、子どもにとって、大変惹き付けられるものがあり、しばらくは二人で楽しんでいたが、あるとき、キリカの首に登って見えた、クレヨンの木のある山が気になって、そこから一気に、本書の世界も一面に様々な色が、鮮やかに咲き誇るようになる。

    しかし、ここでの宗弥さんの絵は、ものを忠実に眺めて細かく写生した感じというよりも、どこか抽象的に近い、イメージ優先で大雑把に描いた感じで、それはキリカの絵のように、子どもが描いたような無垢な印象を持つ一方で、レモン色の猿のいる木の芸術性を感じさせる美しさもあって、はたして、これらの雰囲気を、今の子どもたちがどう捉えるのだろうと気になってしまう時代性は、正直なところ、少々感じられた。

    ただ、それでも、クレヨンの木のある山に住む、これまた型に縛られない色を持った動物たちは、とても印象に残り、上記のレモン色の猿しかり、他にも、空色のうさぎ、ぶどう色のりす、クリーム色のきつねに、チョコレート色のひつじ、赤いリボンのようなへび等々、どれも個性的であり、彼等が、いつの間にか色の付いたるること一緒に踊り回る姿には、まるで、それぞれのアイデンティティを高らかに主張しているような、そんな自由奔放で平和な世界の一面を見せてくれて、そこに、長年保育士をされていた李枝子さんの人柄と、この絵本を作った意義を感じさせられたのが、とても印象的でした。

    • たださん
      ロニコさん

      更なる返信をありがとうございます(^^)

      昔話だなんて、気になさらないで下さい。私も卒園アルバム70年代ですから(^∇^)
      ...
      ロニコさん

      更なる返信をありがとうございます(^^)

      昔話だなんて、気になさらないで下さい。私も卒園アルバム70年代ですから(^∇^)
      それから、そこに載っているキリカ見てみたいですね。

      古田足日さん、お名前だけでは分からなかったのですが、『おしいれのぼうけん』で「ああ!」と気付きました。あの絵本の作者なのですね。未読ですが(^^;)

      それから、いぬいとみこさんの、『ながいながいペンギンの話』、調べてみたら1957年の作品なのですね。是非、古田足日さんと併せて読みたいと思います。ご紹介、ありがとうございます(^^)

      私の感想、読んで下さっていること、とても嬉しいですし、選書の参考だなんて、大した語彙も知らない私には恐縮ですが、学校司書のロニコさんに、そう仰っていただき、とても光栄です。

      私もロニコさんのレビューは、いつも楽しみにしており、その一歩引いた視点に、作品の真の姿を紹介したい思いが感じられるようで、とても印象的です。
      お仕事も大変かと思いますので、私はいつも気長に待ってますよ(^_^)
      2023/06/22
    • ゆーき本さん
      はじめまして こんばんは( .ˬ.)"

      たださんの本棚を拝見していたら「ロボットカミイ」を見つけて もしかして「ももいろのきりん」もあるの...
      はじめまして こんばんは( .ˬ.)"

      たださんの本棚を拝見していたら「ロボットカミイ」を見つけて もしかして「ももいろのきりん」もあるのでは?!と遡っていたら 見つけました〜!

      実はわたしも幼稚園の先生の読み聞かせで「ももいろのきりん」と「ロボットカミイ」に出会いました。
      「ももいろのきりん」はそれからずっと大好きで
      小学生になった時に初めて自分から親にねだって買ってもらった本です。こんなに長い本を自分で読み切った!という感動を今でも覚えています。

      わたしの幼稚園は 卒園アルバムの表紙を自分で切り絵を使って作るんですが、わたしのアルバムには【ももいろをしたきりんらしきもの】(笑)が貼り付けてあります*ˊᵕˋ*

      最近 もう一度読み返したいなぁと思って図書館で探しましたが見つからず( •̥ •̥ ) だったので ここで出会えてなんか嬉しかったです!

      あぁ〜!部屋いっぱいの大きな桃色の紙!
      ももいろのクレヨンでハゲた部分を塗りなおす!
      なんて素敵なんだ!!やってみたい!!
      2023/09/22
    • たださん
      ゆーき本さん、はじめまして。
      おはようございます(^_^)
      コメントをありがとうございます。

      今の年になってから、絵本や児童書の面白さに目...
      ゆーき本さん、はじめまして。
      おはようございます(^_^)
      コメントをありがとうございます。

      今の年になってから、絵本や児童書の面白さに目覚めた、私にとって、「ロボットカミイ」と、「ももいろのきりん」が、これだけ幼稚園や保育園で取り上げられている事を知るのは、当時の良質な作品として認められていた証にも思えますし、ゆーき本さんが、初めて買ってもらって自分で読み切ったという、素敵な想い出に関わる事が出来て、とても嬉しく思います。

      しかも、卒園アルバムの切り絵が、ももいろのきりんなのも、相当の思い入れがあったからではないでしょうか。そうした一つのものに、ずっと愛着を持ち続ける子どもの姿には、何故か涙を誘われるものがあります。

      私も幼稚園だったのですが、恥ずかしながら、読んでもらった絵本を覚えておらず・・卒園アルバムの表紙の絵が、滑り台等の遊具で遊ぶ子どもだから、もしかしたら、「ぐるんぱのようちえん」かもしれません。

      そうですね。あの導入部は、私にはとても画期的で型破りな始まり方に思えまして、児童書に決まった枠や縛りなんかない、その自由さに惹かれました。今でも、あれだけ部屋いっぱいのももいろのきりんを作ったら、きっと子どもたち大喜びすると思いますし、達成感ありそうですよね(^-^)
      2023/09/23
  • 「るるこは、お母さんから部屋いっぱいになるぐらい大きな桃色の紙をもらいました。るるこは大喜び。さっそく、のりとハサミとクレヨンで大きなキリンを作りはじめました。できあがった桃色のキリンに、るるこは、「キリカ」と名前をつけました。ところが、雨がふってきてキリカの首は、濡れてきれいな桃色がはげてしまいます。キリカの首を再び桃色にぬりなおすため、るるこはキリカに乗って「クレヨン山」にむかいます。]

  • 大きな紙でできた大きなキリンとのお話。
    そのキリンは紙でできているから色を塗れるしハサミで切ることもできる。
    水に濡れるとべしゃべしゃになるし、乾いたら触り心地も変わるし、色も褪せる。
    そんなキリンを干してあげなくちゃいけない機会が2回あるのだけど、その時の挿絵がシュールで娘には大ウケ。
    自分の想像の世界を好きなように形作る、工作が好きな子に合いそうな、何か作ってみたくなるような気持ちになる作品でした。

  • 私が幼稚園児の頃好きだった本を娘に読み聞かせてみた。
    読み終わった時、ももいろの紙をほしがり、自分もキリンを作ろうとした娘を見て、私も同じ事をしようとしたなぁと懐かしく感じた。
    少し古く感じる表現もあるが、親子でわくわくできる良い児童書だと思う。

  • 読み聞かせには長くてきつかった。子供も途中で興味を無くしてしまった。

  • 子供の頃、ずーっと欲しかった本。
    やっと自分で買いましたー☺️

全167件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中川李枝子 札幌に生まれる。東京都立高等保母学院を卒業後、保母として働くかたわら、児童文学グループ<いたどり>の同人として創作活動を続けた。1962年に出版された童話『いやいやえん』(福音館書店)は、厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。主な著書に、童話『ももいろのきりん』『かえるのエルタ』、絵本には『そらいろのたね』『はじめてのゆき』「ぐりとぐら」のシリーズなど、多数ある。東京在住。

「2022年 『ぐりとぐらカレンダー2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中川李枝子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×