子どもへのまなざし (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834014730

作品紹介・あらすじ

児童精神科医が語る、乳幼児期の育児の大切さ。

感想・レビュー・書評

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  • 児童精神科医 佐々木正美氏をわたしは尊敬してます。

    自閉症児への教育アプローチ「TEACCH」プログラムを日本に広めてくれた方。

    親子のコミュニケーションの大切さ・意味を詳しく・やさしい言葉で教えてくれます。

    赤ちゃんが大きくなる過程で、

    ◎必要不可欠なこと

    ◎親子をとりまく周りの理解や環境を整えること。

    ◎「エリクソンの発達課題」などの考え方・認識が学べます。

    分厚い本なので、一見ハードルが高そうですが…内容は、難しい専門用語はいっさい使われておらず、一般向けに書かれた良書です。

    読むと、筆者の『子どもへのやさしいまなざし』を感じられると思います。
     お子さんの発達に悩む保護者・養育者の方へ特におすすめです。

  • 2010年妊娠中に購入。

    時々ぱらぱらページをめくって読んでる。
    自分の子供を大事に育てていこう、と素直に思える本。
    子供に向き合う姿勢を見直すことができる本。

    2012年10月追記。
    子供がもうすぐ2歳。最近主張が激しくなってきた。どうしたらいいのかわからないときに、パラパラ読んで、気持ちを切り替えてる。


    2013年3月追記。
    イヤイヤ期真っ最中(2歳4ヶ月)。この子のために叱ってるのか、自分のために叱ってるのかわからなくなることがたまにあるので読み返してる。
    ・相手が私のことをどう思っているのかというのは、私が相手をどう思っているかとほぼ同じ
    ・こちらが相手を好意的に思えれば、相手だって必ず、そういう風に思うようになる(p58)

    (2016年7月)
    他の二冊「続・子どもへのまなざし」「完・子どもへのまなざし」も購入したけど、結局この本に戻ってくることが多い。
    下の子が産まれ、上の子に今までのように丁寧に向き合う余裕がなくなってきた。来年は就学も控えているので、いろんなことで頭がいっぱい。
    赤ちゃん返りなのか、わざとなのか、うっかりなのか、困らせるようなこと(小さなことから命にかかわることまで)をしてくることが増えた。つい、大声で怒鳴ったり、げんこつしたり、「あんたはアホなんか!?」みたいな叱責をしたりすることもあって、毎日反省したり、自己嫌悪で泣いたりしている。

    p60 親のほうが「それでいいんだよ、それでいいんだよ」といいながら、親のやるべきことをやってさえいれば、たいていは不足のない子に育っていくのだと思います。人の善意を信じられる子どもは、基本的には、親にそのように思われ、育てられた子どもだと思います。

    p69 親は大きくなってからでも、子どもを受容してあげればいいのです。小学生になろうと、中学生になろうと、その意味は大きいのです。必要なだけ十分受け入れてあげるべきだと思います。

    (2017年6月)
    上の子Fが小学校に入学して2か月ちょっと。
    「宿題やったの?」とか「さっさと準備して」とかいうことが増えてきた。どうしたもんかなー、と思って開き。

    ・幼い子どもにとって、母親は生きていくよりどころとして、かけがえのない基本的な存在です。子どもが健全に育っていくために、母親にたいして、どれだけプラスのイメージをもつことができるかが、とても大きな意味を持ちます。
     親の側からは、自分の子どもをまるごと、そのまま承認できるかという問題があります。それは、子どもに対して、「こうあってくれたらいい、ああでなくてはいやだ」と、そういう気持ちをもちすぎないことです。これは親の在り方の理想ですよ、けれども、それに近づける親ほど、子どもにとって安らげる親なのです。条件付きでない愛情を与えてくれる、こういってもいいと思います。(p298)


    ・いちどはどこかで、だれかに全面的に受容されることを経験しなくては、子どもは本当は前には進めません。そういう時親は、大きくなってからでも受容してあげればいいのです。小学生になろうと、中学生になろうと間に合うのです。十分、それはやってあげるべきことなのです。(p310)

    (2018年10月)
    三月に第三子が産まれた。
    産後の余裕のない生活、イヤイヤ期と赤ちゃん返りの二歳児、丁寧な関わりが必要なのに、思考も睡眠も細切れで、子どもの前で怒鳴りながら物にあたってしまった。
    楽しく暮らすヒントが欲しくてこの本をまためくっている。
    ・喜びを分かち合ってあげる人だけでなく、子どもの不安や戸惑いを分かち合ってあげる人が、いつもそばにいてくれることの大切さ(中略)そういう人の存在に絶えず恵まれながら育った子どもと、「どんなもんだ、ぼくえらいでしょう」とふり返ったけれども、自分のことを見ていてくれる人は、誰もいなかったという経験を、旅重ねて育ってしまった子供とでは、ソーシャル・レファレンシングの感情や完成のはぐくまれ方は決定的に違うのです(p132)
     →末っ子に授乳してたり疲れてたりすると、上の子たちのけんかや困ったことを見て見ぬ振りしたり聞いてもスルーしてたり。「ママ、みてー」と呼びかけられても生返事だったり。ああ、よくないなと思った。
    ・乳幼児期に自分の要求をたくさんかなえられた子どものほうが、自律性が育つのが早いといいます。自分の要求を乳幼児期に、十分かなえられなかった子どものほうが、自分で自分の衝動を自制したり、困難なことを決断していく力は育ちにくい、要するに、自分を信じる力が小さく弱いわけです。
    ・ですから、なにごともうまくできない子どもには、こちらのいうことを性急にたくさん聞かせるという発想で育児をしたのでは、ますます自律性をそこなう方向へ追い込んで、だめにしてしまうわけです。こちらが子どもの言うことを、どういうことをどれだけ聞いてあげると、子どもは自信を回復し、人を信頼してくのかを考えてみる、こういう発想がいいのです。(p178)
     →後半部分は、思い当たる節が結構多い。自分にも、周りの大人にも。手間と体力が必要なものならしっかり望みをかなえてあげたいと思う。(お金はあまりかけられないが)

  • あちこちで育児バイブルとして紹介されているので、手にとってみた。

    基本的には、「とにかく乳幼児期には子どもの要求に応える。そうすることで自信と他者を信じる力を身に付ける。これは人生の土台であり、乳幼児期にしかに身付かないもの。この土台がしっかりできていれば、成長しても問題行動などを起こさないもの。」
    というような考え。

    1998年初版だけど、今だによく唱えられている育児論なので、やはり教科書的存在なのだと思う。

    一方で、子どもの人格の原因をすべて親の育児方法に求めるような(著者はそんなつもりがなくても、そう感じてしまう)論調は、今困っている親を追い詰めてしまいそうだなとも感じた。

    これを正解とするのもいいけど、ひとつの育児論として参考にするくらいの心構えで覚えておきたい。

  • 佐々木先生の子育てに対する考え方が好きで著書を何冊か読んでいる。自分の子育ての頑張りを肯定してくれるような一冊。
    子どもの気持ちを受け入れ、可能な限り想いを叶える手伝いをする。子どもであっても1人の人として親としての責任を持ち接する。子どもの頃にこんな考えや行動ができる大人にもっとめぐり逢いたかったなと感じた。
    もしかしたら、子どもの為を思って行う「しつけ」も、自分の感情をコントロールできていないだけだったり、その子の為になってない場合もあるかもしれない。常に反省を繰り返すことが、親の責任でもあるのかなと思えた。
    「ソーシャルレファレンス」という言葉が本の中に出てくるが、これは誰もが覚えておいた方が良い言葉だと感じた。たとえ、子を持つ親ではなくても。
    子どもは3歳までに一生分の恩返しをすると言うけれども、それは本当だなと子育てをしながら感じている。そんな可愛らしい子ども達が自律した大人になれる様、楽しみながら子育てについて学んで行けたらと思う。

  • 子どもとの接し方に悩む度に読まなくては…と思っていた有名なこの本。題名、表紙から間違いなく良書なのはひしひしと伝わって来ていました。不真面目に伸ばし伸ばしにしていたら、子どもがもうある程度大きくなってしまいました。
    やっぱり遅かった。でも、読んで良かったです。そして、母子手帳とセットで全ての妊婦さんに配って欲しいとさえ思いました。

    ただ、自分に子供がいる人にだけ有用なのではないようです。孫、姪や甥がいる人、教育(特に幼児期)に携わる人、近所の子でもだれでも、子供に健やかに育って欲しいと思う人、会社で上の方に立つ人、沢山の人の心の基盤に優しく、そして厳しく訴えかける本でした。

    子供のことを主に書いてはいますが、現代社会やこれからの、社会全体の人と人との関わり合い方に警鐘を鳴らしています。

    保育園、幼稚園の時期がどれほど子供にとって大事か、力説されていました。なので、園選びはとても重要なのですね。

    また、昔はその日を食べていくのに精一杯だったのが、物が豊かになるにつれ、現代の親は自分がやりたいことがたくさんあるようになったとの指摘がありました。確かに、雑誌などで「お母さんでも〜したい」とかの文句を沢山見かけて来たなと思い当たります。その結果、余計に子供に必要な手をかけなくなってきていると。

    ※子供の心に思いやりの気持ちは放っておいても育つわけでは無いのです。誰かが誰かを思いやっている姿を、日ごろから身近にたくさん見る必要があるのです。

    ※どうすれば、子供が自分のことが好きになれるかと言うと、自分のことを好きになってくれる人に、たくさん恵まれることだと思います。

    確かにそうだなぁ。この手のことを書いている本を時々見かけたことはありますが、しっかりと納得いく理由がここまで書かれている本は初めてでした。

    その時は必死でも、今思い返すと後悔してしまう子育てをしてきてしまっていました。そして、今の私も、幼い頃の育てられ方で、そうなるべくしてなってしまっている部分もあるのだと少し納得がいきました。この本に遅ればせながら出会って、この先の志が定まりました。

  • 定番の子育て書、とのことで読んでみる。

    現在子育て1年生なので、やっぱり乳幼児期の話が気になってしまう。乳幼児期の育児がその後の基礎になる、ということは心に留めておきたい。若干プレッシャーに感じる日もあるが…。
    我が子のことが大好きだ、という気持ちを優しく肯定してくれる本だなぁと思う。この子のことをたくさん抱きしめてあげたいなって時に背中を押してくれるような。
    子どもが大きくなって、子どもとの関わり方が変わってきた時にもまた読んでみたい。

  • 乳幼児期は家の基礎と同じで、大きくなると取り返しがつかないほど大切な時期である

    ありのままのわが子を受け入れる

    子どもが望むことはできるだけ聞いてあげる

    子どもの性格や生き方は親の影響を大きく受けることがよくわかる。
    現代の子育ては孤立しやすく、昔とどんどん変化している様がよくわかったし自身でもそう感じる
    どこかへ連れて行ってもらった記憶より
    「爪切りしてもらった」ことが嬉しかったというエピソードは印象的だった。

  • 仕事と育児と家事で毎日があっという間に過ぎるなか、時間に焦って感情的になり息子の悲しい顔を見てハッとする。この世で一番大切な我が子に悲しい思いをさせるくらいわたしの仕事は、大切なんだろうか?自己実現も、育児も、って難しいのかもしれない。切り替えが難しい、言葉の発達がゆっくりなのはわたしのせいかもしれない。と思い悩んだときに友人が「育児の哲学」みたいな本だよと教えてくれて、読み始めました。

    3歳の息子を育てる母として、健康に育ってくれればそれだけで幸せだ、と自分に言い聞かせつつも、健康で挨拶がしっかりできて、地頭が良くて、日本語以外にも英語でコミュニケーションも、、と願うのはどの親御さんも同じなのではないでしょうか。
    妊娠中にアグネス博士の育児書を何冊も読みましたが、それって親の遺伝子と地頭がそもそも違うのでは?と思わせられる部分あり。こちらの本は、育児のもっと根源の部分のスタンスについて、とてもわかりやすく言語化されています。
    私は冒頭部分で、いろんな思いがこみあげて胸が熱くなって泣きました笑
    こどもの要求に応える=こどもがじぶんでできないことを、代わりにやることで絶大な信頼が積み上がる
    何度も何度も言い聞かせて、できるようになるまでひたすら繰り返す

    こんなにたくさん絵本読んでるけど発語しない、うちの子大丈夫かな?と漠然とした不安を抱えながら育児をしていたわたしの背中を押して応援してくれる本でした、ありがとうございます。
    子に携わるすべての方に読んでもらいたい一冊です。

  • 子どもが親の希望どおりのことをしてくれることに喜びを感じるのではなく、
    子どもの希望にこたえられることに幸福を感じられる親であってほしい。

    この本の中にはグッと心に響く言葉がちりばめられています。

    親とはなにかを考えさせられました。
    子育てに迷ったときにまた読みたいです。

  • 確かに小さい時に「だっこ」とねだっても「自分で歩きなさい!」と怒られた記憶しかありませんが、常に抱っこをしてあげたとしてもその後歩けない人間になんてならないんですよね。いかに小さい時に愛情と手間をかけられるかが重要なのだと骨身にしみて分かりました。でも子供に対して常に受け入れ準備万端の状態を保つって難しいんですよね…。って言い訳になっちゃうんで反省します。

  • 優しい言葉ながら、若干古い人の意見というか、料理に手をかけるとか時間かけよとか胎児のうちからとか母子分離はよくないとか、わりとプレッシャーになるご意見も散見されたので3点。
    この本を読むと安らぐ?いや、安らがないw育児に疲れたときではなく、育児に前向きでやる気がある時に読むべき本です。

    内容はなるほどと思うこともたくさん。
    ・育児で大切なのは待つ気持ち。繰り返し伝え、待つ
    ・子どもが失敗したときが親の出番、うまくいかないときのためにあるのが家族
    ・人間関係が多いほど、うまくいっているほど、育児もうまくいく
    ・子ども同士で育ち合う。大人より子どもとの関係。近所の子を誘って遊びに行くくらいのことをする
    子どもの要求に応える大切さを説いているので、このとおりがんばればザ・優しいお母さんになれます。

  • 不意に時間ができてしまったので,一気に読む。
    以前,一度だけお出会いしたことがあって,その時に絶対読もうと思っていたのだけれど,なんで今まで読まなかったのか。

    昔の本ではあるのだけれど,
    佐々木正美先生のおっしゃる視点は,あらゆる大人が一度触れてみても良いと思う。

    物が豊かになりすぎて,効率に重きが置かれる社会。膨大な情報があり,時間が限られているように思われる社会。

    そんな中で,子どもたちはどのように,見られ育っていくのか。

    抱っこを望むなら望むだけしてあげればよい。それは依存になんかつながらない。大人が望むことを過剰に注ぐから依存が生じる。

    基本的な信頼感が備わった子どもたちが,人を信頼し,周囲の人を愛し,その土台の上に大きな力をつけていくことができる。そして,自分を信じ,また周囲の人たちを信じて幸せにしていくことができるのだ。

    佐々木正美先生の言葉は,あたたかいようでいて,とてもシビアで厳しい。けれど,『子どもへのまなざし』というタイトルにもあるように愛情に満ちている。

    妻は,本当にすごい人だ。ここに書いてあることを自然に,やっているように見える。妻と生きることで,僕も少し近づいている気もある。そして,さらに僕もバージョンアップしている気がする。

    僕は,愛されて育ったのだ。
    だから,妻を子どもたちを信頼し,愛していくことができる。そして,周囲の人たちももちろん。

    日本の少子高齢化はすすみ,状況は厳しくなっていくのかもしれない。けれど,今,僕の住む地域の人たちは活気があり,あたたかく,やさしく,ふっと声をかけてくれることがほとんどだ。

    そんな地域も大事にしたい。
    この間,子ども食堂へ顔を出したら,食堂のおっちゃんもお姉さんも子どもたちも向こうから声をかけてくれていた。ちょっとできることやってみよう。
    妻と子どもたちに,これからも感謝して言葉をかけ続けよう。
    そして,僕自身,身体も大事にしながら,朗らかに笑って,時に悲しんで,面白がって生きよう。

  • 子どもが失敗したときが親の出番
    うまくいってるときにはわ家族はどうでもいい。
    失敗したときにこそ、親や家族がいちばん頼りになるのだというメッセージを、どう伝えるかがポイント

    なるほどなぁ!
    うまくいってるときは、勝手に進むので
    うまくいってないときこそ、丁寧に接していこうと思いす◎

  • 疲れてるときに読んだので、ひどく心が落ち着かず、責められているような気持ちになった。
    しかし、この本についての感想を色んな所から聞いてみると、
    一部時代に合わないところもある
    育児書に書いてあるところはいいところだけ拾う
    自分に当てはまらなくて落ち込むときは、自分に当てはまるまで話を大きくする
    などアドバイスをもらったため、もう一度読むことができた。
    いまは0歳を育てているけれど思春期までずっと読み返したいと思える本になった。
    手元においておきたい


    しかし、私はなぜ親からあんなにゆっくり見守って育ててもらったのに少し満たされない様子があったんだろう…そこは不思議だよね。

  • ・科学的検証がなされていない。(文献や実験のソースが無い、エビデンスベースでのデータが無い)
    ・「自分の場合は〜」という経験則、「〜らしい」という噂程度の記載もあり信憑性に疑いが残る。

  • 地に足のついたアドバイスと繰り返しのメッセージ。読んでると子育てが楽しみになってくる。たぶんそう思うっていうこともよいことだ。いとこのおねえさんに教えてもらった本。
    乳幼児期の育児の基本原則は、可能なかぎり子どもの要求を満たしてあげるように心がけながら育てること。望んでいることをしてあげることと、望んでもいないことをする過剰干渉は、違う。なにを望んでいるのか、わかってあげる、考える過程を、楽しむ。夫婦仲良く、困ったことは人に相談して、子どもどうし関わる機会をもつ。妊娠中の母親の気持ちと赤ちゃんのつながりの話も面白かった。実際みえるらしい。一章一章勉強になることが多い。
    名著。

  • 過保護と過剰干渉はちがう。子供の望むことを望むだけ応えて叶えてやるのが、過保護。現実には望むすべてを叶えることは困難で、過保護で子供がうまく育たないなんてことはない。混同される過保護とは、実際には過干渉。子供が望まないことを与えて期待を押し付けるような場合で、子供はありのままの自分、今の自分が受け入れられないと、感じてしまう。例えば行き過ぎた英才教育などは、子供の意思を無視している点では、暴力を伴わない虐待とも言える。
    豊かになり過ぎた現代の親は、我慢の必要なく育ち、子供の希望より自分の欲望を優先する傾向が強い。
    他にもいろいろと身につまされるようなことが書かれていて、これから育児を始めるためのいい羅針盤となりそうだ。

  • 「待つ」ということ。
    「思いやり」のお手本であるということ。

  • 保育園図書館シリーズ。
    全パパママ必読やないか。保育園のママ友も佐々木正美さんの本を持っていて、救われているそうな。
    精神科医だけあって、モノの言い方が柔らかくすんなり入ってくる。初版は25年前だけど、その頃からあんまり問題は変わってない様な気もするけど、新たな問題も増えてきているんだろうな。
    無償の愛、無限の愛を乳幼児期に徹底的に与える。もうちょっと早く知っておけばよかったと思いつつ、3歳直前だしまだ間に合うと思って頑張る。

  • 少し古い本ではあるけれど、親としての基本の姿勢がわかりやすく学べる本。
    自分が今子供たちのために何ができるのか考えさせてくれる本。
    優しくなれます。

  • 育児は育自。親育だとよくいうけれど、本当にそう思う。

    子どもを大切に育てることは、大人が自分を大切にして生きること。佐々木先生の言葉が沁みる。

    感謝して毎日を生き、自分が幸せだと思えてるか?まずは夫婦や家族仲良く、相手の幸せのために自分が生かされていると思えるような、親の人間力の向上が必要。

    親が疲れてるのは親の勝手、たしかにそうだなと思った。

    人間力のある親が育てれば、自然と、自分が愛され、大切にされていることが実感できるだろう。

    まさに、振り返ったときにいつも見てくれている、子どもへのまなざしが温かい、やすらぎの場をつくれる親になりたい。

    自分の親もいろいろ苦労しながら一所懸命育ててくれたことに感謝。

    一方で、人間力が伴わないのも自分。無理なこと、できないこともたくさん。日々、失敗を重ねながら、人格に厚みを増して、周りの人に頼りながら、子どもと一緒に成長し、幸せを分かち合っていきたい。

  • お母さんやお父さん、保育士や幼稚園教諭など、子どもに関わる人だけでなく多くの人に読んで欲しい!
    『子どものまなざし』を向ける大人の対応や子どものあり方を考えさせられる。
    教授や研究者の実験により証明されたことも挙げられているので勉強になる。

    *建物の基礎工事のように、乳幼児期は人間の基礎をつくる大事な時期!

    *赤ちゃんが望んだことはできる限り満たしてあげる。そうすると子どもは誰かを信頼することができるようになる。

  • 子供にやさしくしよう!
    一緒にいられるのは、ほんとに短い期間。
    大切にしよう。

  • 子育て中の保護者は読むべき。名著。古い本なのでどうしても時代にそぐわない点もあるが、大部分は時代を問わない本質的な内容だと思う。本は厚いが、優しいお爺ちゃんのような語り口で読みやすい。

    ・乳幼児の育児は建物の基礎工事。大学など後期の教育は内装工事。後の教育はやり直しがきくが、建物が建った後に基礎工事をやり直すことはほぼ不可能。

    ・親とだけいても社会性は育ちにくい。複数家族や子ども同士で行動させ、人と交わらせる。

    ・幼児のうちに可能な限り子供の要求を満たす。後から満たすより簡単で効果的。

    ・人間の体は必ず治る、成長する方に働く。邪魔をしなければ自然に良い方向に行くので、大人は最善を尽くしてあとは待つことが大事。

    ・失敗が人格に厚みを増す。子供が安心できるよう親が適切に対処しすれば「二度とするな」などと言わなくても極力やらないようにする。

    ・子供が親を信じられるようになるのは、子供が最も困っている場面で救いの手を差し出す時。

    ・反抗期は子供が成長する時。また親を信じているから反抗する。あまり抑え込まない。

    ・幼児期に保護され安心できた子供は、スムーズに社会生活に入れる。依存経験があるから自律心が発達する。

    ・発達には順番がある。首が座らないと寝返りが打てないように、運動面だけでなく、知能面も精神面も全て順番があり、一つのテーマをクリアして初めて次のテーマに行く。発達がうまくいっていない場合は一つ前に戻る。

    ・小さい時ほどお手本通りに育つ。親の言うことではなくすることを真似る。

    ・子供は厳しく育てられると「みせかけの前進」をするが、いつか大きく後戻りをする。

    ・将来幸せになるために今頑張らせるのではなく、今この瞬間を幸せにしてあげる。その積み重ねが将来の幸せに繋がる。

  • 次男が保育園児だった最後の頃にベストセラーだった本。
    孫の予定もないのに今更ですが、山脇百合子さんの挿絵も含めて当時とても読みたかった本を、今ようやく手に取ることができました。

    その当時から育児放棄されている子どもというのが少しずつ社会問題になってきていて、仕事の忙しさを言い訳に子どもに向き合おうとしない親や、公園デビューが怖くて家に引きこもる親子など、昔とは違う育児の問題がいろいろ出て来たのでした。

    ”では、なぜ現代のお母さんは、あるいは夫婦といってもいいかもしれませんが、育児が下手になったかということです。それは人間関係が下手になったからだと思います。(中略)親子関係だけを一生懸命やっても、親子の関係はうまくいかないし、育児の不安もなくならないのです。”

    子どもが社会的な存在として成長していくのに必要な、人間的な感情や感性をソーシャル・レファレシングと言います。
    ”ソーシャル・レファレシングは人間が社会的なルールを守りながら生きていくために、その基盤をなす重要な感情であるともいえます。人が人と共感し合って、そのことを誇りと感じ合って生きるために必要な感情なのです。”

    自律的な子どもに育てるために
    ”自分のやることを自分で決めて、楽しみながらのびのびとやってみる。危険なことは親や保護者に守られ注意されて、安心してやってみる。こういうことが子どもたちには必要なことなのです。”

    大人から教わることも子どもを成長させるけれど、それは人格を育てることとは繋がらない。それよりも、子ども同士でたくさん遊ぶ方が、人格形成には必要であるらしい。
    ”人間の社会的な勤勉性の基盤は、友達から学ぶこと、友達に教えることによって育つものなのです。そして、さらに重要なことは内容で、それは「質よりは量」がたいせつだということです。”

    しあわせな子どもを育てるためには、まず親が幸せでならなければならない。
    それは経済的な、ではなく、夫婦仲よくだったり、良好なご近所づきあいだったり、とにかく親の心が穏やかに満ち足りていなければならない。
    親が満ち足りていれば、子どもに過大な期待をかけたり、子どもを支配しようとしたり、子どもを無視したりしなくなる。

    過保護で子どもがダメになることはないのだそうです。
    子どもの要求は出来るだけ満たしてやること。
    ただし過剰干渉は絶対にダメ。
    うーん、過保護と過剰干渉の線引きが難しいなあ。

    今更読んでもだけど、久しぶりの子ども肯定育児本、楽しかった。
    山脇百合子の絵もよし。

  • 他の育児本は買わなくて良いくらい、この一冊に書いてあることで、育児に対する充分な心構えができると思った。
    また、自身の周りにいる人達や義親、実親、近所の年配の方など、世代間ギャップがあり育児に関わってくる可能性のある人たちにも、優しい気持ちで接することができるようになった。

  • 妊娠中、色々な育児書を読んでみていたけれど、
    これ一冊読めば充二分だった。
    いま実際に育児をする中、これで良いんだ、
    こういう考え方をすれば良いのか、と自信を持たせてもらったり、改めさせてもらったり、背中を押してもらった感覚になった。そして時々胸が熱くなった。
    子どもが成長していく中、迷った時、悩んだ時、またこの本を手に取りたいと思った。
    夫にも読んでみてもらおうと思う。

  • 精神科医としての臨床の場での洞察とエビデンスを元に保育に関わる様々な人に向けた一冊。

    子育てに関わる人と子供たちに対する愛情と思いやりが一貫してこの本に溢れており文面がとても読み心地がいい。文章も柔らかな表現が多いので気づけばどんどん読み進んでいっている感じだった。

    どちらかと言うと子供との向き合い方や心持ちと言った部分に対しての姿勢や意識する視点を与えてくれる一冊。

    子育てスタート前に読めてテクニック的な子育て論ではない肩の力を抜いて子供と向き合う姿勢や心持ちというコアな部分を理解できたように思います。

    今後も時折読み返したい一冊。

  • これは、子育てのなるべく早い段階で、いやむしろ子どもを授かった時点で読むべき本かもしれない。
    母子手帳と一緒に配ってほしいくらい。
    20年以上前に出版された本だけど、きっと何年経っても子育ての本質は変わらない。
    「何より大切なのは、幼児期にどれだけ子どもの要求に応えてあげらるか」だと繰り返し書かれているのが印象に残った。
    過干渉はダメだけど、過保護はいくらでもOK。
    「甘やかしすぎていつまでも自立できなかったらどうしよう」と心配する必要はなく、むしろしっかりと自分の希望を聞いてもらえた子どものほうが、自立が早く問題行動も起こしにくいとのこと。
    どの章を読んでも心にグッと刺さる言葉ばかりなので、子育てに悩んだら何度でも読み返したい一冊。

  • もっと早く出会っていたかった!上辺だけではない子供との向き合い方において本質的に大切なことを考えさせてくれる色褪せることのない唯一無二の名著。モンテッソーリだとか自尊心だとか言うけれど、結局この本質さえ心に置いておくことができればいいんだよなと感じさせられる。
    自分の心と時間に余裕がある時に読まないと、回りくどく、かつ理想論に感じてしまうかもしれない。しかし、このひとつひとつの丁寧で子供目線に立ったメッセージは、心と頭をスポンジ状態にしておけばスッと入って、一生の宝になるだろう。
    私は子供が3歳になる頃にこの本に出会ったが、本当は子供がお腹の中にいる時に出会い、子供が少しずつ大きくなるたびに読み返していきたい本だった。ぜひこれからの出産祝いプレゼントの定番にしていきたい。
    ※一部、昔はよかった(今の世の中はおかしくなってきている)、母親は全エネルギーを子どもに費やすべき、といった今の時代にそぐわない考えもあるので、そこは勘案したうえで読むべき

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著者プロフィール

児童精神科医。1935年生まれ。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学留学後、国立秩父学園、東京大学、東京女子医科大学、ノースカロライナ大学等にて、子どもたちの精神医療に従事する。現在、川崎医療福祉大学特任教授。
日本で初めてTEACCHを紹介し、普及に努める、TEACCH及び自閉症医療の第一人者である。
近著に『子どもへのまなざし』『続 子どもへのまなざし』『完 子どもへのまなざし』(以上 福音館)『「育てにくい子」と感じたときに読む本』(主婦の主社) 『アスペルガーを生きる子どもたちへ』(日本評論社)ほか多数

「2011年 『出会いでつむぐ私の仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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