なくしたものたちの国

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251661

感想・レビュー・書評

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  • きらいなのではないけど敬遠しがちな角田光代。松尾たいこの絵見たさに借りてきた。好きなのは2話目の猫のミケの話。他のはちょっとこわい。

  • 大切な人を亡くした後、手に取った本です。
    今の私が、読むべくして読んだ物語かもしれないなーと、大袈裟だけど、そう思った。

  • 挿絵と合わなかったんじゃないかなあ。ラストも少しこじつけた感が。

  • ちいさいころ動物と話が出来た。学校のやぎのゆきちゃん。飼い猫の生まれ変わりの中学生のボーイフレンド。なくしたものとなくしていくもの。
    もの哀しくそしてコミカルに描かれてていて大好きな作品。
    たぶん2011年のベスト1。

  • 不思議な物語だった。私にはいささか不思議すぎた。ゆきちゃんがかんむりをかむっているところが印象に残った。かんむりをかむる という表現が気に入った。

  • ラジオドラマを聞いて、思わず読みたくなった作品 。 感動した

  • なくしたものたちには、なくしたものたちのいく国がある。

    大切なもの、時間、人、、、

    忘れてしまったもの、けれどもかけがえのない大切なもの。

    いろんなことを忘れてしまう私の心に、静かに強く響きました。

    わかれてしまってもまた会える。
    会えば、わかる。
    忘れていても、そこにある。

    不思議な物語でした。

  • なくしものについての5話。現実ともファンタジーとも区別をつけがたい、少し不思議な話たち。小さな主人公がやがて子供をうんで、最後はまた一人。物悲しいようでいて、狂おしいくらいあったかい気持ちになった。
    葉っぱややぎ、ポストや野菜と話せた子供時代は、なんといってもやぎのゆきちゃんが印象的。大好きな先生とデートをするゆきちゃんに、お母さんのかんむりをかしてあげたナリコ。夏休みが終わったらもう話せなかった。それでも、デートの光景をゆきちゃんに見せてもらい、明るい気持ちになる。
    二話目のミケが、知らず知らずに泣いた。ミケの記憶を語り出す銃一郎。ボクがだんだんメス猫時代のわたしになり。ナリコのお母さんも、ミケと言葉に出すわけでもなく自然に再会に涙する場面。私たち人間は、ペットを世話する分だけ守っている気分だけど、思った以上に温かく、大人の器で見守ってくれている、なんて想像するだけで嬉しくなる。一番近くで見ていたよ、っていうようなメッセージを、そうと言わずに、でもその言葉以上に確実に伝えていた、あのやりとり。
    生き霊になる三話目も好き。うまくいかない、運命じゃないから誰かを憎んだりしてしまうんだという言葉に納得。もしかしたら、別の作品のだれかのいとしい人のお話に出てきたあれも、この中の生き霊だったのかな。
    なくしてしまうものや人は、誰にでもある。死は不可抗力だし、ものにしたってなくしたくてなくすわけではない。いつしか疎遠になる人。生きていくって、なんてなくしものが多いことなんだろ。
    でも、そんなものや人にも、いつかまたきっと会える。形を変えてまた会える。その言葉が、この先の私の人生をどれだけ優しく照らしてくれたことか。
    松尾たいこさんのどこか懐かしいイラストも素敵。ひとつひとつ眺めて、作品とリンクしてるものはあるかなと想像してみたり。巻末にそれぞれのタイトルがあり、また最初から照らしあわせて、なるほどとじっくり。
    お二人の後書きも好き。角田さんの本は、いつも後書きがすごく良い。じんとする。
    またいつか、この本を読む時にも、今日感動した気持ちが薄れていないといいな。

  • 図書館で借りた。

    挿絵はイラストレーターの松尾たいこさん。

    最初から最後まで
    フワフワして不思議な感じだった。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“ビブリオバトル”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/13.html


    イラストレーターの松尾たいこさんがおすすめしたのは「なくしたものたちの国」

    「全部読み終わると、なくすことは怖くなくてなくなっても別のかたちになって出会えるんじゃないかと前向きになれる本です。」と熱弁を振るいました。

    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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