すべての子供たちに: ボリス・ヴィアン詩集

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  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838704088

作品紹介・あらすじ

ヴィアンは歌う。男に捨てられた田舎娘や夢ばかり見ている男を、辛抱の足りない死神と囚われた名もなき兵士を、淋しい娼婦や政治家を目ざす海賊を、そして大砲の安売屋を。天才詩人とパリの人気アーティストが共演する魅力の詩集。

感想・レビュー・書評

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  • 最高。
    ヴィアンの表現の仕方とゆうか文体とてもすき。
    詩に向いてるって言い方もおかしいけど、詩ならこうゆうのが読みたいってわたしの欲求にとても近い。
    絵は、はじめは面白かったんだけど、なんか展開があまりないので、、、
    この本初版で絶版になってるようで、もう新刊では取り寄せできなかった。
    だって30年前ですし、、、
    ヴィアンの本って、人気あるくせにみんな絶版で手に入りにくいのが難だなぁ。

  • ボリス・ヴィアンの詩とミッシェル・グランジェの絵。両者を結託させたのは訳者である永瀧達治氏。訳者あとがきで、自らのこの所業を自慢気に語ります。お茶目なのです。
    と訳知り顔をしてゐますが、ミッシェル・グランジェといふ人は知りませんでした。
    なんだか、エキセントリックといふか、苛立ちを隠せないやうな作風。必ず球体(地球)が登場します。
    グランジェとヴィアン、二人の共通点はあまり感じられませんが、それが良いのかもしれません。

    死神に向つて「君は何と辛抱が足りないことか」と詰め寄るボリス・ヴィアンには、無上の優しさを感じます。同時に諧謔精神、厭世観が適当に混つてゐます。JAZZYであります。
    彼の、訳の分からない小説に比して、この詩集では真にストレートに挑発してゐます。
    例へば『北京の秋』を読んで(あるいは通読できずに)、ボリス・ヴィアンから離れた人がゐましたら、本書を読んで、もう少し彼にお付き合ひください、とつぶやきたくなるのです。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-234.html

  • 『日々の泡』の雰囲気を期待して読んだんですが、ちょっと違いました。
    が、「僕はくたばりたくない」の切なさには何となく『日々の泡』に通じる所が。
    タイトルからはちょっとクサくて説教じみたものを想像してしまいますが、
    そんな事は無く全篇ヴィアン節です。

    0914-0915
    /////
    ヴィアンは歌う。男に捨てられた田舎娘や夢ばかり見ている男を、辛抱の足りない死神と囚われた名もなき兵士を、淋しい娼婦や政治家を目ざす海賊を、そして大砲の安売屋を…。挑発と怒り、そして限りない優しさ。天才詩人とパリの人気アーティストが共演する魅力の詩集。

    <font size="3">僕はくたばりたくない
    使いきらないうちには
    彼女の唇と僕の唇を
    彼女の体と僕の手を
    </font>

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著者プロフィール

(Boris Vian) 1920年、パリ郊外に生まれる。エンジニア、小説家、詩人、劇作家、翻訳家、作詞・作曲家、ジャズ・トランペッター、歌手、俳優、ジャズ評論家など、さまざまな分野で特異な才能を発揮した稀代のマルチ・アーチスト。第二次大戦直後、「実存主義的穴倉酒場」の流行とともに一躍パリの知的・文化的中心地となったサン=ジェルマン=デ=プレにおいて、「戦後」を体現する「華やかな同時代人」として人々の注目を集め、「サン=ジェルマン=デ=プレのプリンス」 とも称される。1946年に翻訳作品を装って発表した小説『墓に唾をかけろ』が「良俗を害する」として告発され、それ以後、正当な作家としての評価を得られぬまま、1959年6月23日、心臓発作により39歳でこの世を去る。生前に親交のあったサルトルやボーヴォワール、コクトー、クノーといった作家たちの支持もあり、死後数年してようやくその著作が再評価されはじめ、1960年代後半には若者たちの間で爆発的なヴィアン・ブームが起こる。

「2005年 『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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