ハケンアニメ! (マガジンハウス文庫)

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 4019
感想 : 360
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  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838771004

感想・レビュー・書評

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  • CLAMPが表紙だったので気になっていた本。結構スポコンで好きな本だった。王子と有科さんの話をもっと読みたい。愛が溢れている職場っていいな。

  • アニメに熱い思いを持つ人たちの仕事小説。
    こんなに熱血に仕事に向き合えるのはすごく羨ましい。自分の好きなとこだからこそ、過酷な環境でも頑張れるんだろうと思う。
    自分は目に見えて好きな仕事ている訳ではないけど、まっすぐに妥協せず目の前の仕事に向き合うことは共感したし、心に余裕のない時でも教訓にしたい。

  • 前に読んだと思ってたけど登録なかったので再読。
    それぞれの立場で頑張ってる人たち見ると元気を貰える。
    狭い業界だからか皆繋がってるのが良い。
    舟を作ってイベントに出るまでの過程にドキドキ。

  • アニメ制作が舞台の連作短編集。
    読むと元気が出る。
    頑張る人を応援したくなる。

    アニメを作るのは、各パートが絡み合って作り上げるチーム作業だということがよくわかった。

    巻末の対談からも作者がアニメが大好きが伺える。愛とリスペクトが詰まっている。
    ここで出てくるアニメもどれも魅力的。

  • 時にぶつかり協力し合いながら、懸命にアニメをつくる制作現場とそれに関わる人々を描いた小説。
    個人的には、天才監督と敏腕?プロデューサーが、すれ違いながらも最終的によりよい作品づくりに取り組む過程をテンポよく描いた第1章がよかったです。ある人物が語る「頂点など目指さない、一部でも届けたい人のためにつくる」という言葉が胸をうちました。

  • ★3.0
    映画化で話題のハケンアニメ。初見では派遣アニメだと思った人が多いはず。覇権だとは。辻村さんの『スロウハイツの神様』からあの人が出てくるのもファン心をくすぐると思う。アニメ業界は簡単じゃない。

  • 辻村深月は自分の過去作の登場人物をなんの説明もなく出してくる自己愛の強さと内輪感が苦手だなぁと前から思っているのだが、今回もそうで、苦手なやつきたなぁと思いつつ舞台がアニメ制作ということで読まずにはいられなかった。アニメ大好き。
    普通に面白かったし登場人物にもだんだん愛着がわいて最後まで読めた。
    作中劇をアニメで観たい…

  • アニメの作り方がよくわかった

  • 好きだった箇所

    「ありきたりの日常が本当は一番尊いっていう、チープで便利で、うやむやな結論が嫌」


    「太陽くん、この世の中は繊細さのない場所だよ」
    きちんとわかるかな、と思いながら使った「繊細さ」の言葉に、彼が引いた様子はなかった。
    勉強に必要がないものを 「無駄」だと切り捨てたり、現実の役に立たないと断じたり。わかり
    やすくお金を使った人が偉かったり、メインカルチャーに乗れない人が疎外されたり、この世は、君の繊細さのひとつひとつを、丁寧に拾ってくれる場所ではない。
    「だけど、それでもごくたまに、君を助けてくれたり、わかってくれる人はいる。わかってくれ
    てる気がするものを、観ることもある」


    「「リデルライト」の中にある、生きろ。という命令形の言葉は、泥臭いけど、本気です。現実を生き延びるには、結局、自分の心を強く保つしかないんだよ。リア充って、現実や恋愛が充実してる人間を郷除して指す言業があるけど、リアルが充実してなくたって、多くの人は、そう不幸じゃないはずでしょ?恋人がいなくても、 現実がつらくても、心の中に大事に思ってるものがあれば、それがアニメでも、アイドルでも、れそうな時にしがみつけるものを持つ人は幸せなはずだ。覇権を取ることだけが、成功じゃない」

    「ニュースもトレンドワードもアクセスするたび入れ替わる。女性が女性として生きること。この時代に非正規雇用者として働くこと。結婚しない人生、
    子ともを持たない人生。平均年収の低下、社会保障制度の崩壊、 介護問題、十年後になくなる職業、健康に長生きするための食事の摂り方、貧困格差ジェンダー、毎日毎日、様々なトピックスが分刻みで入れ替わるニュースサイトのトップページ。明日美はそれに、かじりついている。すべてを見逃さないように、生き抜くために大切なものをたったの一つも掴み逃さないように。」

  • アニメ制作に携わる人たちの話。狭い業界だからこそ、というわけではなく仕事をする上で人脈がいかに大事か学んだ。ストーリーはとくに大きな展開もなく恋愛に落ち着く。アニメ作りには色んな過程があることを知ったのでこれからアニメのクレジットなど意識して見てしまうかもしれない。

  • あらすじ
    アニメプロデューサーの有科香屋子は、天才アニメ監督と言われる王子千晴の作品「光のヨスガ」の大ファン。そんな香屋子が口説きに口説き、ついに王子は9年ぶりに「運命戦線リデルライト」の制作に挑むことに。
    同じクールには、新人監督の斎藤瞳とプロデューサーの行城理がタッグを組んだアニメも放送される。
    果たして覇権(ハケン)をとるのは!
    3人の女性が「アニメが好き!」という熱い思いから、仕事にひたすら打ち込む様子が描かれています。
    辻村さんのアニメに対する敬意が込められており、愛に溢れた作品です。
    アニメに魅了され、アニメに夢を持つ人々の挫折や成長が垣間見られます。どんな逆境になろうとも、情熱を持って取り組む登場人物たちの姿勢は非常に眩しく、仕事に悩むあなたの力になるはずです。
    お仕事の苦労や悩みは、業種によって違うものです。自分とは違うお仕事の世界をのぞいてみたら、新しい発見があるかもしれません。
    感想
    たしかにいろいろな仕事があるんだな〜と
    思い知らされ小説だった。

  • アニメ業界のお仕事小説。
    3話プラス大円団の最終話。1話は厄介な天才監督を担当する女性プロデューサーが振り回されながら奮闘する話。2話は女性監督が一癖あるプロデューサーとタッグを組み悩みながら作品を作り上げていく話。3話は地方の制作プロダクションで働く神原画師と呼ばれる女性アニメーターが、在住している地方都市の活性化のためにアニメの聖地巡礼プロジェクトに巻き込まれる話。そして最終話は後日談。さらに特別編として、フィギュア会社の若手男性社員と神造形師の出会いの話が盛り込まれている。

    アニメ制作の現場のほんのさわりだけを知るには良い作品。だが、登場人物がみんな美男美女な感じだったり、それぞれの話にほんのり色恋が漂っていたりして、まぁ小説だがらそうなるよね、みたいな感じ。分厚い本だけどサクッと読める。

  • 一言で言うと、イタイ小説だ。
    アニメ(製作)業界の内幕を扱った内容だが、登場人物も含めてストーリー自体がそのまんまアニメの世界だ。
    好みが分かれるところだね。

  • 普通

  •  『2017年 9月 6日 第1刷 発行』版、読了。


     同名タイトルですでに単行本化された、文庫本です。

    文庫化にあたって、文庫版特別編の短編エピソードが1本(逢里くんのお話)と巻末対談が追加で収録されておりました。ただ、ペーパー的なショートショートは未収録。

     単行本化された時以来、ひさびさに再読的に読んで「ああ、やっぱりおもしろかった……」と、感慨深く読みふけっておりました。あと、何度読んでも、もしこの作品がアニメ化されたら、王子役は神谷浩史さんだよなあ……なんて、個人的に思いつつww

     単行本を読了したときにも思ったものですが、各エピソードにおいて「この場面をもう少し描いてほしいんだけどなあ……」なんて、思うところは、この文庫版でもやはり思いました。特に最終章にあたる内容は二人の主人公の後日は描かれておりましたが、3人目の主人公に関してはほとんど描かれておらずでちょっと残念。

     今後、作者がこの作品の続編を手がけるのかどうかは、現時点で把握していないのですが……個人的には、続編が刊行されたら、やっぱり手にとって読みふけるだろうなあ……なんて、思いました☆

     文体も読みやすくて、心地よかったです♪

  • 表紙イラストは右から、1章の香屋子、2章の瞳、3章の和奈。
    目次イラストは右から、1章の王子、3章の宗森、2章の行城。
    名前は京都奈良などの古風な名前?地名?
    学生のころは自分に似た人としかつきあわなかったが、仕事をすると否応なく別世界の人と関係を深めざるを得ないことになって、苦手ながらも認める、嫌いながらも助けられる、という感情の揺さぶりがかけられるのが、億劫ながらも面白い。
    王子の制作発表会でのスピーチは珠玉。
    「(オタクだって呼ばれていじめ)そんなとこまで行かないような浮き方や疎外感っているのが、この世には確実にあるんだよ。で、そういう現実に溺れそうになった時、アニメは確かに人の日常を救えるんだと思う」「暗くも、不幸せでもなく、まして現実逃避するでもなく。――現実を生き抜く力の一部として俺のアニメを観ることを選んでくれる人たちがいるのなら、俺はその子たちのことが自分の兄弟みたいに愛しい。総オタク化した一億の普通の人々じゃなくて、その人たちのために仕事できるなら幸せだよ」「一人でできる楽しみをバカにするやつは、きっといつの時代にも一定数いる。(中略)誰にどんなにバカにされても、俺はバカにしない。(中略)君のその楽しみは尊いものだと、それがわからない人たちを軽蔑していいんだと(後略)」
    また瞳が子供に言う、「この世の中は繊細さのない場所だよ」「だけど、それでもごくたまに、君を助けてくれたり、わかってくれる人はいる。わかってくれてる気がするものを、観ることもある」
    筋もキャラも優等生的内容で物足りないところはなきにしもあらずだが、このセリフに出会えてよかった。

  • おもしろかった。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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