やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840131360

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代にデビューした小説家のエッセイ。
    わかりやすく、何気なく、淡々と、けっこうぶっちゃけ。
    初めて恋人が出来て、クリスマスを迎え、引っ越しをして、最後の方では実家に戻る話になり、数年間の間にかなり変化があった様子。
    独特なこだわりや笑いのセンスが、時々ひかります。

    初めて上京したときの体験も、いきいきと。
    わかるとは言えないんだけど、わかりそうな気分になります。(東京育ちだけど、親は過疎の村の出で、学生時代には下宿もしていたので)

    新しいスーツでおしゃれしていた新入生の時、「まんがに興味がありますか」と勧誘されて、中身を透視されているのかと(え?)不安になり、「ありません!」と断ってしまったとか。(ぷぷぷ)
    高校時代からオタクの匂いを隠していたからですか?
    「底辺女子高校生」という作品なども体験から来ているらしい。

    初めて書いた小説を応募して、読者賞を受賞し、「青空チェリー」でデビュー。
    住んでいた豊島区をペンネームに。
    在学中には大学名を伏せていた理由…無理もないかも。
    綿矢りさと一つ違いとは。何かと引き合いに出されたり、騒ぎに巻き込まれるのもねえ。

    恋人と同居しようかと考えていると親に言ったら1時間説教されてしまう。
    料理も作らないのに、何もしてあげないで同居する意味があるのかと。
    それぞれ神奈川の別な場所に引っ越して付き合うことにしたが、どんな家に住みたいかという好みがはっきり別れてしまったという。

    料理に興味がなかったが、27になって突然、作り始める。
    ぜんぜん作らないのも変わってるけど…
    料理を作って食べて美味しいと感じる、それだけでいいんだと思えたそう。

    このエッセイを書いていた時期は、疲れていたのだそう。
    同じように疲れている人が読んで、ちょっとほっとしてくれればいいと思って書いていた。
    実家に戻り、家を手伝いながらの暮らしに。

    今年は初めて漫画を発表したとか。へええ!
    ブログをちょっと見ました。
    もともとすごく漫画が好きだったのね…
    何となく共感。漫画研究会にいたことあるので。
    (…遠い目?)

  • L25に連載していた豊島さんのエッセイをまとめた本。

    自身の容姿に対して過剰と言えるほどの卑屈っぷり、文章で笑わせようとしてくれているのがわかる親切さ、そして恋人と別れて東京を離れるセンチメンタルな終盤。
    気分の上がり下がりが激しいエッセイ。

    学生時代、豊島さんの本を何冊も続けて読んでいた頃を思い出しながら読んだ。大学二年生くらいだったはず。ブログも読んでいた。あれから十年以上経つ。

    Googleで検索してみると、豊島さんは結婚されたようだった。漫画も描いているみたい。
    時間が経てば自分も変わるし、周囲の環境だってずっと同じではない。頭のなかの記憶だけがいつまでも変わらない。自分は大学二年の夏を思い出すたびに、豊島ミホさんを思い出すんだろうな、と思う。

  • 最後まで読むと、全体に漂っていたのが作り笑顔やから騒ぎだったとわかる…。切ないね。

  • 癒されました。

    色々なことに対しての感じ方が、少し自分と似てるなぁ、分かるなぁ、といった感じで共感できたからなのか、普段自分の感じる、うまく言葉にできないことを言葉にしてくれていて、色んな気持ちになりました。

  • なんか、自分の芯をしっかり持った人だと思った。ブログを見ているとだいたいのことはわかるけど、やっぱり面白かった。
    自分が書いた本の感想は、私だったら絶対に見てしまうだろうし、ついでにライバル作家の評価も見て、自分のものと比較していると思う。
    べつに見てもいいんじゃないかな。評価されているから出るんだろうし。
    むしろ読んでほしい。

  • 「底辺女子高生」を読んだときから、なんとなく近いものを感じて(失礼だったらスミマセン)ひっそりと応援していた。彼女の生んだ小説に出てくる人物も、なんとなく惹かれるものがあって、ああ、この人は、学生のもろくてきれいな感性やどろどろで複雑な構造をした心を描くのが、なんて上手なんだろう、素敵だなあ、と思っていた。この本があたしの近くにあることが、どれだけあたしの、日常を生きる力に更に光を注いでくれたことか。彼女の言う「地味なエッセイ」が、どれだけあたしに元気を与えてくれたことか!

  • 分かります!!と思うところがたくさんありました。私も理想の彼氏の条件書き出してみたい(笑)

  • 2017年80冊目。

    悩みながら、失敗して、時々成功して、そうやって人は成長して前へ進んで行く。

  • 自炊するようになったら突然彼氏と別れ田舎に帰ってしまう。きっと何か大きな心境の変化があったのでしょうが詳細は不明。他にもいろいろと省略されている事情があり著者が読者に対してわざわざ距離を置くような姿勢というのはあまり好感が持てない。包み隠さず全てを吐露してとは言わないけど読者としては疎外感みたいなのを感じて少し寂しかった。

  • 小説は好きで殆ど全部読んだし、『底辺女子高生』も好きなんだけど…。
    自分への卑下やコンプレックスをこれでもかと強調する一方で、さりげなく恋愛の話を散りばめてあったりする所が、読んでいて痛々しくなった。

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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