文豪さんへ。近代文学トリビュートアンソロジー (MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ た 4-1)
- メディアファクトリー (2009年12月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840131469
感想・レビュー・書評
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面白かった。
近現代の作家って、いきなり長編!てなるよりは、
ちょっと短編、とかの方がとっつき易いような気がする。
で、今の人たちがそれへのとっかかりを書いてくれてるから、
いい具合に引き込まれていくんだろうなぁ。
どのお話もそれぞれ色があって面白かった。
中島敦、坂口安吾、芥川龍之介が好きだなぁ。すごく印象的。
中でも芥川龍之介の「トロッコ」がなぁ。
すごくわかるの。主人公のあの心細さ。
人の感覚なんていつまで経っても全然変わんないんだな。
だからきっと、文豪って呼ばれる人たちだって、
結構近いところにいるんだと思う。そういうのが嬉しい。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000008343
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近代文学トリビュートアンソロジー。
・【縁側】北村薫/【門】夏目漱石
・【虎】田口ランディ/【山月記】中島敦
・【あるソムリエの話】貫井徳郎/【セメント樽の中の手紙】
・【陰陽師 花の下に立つ女】夢枕獏/【桜の森の満開の下】坂口安吾
・【手袋の花】宮部みゆき/【手袋を買いに】新美南吉
・【洋館】吉田修一/【トロッコ】芥川龍之介
この本の良さはなんといっても企画と構成。
宮部みゆきと吉田修一は良かった。 -
すっごいおもしろかったー!
文豪の作品と、それを受けて現代の作家さんが書いたはなしと、さらにはインタビューも載ってて盛りだくさんでした。
なんとなく教科書とかで読んだことのある作品を、こう解釈するのか!なるほど!と目から鱗でした。あとがきで作者が解説してくれるのでよりわかりやすかったです。
特に山月記がすきなので、なるほど~と思いながら読みました。また別の作品でも第二弾出してほしいです。 -
いい本読んだ。
現代作家6人が各々好きな近代文学の文豪6人の作品をモチーフに短編を書き下ろし、原作について語る。その後、原作を読んで楽しみ、「そういうことか」と味わえる本。なんという贅沢。
難解で読みにくいという印象のある近代文学がこんなに面白く読めるとは思わなかったです。
特に好きなのは『夢枕獏×坂口安吾』と『宮部みゆき×新美南吉』。
夢枕獏さんが言っていた、坂口安吾作品の絵解きできないが、文章でしか表現できない、文章だけが持っている味わい。確かに素晴らしかった。
そして新美作品の描写の色彩鮮やかさ。子狐の後ろに新雪が舞って小さな虹が映るのが映像で見えたような気がしました。
本読む楽しさを改めて感じた。近代文学もいろいろ読んでみたいです。 -
文豪の作品を読む→触発→現代作家が作品を書く
さてさて、どんな作品が新たに生まれたのやら…ご注目!(院生アルバイトスタッフ) -
複数の作家が、それぞれ好きな作品を選んでアンソロジーを書いている。
夏目漱石や芥川龍之介など、有名な作家の文章も試し読み出来る。
身構えて読むから作品も硬くなる。
フランクに読めば作品も接しやすい。
というようなことを謳ったのは誰だったか。
でも、確かに、古い文章も新鮮でした。
それぞれの作品の面白さというよりは、新しい文章や作品に触れる機会を味わう一冊でした。 -
近代文学の名作を現代の有名作家がトリビュートして執筆するという
一風変わった豪華な短編集。
モチーフとなった作品、トリビュート作品、インタビューが付随してます。
インタビューで各作家さんがどのように名作を読み解いているのか
知ることができるのが興味深い。
トリビュート作品について原作の切り取り方は様々。
作者お気に入りの印象的なシーンに焦点をあてたものもあれば、
モチーフだけを借りて全く別の作品になっているものある。
ただ総じて短すぎるのが難点。
トリビュート作品の多くは物語として
昇華しきれていないような気がしました。