- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784844327417
作品紹介・あらすじ
個々の技術を的確に知ることがクラウドを理解する第一歩と考え、それを可能にする個別のコンセプトや要素技術に注目し、それぞれについて具体例も交え、分かりやすく解説。
感想・レビュー・書評
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技術的側面からクラウドについて語った本
目次
<blockquote>1章 クラウドの特徴
1-1 クラウドの分類方法
1-2 クラウドの利用者で分類する
1-3 クラウドの対象者で分類する
1-4 Amazon EC2を使う
1-5 IBMの企業内クラウドサービスとは
1-6 クラウドでプログラミングをする
1-7 クラウドでプロジェクト管理をする
1-8 クラウドでアプリケーションを使う
2章 ベースとなるコンセプトと技術
2-1 クラウドの全体像
2-2 仮想化
2-3 Virtual Machineの仕組み
2-4 プロビジョニング
2-5 ネットワークセキュリティー
2-6 スケールアウト
2-7 分散コンピューティング
2-8 メッセージシステム
2-9 ファイル共有とデータセンター
2-10 分散ストレージ
2-11 MapReduce
2-12 グリッドコンピューティング
2-13 ユーティリティーコンピューティング
2-14 ASP、SaaS
2-15 マルチテナント
2-16 ユビキタス
2-17 Webブラウザーの進化とRIA
2-18 Webサービスとマッシュアップ
2-19 クラウドを意識した新しいクライアント
2-20 広帯域ネットワーク
3章 クラウドの課題
3-1 パブリッククラウドに預けてよいのか?
3-2 その投資は最適か?
3-3 ネットワークの速度は十分か?
3-4 インターネットクラウドは企業システムを置き換えるか?
3-5 クラウドと契約、法律
</blockquote>
一番大きいのは2章のベースとなるコンセプトと技術だろう。
仮想化、スケールアウト、分散コンピューティング、key-value型データベース、広帯域ネットワーク、ユビキタス、RIAといった、クラウドを語る上でかかせないキーワードを、技術的側面から述べている。
ありがちなSaaS、Paas、Daas、Iaas(Haas)については、一章に軽く説明している程度です。
初学者よりは、技術に強い人がよりクラウドについて知る為の本ですね。
ただ、これだけ丁寧にまとめられている文章はないので、必須でしょう。
著者はIBMでこういった技術を詳しく知り、かつ外向けに解説、広報するエヴァンジェリストで、内部の事例も差し支えない程度に挟みながら、語っている。
……でも、3章はおまけですよね……将来の展開ではあるが、あまりページが無いんで特にそう思う。
ざっくり課題について述べられているが、一般論だし、これは誰もがそう思う程度の内容だと思う。
実現場ではもうちょっと深い箇所のツッコミが必要なので、全然足りない。 -
クラウドに関する現在の状況および
構成される周辺技術に関してわかりやすく書かれています。
クラウドというものを漠然としか理解していない
人向けの入門書として最適な一冊です。 -
2017年5月25日読了。IBMのクラウドエバンジェリストによる、2009年時点・まだ黎明期のクラウドに使われている技術について解説する本。まあ、技術者が技術者に向けて書いた本という感じで、読んで「で?」という感想が出てきてしまうのは致し方ないところか。ある程度のことはわかるが、もちろんそれ以上のことは自分で触ってみて、Webを調べまくらないとわからないものだろう。クラウドの意義や注意点などは分かってきたが、使われている技術や、AWS・Azure・Bluemixなどのクセの違いなどについては、もっと新しい本を読んで勉強もしよう。
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amazonの書評どおり、中盤を読みこなすには結構技術的知識が必要。でも、それ以外は基礎知識としてさらっと読めるし、ためになったと思う。
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2009年発行の本であるが、数年たった今も通用する基本的な技術が記述されている。技術者向けの本であることは確かである。
時折プログラミングのサンプルで例が示されているが、基本のコーディングを知っていれば十分に参考になるレベルの内容である。
業界の人は、ぜひ一読することをお勧めする。 -
結構難易度が高く、途中何度も挫折しそうになったが、不明な箇所はサラッと読んだ。その結果、ほとんどをサラッと読む事になる(笑)。
内容的には、我々が「ブクログ」を利用する様なレベルのクラウドではなく、企業の業務システム系の話しや、研究系のクラスタリングが中心。企業がクラウドに取り組む際、パブリックなクラウドを利用するのか、プライベートなクラウドを構築するのか。クラウドならば、これまで事業部毎にサーバーを買って、足りなかったり余ったりしたものを一括管理で簡単に一時的に増やしたり減らして他の部門へ割り当てたりなどの、柔軟な運用が可能となる。
クラウドの利用で、アクセスが集中して拡張が必要になった場合でも、自動でCPUを増やしたりサーバーが足りなくなれば勝手にOSのセットアップからはじめて自動的に増やして拡張して行く。
このような記述を読むと、将来コンピューターが反乱して地球をのっとりそうで怖い(笑)。
IBMのクラウドコンピューティングセンターなどは、普通の企業が一般用途向けにIT投資するのとは少し目的が違う。「普段使っている事務コンピューターシステムをもっと安く作りたい」といった意図ではなく、「これまではカネが掛かり過ぎて出来なかった事を、現実的な投資で実現したい」というものと考えられる(P31)。
P109ページからの、セキュリティのくだりは、公開鍵と暗号鍵の記述が丁寧でわかりやすかった。
◯状態のアーカイブ保存と復帰
ユーティリティー型のコンピューティングモデルを運用する時、状態を一時保存出来る事が重要となる事がある。
「短期間しか使わないが、繰り返し使う」IaasやHaasを提供しているサイトは、これを「仮想アプライアンス」という形で解決する。VMイメージを使ってシステムを立ち上げ、閑散期はVMイメージとして保存しておき、繁忙期にまたVMイメージを起動する。
一時的に人員を増員した際、メアドもあり、アクセス権限もあり、ドキュメントを保存する場所もあるとして、作業が終了し契約が解除になったとして、一年後に同じ人が来た場合も、簡単に復活して参加できる。
古いアプリをIaaSで活用する。マルチテナントで動かす様に変更したり新規開発しづらい場合。IaaSのインスタンスに入れてしまう事が可能で、これが一番手っ取り早い方法。開発し直すコストも不要だし、以前から使っている物をそのまま使えるので安心。
実際、この方法でマルチテナントするサービスは増えている。企業内のサービスでもこれは現実的な選択肢。市販アプリもマルチテナントに対応していない場合が多いので、当面はIaaSに頼らざるを得ない。 -
10/7:前に読んだクラウドに関する本で、クラウドってもっと単純なことだね、と思ったけど、実際技術としては、すごく複雑なことをやっているんだねと。しかしながら、目新しい技術ってないよね。今までの技術の組み合わせだ。昔の部署にいたらこのようなことは勉強、実践できたけど、今の部署じゃ、5年くらい後にならないとデリバリにはいたらないのだろうね。デリバリマネージャーが稼働率重視という悪夢から覚めたらもっと早まるとと思うけど。
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10/1:インタビューの付け焼刃第2弾として読んでみる。弊社の米持さんだ。