経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える

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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861824296

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  • なぜヨーロッパが世界を支配するようになったか=羅針盤、印刷機、火薬の3大発明による

    農業によるイノベーション、人口爆発
    マルサスの法則、飢饉、ペスト、戦争
    人口減によって封建制が崩壊した=土地に縛れれていた農民が領主から逃げ出した

    マルサスの世界では不平等は良いこと=搾取することで貧窮から脱出できる=平均所得は増加する

    技術進歩によって、労働者は、自分の運命にのしかかる新たな不確実性の奴隷となった。経済成長がマイナスになった時に問題がおきる。

    ケインジアンの説=自己増殖的な経済縮小の連鎖
    マネタリストの説=預金が引き出され、末端に資金が回らなくなった
    正しいのはその中間だろう

    セーの法則=供給は需要を作り出す、しかし所得が減ったときに消費を減らすと悪循環が始まり、供給も減らさざるを得なくなる

    サバイバルのためには技術進歩の利用者になるか機械化が不可能な分野で働くか

    サービス社会では、顧客のわがままの支配下にある=ジャストインタイム

    エコロジー問題と希少資源の争奪戦
    アメリカに追いつくという戦略の終焉

    医療は、需要が供給する側による判定に依拠する珍しい経済財
    したがって医療費は膨張する運命にある

    プロメーテウスとエピメーテウス、パンドラ
    パンドラは、女性のもつ生殖能力とともに破壊的な貪欲さを体現している
    人類の暮らしぶりには、生殖と貪欲が同居している。人類はエピメーテウスのように、かなり後にならないと理解できない

    産業の生産性は経済成長によって向上した=モノの値段が安くなった=使い捨て経済=やがて地球の地質学的限界と正面衝突する

    ケインジアンの危機=スタグフレーション=インフレと不況の同時進行、
    石油危機によって生産性が向上しなくなり供給が増えない状態
    マネタリストの登場=マネーサプライを減少させてインフレ退治をした

    サブプライム金融危機により、ケインズの論証が生き返った
    危機が一定のレベルを超えるとネットワーク全体が破壊する方向に働く
    複雑なシステムが多様性を失うと危機は致命的になる
    多様性の確保はリスクを減らす
    金融の世界では、行動様式が均一化していた

    ニューエコノミー=最初だけコストがかかる、2番目以降の製造コストは低い
    ルノーは、車のコンセプトを提案する企業=最初のユニットを製造する企業

  • 原題はLa Prospérité du viceらしいのでこの邦題はどうなのかとも思うし「『銃・病原菌・鉄』を超える傑作」と言えるのかというか方向が違うだろうとは思う。
    ただ『銃~』よりは軽く読みやすい。引用されている文献がヨーロッパ人のもので聞いたことがないものが多いのでいかに普段アメリカ発のものばかりに触れているかを思い知らされる。文明史というより経済史と思って読めばよいのかも。

  • 第1部 なぜ西欧が経済発展したのか?
    第2部 繰り返される経済的繁栄と危機
    第3部 グローバル化
    おわりに 人類初となる時代への突入

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著者プロフィール

1953年、チュニジア生まれ。フランスの経済学者・思想家。パリ高等師範学校経済学部長。『ル・モンド』論説委員。2006年にトマ・ピケティらとパリ経済学校(EEP)設立。著書にフランスで『銃・病原菌・鉄』を越えるベストセラーとなった『経済と人類の1万年史から、21 世紀世界を考える』など。

「2019年 『ホモ・デジタリスの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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