- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863240124
感想・レビュー・書評
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「動的平衡、生命の存在」という言葉をキーに、著者自身の専門でもある「生命」そしてそれらを分子のレベルから成り立たせているのであろう「動的平衡」に関する考究が展開された現在でも興味深い1冊。
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生物学者福岡伸一による生物エッセイ。
2009年に刊行されていて僕の持ってる2016年まで版を重ね続けているのはそれだけの名著であることの証だと思う。まーオモシロい&興味深い内容の連続で一気に読み終えた。分子生物学が専攻の人なので、生物学とはいいつつも限りなくアプローチが化学なのでロジックとして分かりやすい。それに加えて言わずもがな文章がめちゃくちゃ上手いというのがある。「AがBになるからCとなる」みたいな論理立てを愚直に行うことで、難しいことも分かりやすく書かれていて尊い。
本著で僕が何よりも勉強になったのは、人の線形的な思い込みと生物の挙動が乖離していることだった。線形的な思い込みというのは、インプットした分だけアウトプットが返ってくる比例の関係のことで、テクノロジーがここ数十年で著しく発展したことで、あらゆるものがそういった挙動を示すと認識しがちだけど生物は違う。この点を様々な事象を例に挙げながら解説してくれている。
特に疑似科学に対する分子生物学の観点からのカウンターがぐうの音も出ない理論武装っぷりで、ぼんやりと思っていたことが明確に言語化されていた。コラーゲンを直接摂取したとしてもアミノ酸に分解されて吸収される、しかもそのアミノ酸は他の食物にもおおいに含まれているので意味がないなど。ダイエットのことも書いてあって、世の中にどんだけメソッドあんねんっていうくらいに乱立していると思うけど、本著に書いてあるシンプルな事実の数々は盲目に何でも信じようとする人にとって1つの指針になると思う。
最近の遺伝子組み換えを筆頭とするバイオテクノロジー周りのビジネスとデカルトが提唱した生命に対する機械論を比較しながら、タイトルである動的平衡を唱えているところがかっこいい。機械じゃねーんだ、人間は。そして常にエネルギーを摂取する=食べることでflowし続けているのが人間だ、というのはテッド・チャンの「息吹」とバッチリ合うテーマなので併読すると人生が豊かになると思う。そしてあとがきに書かれている表紙の巻貝の意味が回収されてサムズアップ。完全に蛇足だけどタイムリーなPCR検査のことがあとがきに載っていて、発明者であるMullis氏は60-70年代の大学在学時代にLSDやりまくってたらしい。 -
動的平衡よりも、生物学・化学の意義が語られている。
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生命とは絶え間ない流れの中にある動的なものである。
人間は食べたもので形成されている。
アミノ酸アイソトープでその代謝は、3日間であることがわかった。
動的平衡の意味がわかってきた。 -
志村氏推奨
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おそらく、難解なテーマの内容が、簡潔な文章で書かれており、とても読みやすい。
理解できた気になってしまうのが怖い -
生物学に疎くても入り良くて読みやすく、内容と同じくらい文章そのものがタイトルを現しているように感じた
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つまらない。くりかえし。